磁気バブルメモリ製品群およびBUBCOM80、TTL論理回路カード(FACOM230-60搭載)、第八回情報処理技術遺産に認定

2016年3月10日

情報処理学会第78回全国大会が、慶應義塾大学矢上キャンパスにて開催され、大会初日の3月10日、「情報処理技術遺産認定式」が、同キャンパス内藤井洋記念ホールにておこなわれ、わが国の貴重な技術遺産の所有者、同遺産を保存・展示しているコレクションの関係者へ認定証が授与されました。

情報処理技術遺産とは、情報処理学会が、日本の情報処理技術史上の現存する貴重な資料に対して、その保存への関係者の努力を称えるとともに末永く後世に伝えることを目的に2008年に開設され、今年で8回目を迎え、認定製品は80点を数えます。

今回、富士通製 磁気バブルメモリ製品群およびBUBCOM80、そして、1969年に京都大学大型計算機センター開設時に富士通から納入されたFACOM230-60第一号機に搭載されていたTTL論理回路カードが認定されました。磁気バブルメモリ製品群及びBUBCOM80は、富士通沼津工場)DNA館に展示されており、一方、TTL論理回路カードは、京都大学学術情報メディアセンターに展示されています。

磁気バブルメモリ製品群およびBUBCOM80について

磁気バブルメモリ製品群およびBUBCOM80
【磁気バブルメモリ製品群およびBUBCOM80】

今回認定された製品群は以下により構成されています。

● 磁気バブルメモリを搭載するボード
● バブルカセット
● バブルメモリの製造工程を示す説明資料
● バブルメモリを搭載できるパーソナルコンピュータ
BUBCOM80(写真右奥)

磁気バブルメモリはベル研究所のボーベックらが研究、1967年に発表した磁気バブルを利用した固体メモリで、情報不揮発、電気的書き換え、高速アクセスなど多くの特徴を備えた素子であった。

この特徴を活かして、プログラムメモリ(10K~100KB)として利用が始まった。また1Mビットデバイスで構成したミニファイル(100KB~1MB)、ファイルメモリ(1MB超)と1978年から約10年間に渡って用途が広がっていった。

たとえば、ボードに実装したものはPOS端末の価格ファイルメモリーとして不揮発性を活かして活用された。バブルカセットは高速リムーバブルメモリとしてFUJITSU MICRO8をはじめとするパーソナルコンピュータ,ワープロやNC機で活用された。

認定製品群は、磁気バブルメモリを搭載するボード、バブルカセット、バブルメモリの製造工程を示す説明資料およびバブルメモリを搭載できるパーソナルコンピュータBUBCOM80からなる。BUBCOM80は,㈱システムズフォーミュレート社が開発し富士通㈱が製造し1981年に発売された。

記憶媒体について

(1) 情報不揮発メモリと揮発メモリ:
コンピュータや各種情報機器などに使われるメモリには不揮発と揮発があり、電源の供給が止まっても情報が消えないタイプを不揮発メモリと言います。 「不揮発」とは蒸発しない、「情報が消えてなくならない」 といった意味です。(例: USBメモリ、SDカード)
一方、パソコンのメインメモリーとして一般的な DRAM や、キャッシュメモリー等に使われる SRAM などは、電源の供給が止まると情報が消えるため、揮発性メモリーと言います。

(2) 1980年ころの記憶媒体とは:
1970年代後半から80年代、USBメモリやSDカードなど存在するわけもなく、可搬媒体では、 メインフレーム用磁気テープ(コンピュータ専用)、 ディスクパック、紙テープ、 紙カード、パソコンや端末用には、磁気テープ(オーディオカセットテープ)、フロッピーディスク(8インチ)がありました。オーディオカセットテープは、装置も媒体もオーディオ用の一般普及品でしたが、速度が非常に遅く、また、普及途上だったフロッピーは機械駆動のためアクセスに時間がかかりました。そこに、磁気バブルメモリが登場し、不揮発性、高速アクセス、1Mバイト超として、FUJITSU MICRO8をはじめとするパーソナルコンピュータ、ワープロ、NC機(*)や各種端末で広く活用されたのです。

(*)NC機とは:Numerically Controlled Machining、数値によってコントロールされる工作機械のこと。

認定証盾とともに、左から、開発者)前川治美、折原尚武、高橋節 藤井技術人材開発室エグゼクティブプロエンジニア(コンピュータ博物館実行小委員会委員)、阿部沼津工場長、堀田富士通DNA館長
認定証盾とともに、左から、開発者)前川治美、折原尚武、高橋節 藤井技術人材開発室エグゼクティブプロエンジニア(コンピュータ博物館実行小委員会委員)、阿部沼津工場長、堀田富士通DNA館長

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TTL論理回路カード(FACOM230-60搭載)について

2015年度情報処理技術遺産認定式について

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記事中の名称等は執筆当時の内容となっております。
なお、「沼津工場」は2026年4月から「沼津事業所」と事業所名が変更になりました。

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