トップメッセージ

世界は今、AIの急速な進化による産業構造の変化や、地政学的分断の進行、経済安全保障の重要性の高まりなど、歴史的な転換点を迎えています。新たなテクノロジーは、人々の暮らしや企業活動だけでなく、産業のルールや価値そのものを変えつつあります。この変化は脅威となる一方で、新たな価値創造の機会でもあると捉えています。

当社では、このような外部環境の変化やサステナビリティ開示基準の変更を踏まえ、マテリアリティの見直しを行いました。必要不可欠な貢献分野である「地球環境の保全:Planet」「デジタル社会の発展:Prosperity」「人々のウェルビーイングの向上:People」、そして、持続的な発展を可能にする土台となる「テクノロジー」「経営基盤」「人材」の6つのテーマは従来通り継続し、各テーマにおける注力すべき具体的な領域を見直しています。

これらのマテリアリティを起点に、2026年度よりスタートした「中長期経営ビジョン2035」では、2035年度までの10年間をTechnology-drivenで価値を創造していく期間と定めました。信頼できるテクノロジーの提供を通して、様々な社会課題に対する解を導き出します。

そのために、お客様の事業成長とクロスインダストリーでの社会課題解決を支援するUvanceの進化に加え、新たな事業領域創出への取り組みを進めています。具体的には、省エネルギー性と優れた計算能力を備えた信頼性の高い計算基盤を提供する「Sovereign Platform」、人とロボットの協調により生産性向上や現場の自律化・高度化を実現する「Physical AI」、そしてデータとAIを活用して社会運営の高度化やレジリエンス強化を支援する「Intelligent Society」の3つの領域に注力します。富士通は、独自の先端テクノロジーと長年培ってきた実装力を活かし、エネルギー・資源制約や労働力不足、災害リスクの高まりといった社会が直面する課題の解決に貢献していきます。

代表取締役社長 CEO 時田 隆仁 顔写真
代表取締役社長 CEO
時田 隆仁


一方、サステナブルな世界の実現に向けた富士通自身の変革も加速しています。温室効果ガス排出量ネットゼロを目指す長期ビジョンのもと、自社事業活動に伴う温室効果ガスについては2030年度にカーボンニュートラルを、バリューチェーン全体では2040年度にネットゼロを実現することを目標に掲げ、SBTi(Science Based Targets Initiative)のネットゼロ認定を取得しています。当社の掲げる第12期環境行動計画では気候課題に加え、資源循環の推進や生物多様性への取り組みも強化しています。
また人権尊重を事業活動の前提として、サプライチェーンを含めた責任ある事業運営を推進しています。テクノロジーの活用領域が広がる今、人権・倫理・透明性を重視し、多様なステークホルダーとの対話を通じて、信頼される企業としての責任を果たしていきます。

さらに、AI時代における競争力の源泉は人材であると考えています。当社は、事業ポートフォリオと連動した人材ポートフォリオの実現や、人とAIの協調を前提とした役割・スキルの再設計を進めています。社員一人ひとりの挑戦と成長を支えるウェルビーイングの向上を推進し、自律的に価値創出できる人的資本の強化に取り組んでいます。多様な人材による共創が、当社の持続的な成長と社会への貢献を支える原動力となっていきます。

私たちは、お客様やパートナーの皆様とともに、信頼できるテクノロジーで社会課題の解決に挑み、より安心安全で豊かな社会の実現を目指します。
最後に、富士通グループは国連グローバル・コンパクトの10原則を支持し、その実現に向けた取り組みを継続していきます。世界中のステークホルダーと連携し、テクノロジーの力で持続可能な未来を共創していくことをここに約束します。