コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスの基本的な考え方

富士通は、2015年12月の取締役会決議によって、コーポレートガバナンスに関する当社の考え方を整理した基本方針(「コーポレートガバナンス基本方針」)を制定しました。2023年9月に改訂した当基本方針は、現在の富士通にとって最善のものと考えて作成していますが、硬直化し、形骸化することのないよう不断に見直し、適宜取締役会で議論するなどして、常に最善のコーポレートガバナンス体制を維持できるよう努めています。

コーポレートガバナンス体制(2026年6月29日現在)

<取締役会>
富士通は、経営の重要な事項の決定と監督を行う機関として取締役会を設置しています。取締役会は、法令および定款に反せず、妥当と考える最大限の範囲で、業務執行に関する意思決定権限を代表取締役およびその配下の執行役員以下に委譲し、取締役会はその監督および助言を中心に活動を行います。また、取締役会は、業務執行の誤り、不足、暴走等の是正、修正を可能とするよう非執行取締役を中心に構成し、独立社外取締役の員数を取締役会の員数の過半数とすることで監督機能および助言機能を強化しています。なお、取締役の経営責任をより明確化するため、2006年6月23日開催の株主総会決議により、取締役の任期を2年から1年に短縮しました。

取締役会は、2026年6月29日現在において、業務執行取締役3名、非執行取締役6名(内、独立社外取締役6名)の合計9名で構成しています。

2025年度においては、取締役会を13回(内、臨時取締役会1回)開催し、会社法及び当社取締役会規則に定める取締役会において取扱うべき事項につき、毎月の定例取締役会に加え、必要な場合には臨時取締役会を開催して、機動的に決議、報告を行いました。特に、当社グループの事業環境を踏まえて取締役会としてフォーカスすべきテーマとして、(1)現中期経営計画最終年の見通し、(2)今後の成長戦略、(3)テクノロジー戦略、(4)非財務指標・人材育成、(5)内部統制・リスクマネジメントの5テーマを設定し、これらに重点を置いて議論を行うとともに、継続的な監督を行いました。
加えて、株主還元、政策保有株式の検証、株主・投資家との対話のフィードバック等を議題として取り上げるとともに、当社グループ全体のリスクマネジメントを統括するリスク・コンプライアンス委員会からは、任務遂行状況に関する毎月の報告及び当事業年度に発生した個別のリスク事案への対応等についてタイムリーな報告を受け、継続的な監督を行いました。
また、当社は、取締役会の実効性を高め、企業価値の向上を図るため、取締役会の実効性評価を毎年実施しております。

取締役会全体の実効性についての分析・評価結果の概要
取締役会は、その実効性の維持、向上のため、取締役会の評価を毎年行うことを、以下のウェブサイトに掲載する「基本方針」の2.(3)dに定めております。

1. 2024年度の評価を踏まえた2025年度の取り組みについて
2024年度の取締役会実効性評価アンケート結果においては、全評価項目の評価ポイントの平均値は前年度よりさらに上昇傾向となり、取締役会の実効性は継続的に高い水準にあることが確認されました。また、取締役会メンバーへのインタビュー結果を踏まえ、当社における「取締役会の実効性が高い状態」について、「①多様なスキルを有する取締役及び監査役が相互尊重のもと協働し、②建設的かつ自由闊達な議論を通じて、経営の果敢な判断及び実行が攻め・守りの両面において後押しされ、これらがいずれも欠くことなく機能することで中長期での持続的な企業価値向上を目指すという取締役会の役割が果たされている状態」と定義しました。(下図参照)評価の結果として、取締役会で取り扱う重要な議題の選定とその取扱い方法、及び議論の質向上に向けた情報提供・議事運営の高度化について、具体的な意見が多く寄せられました。これらの評価結果を踏まえ、2025年度は、取締役会の監督機能及び議論の質をさらに向上させるため、主に以下の取り組みを実施しました。

  • 取締役会で取り扱うテーマについては、重要案件をフォーカスポイントとして整理し、合宿形式の「集中討議」の機会を活用し、より計画的かつ充実した議論の場を設定した
  • 中期経営計画の進捗及び重要案件等については、モニタリング対象を明確化したうえで、年間を通じて付議スケジュールを策定するとともに、重要なマイルストーンや変化点に応じてタイムリーに報告・議論を行うことで、監督機能の実効性向上を図った
  • 会議運営のさらなる効率化と議論時間の確保を目的として、議案説明ビデオの活用を一層推進するとともに、議案資料の改善等により、議論すべきポイントを明確化し、議論の質の向上を図った
  • 社外役員への情報提供や社外役員の意見形成の充実については、社長と独立社外役員との定期的な意見交換の場の設定や外部有識者を招へいしての議論機会の拡充等によりさらなる充実を図った

また、取締役会メンバー間の実質的なコミュニケーション充実の観点から、①独立社外役員間での意見交換及び情報共有を目的とする独立役員会議、及び②非執行役員のみで開催するプライベートセッションを2025年度も継続実施しました。

「取締役会の実効性が高い状態」の定義について

2. 2025年度の評価
(1) 評価の方法
2025年度の評価は、2024年度と同様に、取締役会メンバーを回答者とするアンケート及び各メンバーとのインタビューを実施しました。評価項目については、前年度の実効性評価において整理した「取締役会の実効性が高い状態」の定義に基づき、当該状態への到達度を測る観点の設問を新たに追加しました。また、取締役会の運営や形式面に関する設問については整理・縮減を行い、今後の取締役会の在り方について取締役会メンバーの意見・提言をより深く把握する目的の設問へと見直しました。具体的には、コーポレートガバナンス体制、取締役会付議基準、取締役会の構成、議題、議長、会議運営、指名委員会・報酬委員会、情報提供、自己評価等に関する観点から意見聴取を実施し、一部定量評価は行いつつ、取締役会の実効性向上に向けた課題認識や具体的な改善提案を把握するための定性的分析の充実を図りました。これら取締役会の実効性評価の結果は、定例取締役会において報告、議論がされました。なお、機関投資家株主及び議決権行使助言会社等による当社取締役会に対する評価も併せて報告されました。
(2) 評価
上記の評価方法により、取締役会全体の実効性を以下のとおり評価しました。
・本年度の評価においては、「取締役会の実効性が高い状態」への到達度について定量評価を実施し、各取締役・監査役の期待水準を満たしていることが確認されました。また、評価項目の見直しにより、従来の運営・形式面に加え、当社取締役会のあるべき姿、コーポレートガバナンス体制、取締役会付議基準、取締役会の構成などに関する意見・提言を幅広く把握し、実効性向上に向けた課題認識及び改善の方向性をより具体的に整理しました。
・聴取した意見を総合的に検討した結果として、当社において「取締役会の実効性が高い状態」は、従前整理した定義に照らし、自由闊達かつ建設的な議論を通じて、監督・助言機能が適切に発揮されている状態にあると評価しました。そのうえで、実効性をさらに高める観点から、主に以下の対応を進めます。

  • 中長期的な企業価値向上に資する観点から、取締役会で取り扱う重要なテーマをさらに明確に絞り込んで、重点的に議論を行うとともに、当該テーマ設定自体も機動的に見直すことで、時宜にかなった実効的な議論の充実に努めます。
  • 経営環境の変化に一層迅速に対応できる体制及び監督機能の在り方を考慮して、執行側への適正な権限委譲の検討を進めます。
  • 取締役会として重要事項に集中した質の高い意思決定の実現を目指すべく、議事運営の更なる効率化のために各種施策を実行します。
  • また、取締役会における議論の質向上に向け、独立社外役員への情報提供の充実及び多様な視点の取り込みを図るとともに、取締役会における監督機能と監査役による監査機能がそれぞれ効果的に発揮されるよう連携を図り、取締役会全体としてのガバナンス機能の更なる強化に努めます。

なお、独立社外役員からは、当社の取締役会における議論は、他社と比較しても非常に自由闊達になされており活発かつ充実しているとの評価をいただいています。

<監査役(会)>
富士通は、監査機能および監督機能として監査役(会)を設置しています。監査役は、取締役会等の重要な会議に出席し、取締役会および業務執行機能の監査・監督を行います。監査役会は、2026年6月29日現在において、監査役5名(内、常勤監査役2名、独立社外監査役3名)で構成しています。

2025年度においては、監査役会を10回開催し、主に、監査役監査の方針および監査計画の立案と決議、会計監査人の監査計画、監査方法の確認、結果の相当性および監査上の主要な検討事項等の検討を行うとともに、内部監査部門からの報告を聴取しました。また、常勤監査役から社外監査役への重要な事項の報告及び検討に加え、執行側の活動に関する理解をより深めるために、さらなる情報共有を図り、各監査役の専門性を活かした意見交換を実施しました。
2025年度における監査役の活動としては、決議した監査の方針および計画に従い、内部統制システムの構築・運用と経営課題への対応を重点に以下を行いました。

  • 取締役会、独立役員会議その他重要な会議への出席と意見表明
  • 重要な決裁書類の閲覧
  • 代表取締役との意見交換
  • 本社各部門・子会社の業務等のヒアリング
  • 子会社監査役からの報告聴取
  • 会計監査人からの報告聴取
  • 内部監査部門からの監査状況および結果の聴取
  • コンプライアンス部門からの内部通報の状況の聴取
  • リスク管理や品質管理の状況の聴取 等

なお、監査上の主要な検討事項に関しては、連結財務諸表における潜在的な重要な虚偽表示のリスク並びに2025年度に発生した重要な事象等の影響および変化等について、会計監査人と十分な議論、検討を行いました。
これらの活動に加え、会計監査を巡る環境変化を的確に把握するため、有価証券報告書の早期開示やサステナビリティ開示の動向、AIを活用した次世代監査をテーマとして、会計監査人と2回にわたりディスカッションを行い、当社の現状と今後の留意点について確認を行いました。

<独立役員会議>
富士通は、独立役員の活用を促すコーポレートガバナンス・コードの要請に応えつつ、取締役会において中長期の会社の方向性に関する議論を活発化させるためには、業務の執行と一定の距離を置く独立役員が恒常的に当社事業への理解を深めることのできる仕組みが不可欠と考え、独立役員会議を設置しています。独立役員会議は、すべての独立役員(独立社外取締役6名、独立社外監査役3名)で構成し、中長期の当社の方向性の議論を行うとともに、独立役員の情報共有と意見交換を踏まえた各独立役員の意見形成を図ります。

2025年度においては、独立役員会議を10回開催し、経営方針に関わる重要な事業及び提携の進捗、M&Aを含む当社及び当社グループの事業再編、並びに当社のコーポレートガバナンスなどの経営上の重要な事項を継続的に議論するとともに、情報共有と意見交換を行いました。また、取締役会決議を要する重要案件の事前説明を議題とする場合に、常勤監査役もオブザーバー参加する会議体である「案件事前説明会」を、当事業年度において4回開催しました。

<指名委員会・報酬委員会>
富士通は、役員選任プロセスおよび役員報酬決定プロセスの透明性および客観性を確保し、効率的かつ実質的な議論を行うこと並びに役員報酬の体系および水準の妥当性の確保などを目的として、取締役会の諮問機関である指名委員会および報酬委員会を設置しています。

指名委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「コーポレートガバナンス体制の枠組み」と「役員の選解任手続きと方針」に基づき、役員候補者について審議し、取締役会に答申または提案しています。また、報酬委員会は、当社の「コーポレートガバナンス基本方針」に定めた「役員報酬の決定手続きと方針」に基づき、基本報酬の水準と、業績連動報酬の算定方法などを審議し、取締役会に答申または提案しています。

2026年6月に選任された両委員会の委員は以下のとおりであり、指名委員会・報酬委員会いずれも独立社外取締役3名で構成されています。なお、両委員会は、「コーポレートガバナンス基本方針」において、非執行役員で構成し、そのうち過半数を独立社外取締役とすることとしており、また、両委員会の委員長は独立社外取締役が務めるものとしております。

  • 指名委員会

    委員長:佐々江 賢一郎(独立社外取締役)
    委員:古城 佳子(独立社外取締役)、鈴木 国正(独立社外取締役)

  • 報酬委員会

    委員長:バイロン ギル(独立社外取締役)
    委員:平野 拓也(独立社外取締役)、小林 いずみ(独立社外取締役)

なお、2025年度は、指名委員会を9回、報酬委員会を7回開催しました。
指名委員会においては、CEOを含む代表取締役の選定案、取締役および監査役候補者並びに取締役会議長候補者の選任案等について、報酬委員会においては、取締役の報酬水準及び報酬ミックス、業務執行取締役の業績連動報酬における評価指標の内容、並びに監査役の報酬等について検討を行い、2025年度末までにそれぞれ取締役会に答申しました。なお、監査役候補者及び監査役の報酬については、各委員会が監査役会と協働してこれらの検討を行いました。また、指名委員会においては、スキルマトリックス、CEO等のサクセッションプランや社外役員候補者の選定の検討、及び非執行取締役の相互評価の実施を行い、報酬委員会においては、取締役報酬の総額枠についても検討を行いました。
富士通のコーポレートガバナンス体制の模式図は次のとおりです。(2026年6月29日現在)。

コーポレートガバナンス体制の模式図
コーポレートガバナンス体制の模式図

現状のコーポレートガバナンス体制を選択している理由

富士通は、非執行取締役による業務執行に対する直接的な監督と、業務の決定に関与しない監査役による、より独立した立場からの監督の両方が機能することで、より充実した監督機能が確保されるものと考えています。このような考え方から、独任制の監査役で構成される監査役会を設置する「監査役会設置会社」を採用しています。
また、業務執行の誤り、不足、暴走等の是正、修正を可能とするよう、取締役会は、多様な視点を有する非執行取締役を中心に構成するものとし、独立社外取締役の員数を取締役会の員数の過半数としています。

役員報酬の決定方針

取締役および監査役の報酬は、報酬委員会の答申を受けて取締役会で決定した「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針(役員報酬基本方針)」に基づき決定しています。

内部統制体制の基本的な考え方

富士通グループの企業価値の持続的向上を図るためには、経営の効率性を追求するとともに、事業活動により生じるリスクをコントロールすることが必要です。このような認識の下、富士通では、富士通グループの行動の原理原則である「Fujitsu Way」の実践・浸透を図るとともに、経営の効率性の追求と事業活動により生じるリスクのコントロールのための体制整備の方針として、取締役会において「内部統制体制の整備に関する基本方針」を定めています。

「内部統制体制の整備に関する基本方針」の全文ならびに業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要については、以下をご覧ください。

コーポレートガバナンスに関する開示事項

取締役(2026年6月29日)

取締役会(2026年6月29日)

2025年度 取締役会・監査役会の出席状況

2025年度 取締役会・監査役会の出席状況

取締役および監査役のスキル

富士通は、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、 世界をより持続可能にしていくグローバル企業として、取締役および監査役が業務執行、助言または監督機能を有効に発揮するのに必要と考えられる多様性およびスキルをそれぞれ特定し、スキルマトリックスとして開示しています。なお、各取締役・監査役が有するスキルのうち、当社の取締役会が特に期待するスキルに「〇」を記載しています。

取締役(2026年6月29日現在)

スキルマトリックス(取締役)

監査役(2026年6月29日現在)

スキルマトリックス(監査役)

スキル項目の定義

スキルマトリックス定義(取締役)