財務・非財務指標の関係性の把握

富士通グループは、企業価値向上ストーリーに基づき、非財務活動を中長期的な企業価値向上の重要なドライバーとして位置付けています。その実効性を高めるため、非財務活動がどのような経路で財務成果につながるのかを把握し、経営施策や組織運営に活用することを目的に、財務・非財務の関係性分析を進めています。
本分析では、マーケット部門、人事、財務などのコーポレート部門、研究所などの関係部門が連携し、非財務活動から財務成果に至るまでの仮説を構築したうえで、因果推論の手法を用いて検証を行っています。特に、人事施策による従業員エンゲージメントの向上、デジタルツール活用などが顧客へのアクションを通じて財務成果へどのように影響するのかを分析しています。

財務・非財務の因果分析結果

2025年度の分析では、従業員の行動変容やデジタルツール活用、お客様との対話や提案活動などの非財務要素が、商談創出数や商談獲得率といった中間因子(財務の先行指標)を通じて受注額に関係していることを確認しました。
具体的には、従業員がエンゲージメントの調査項目である機会の均等や充実感を感じることが、自律的な行動変容やデジタルツール活用を促し、顧客との対話機会や提案活動の高度化につながる関係性が確認されています。また、これらの活動やお客様NPS® (注1)
が、商談創出数や商談獲得率を通じて受注額の向上に寄与する可能性が示されました。
本分析は、当社内の一部事業領域における財務・非財務データをもとに、一定の仮説に基づいて実施したものです。その結果がすべての事業領域に適用されることや、将来にわたり同様の成果が得られることを保証するものではありませんが、非財務活動と財務成果をつなぐメカニズムを理解するための重要な知見が得られました。

  • (注1) NPS® :ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。
因果関係性分析結果(2025年度実績)
因果関係性分析結果(2025年度実績)

今後の高度化と施策への活用

富士通グループは、分析結果を、経営や現場の意思決定に活用することを目指しています。現在は、既存データに加え、お客様接点やAI活用、学習機会、重要イベント参加など、従業員や営業活動における具体的な行動を把握する指標の拡充を進めています。これらのデータを蓄積し、分析対象を広げることで、財務成果につながる行動指標を把握して施策に反映していく予定です。
また、分析によって得られた知見を人材育成、AI・デジタルツール活用、お客様アプローチの改善などの施策へ反映し、その効果を継続的に検証していきます。