記事公開日:2026年6月19日 GMOあおぞらネット銀行株式会社 様
「金融業の厳格なガバナンスと制度変更等への迅速な対応を両立~テクノロジーバンクが目指す、次世代のドキュメント管理とは?~」

スーツ姿の三名が木目の背景前で横並びに立つ集合写真

 GMOあおぞらネット銀行は、2018年にインターネット銀行事業を開始し、「すべてはお客さまのために。No.1テクノロジーバンクを目指して」というコーポレートビジョンのもと、新たな金融ソリューションを提供し続けています。

 そんな同社は、業務に合わせて都度更新の必要がある社内規定や手順書を効率的かつ厳密に管理する体制を構築するため、2025年4月に富士通ラーニングメディア(以下、FLM)のマニュアル作成・共有プラットフォーム“KnowledgeSh@re(ナレッジシェア)”を導入。トライアル期間を経て、2026年1月より全社に展開しています。

 法改正や通達等により、頻繁に更新が必要となる銀行の業務文書を、どのように管理・運用しているのか。執行役員 CIO兼CISO 金子邦彦様、テクノロジー・エンジニアリンググループ プロダクトエンジニアリングチーム 侯雅琦様、コンプライアンスAMLグループ 事務管理チーム 平岡慧子様にお話を伺いました。

システム開発の内製化体制を構築し、スピード感と柔軟性の高いサービス設計を可能としている

――GMOあおぞらネット銀行様は「すべてはお客さまのために。No.1テクノロジーバンクを目指して」というコーポレートビジョンを掲げていらっしゃいますが、具体的にどのようなことを実現されようとしているのか、教えてください。

金子様:あおぞら銀行とGMOインターネットグループのジョイントベンチャーとして「GMOあおぞらネット銀行」を立ち上げる際、従来と異なる銀行を創りたい、お客さまが真に求める銀行をテクノロジーで追求していきたいと考えました。そして、そのテクノロジーにより、低価格・スピード・安心・利便性を兼ね備え、お客さまに新しい価値を感じていただける銀行になることを日々目指しています。また、その実現に向けて不可欠なのがシステム開発の多くを内製化している点で、当社の大きな特長の1つです。

金子 邦彦 様
金子 邦彦 様:インターネット銀行準備室時代からシステム責任者を務め、GMOあおぞらネット銀行の事業開始直前に執行役員就任。現在は執行役員 CIO兼CISOとして、システムやバックオフィス関連のチームを統括している。

――システム開発を外部のベンダーに依頼せず、内製している理由は何なのでしょうか?

金子様:一番のメリットは、スピード感と柔軟性です。今や誰もが慣れ親しんでいるインターネットサービスの世界では、従来の銀行とスピード感が大きく異なっています。従来の銀行では、新サービスは「今年計画し、来年予算を取り、再来年提供する」というように、実現まで3年ほどかかるケースが多いと思います。しかし、インターネットの世界では、1年経過しただけでも「古い」ということになってしまいます。

 そうした状況の中で、良質な新サービスを柔軟に開発し、できるだけ早く提供し、お客様にご満足いただくためには、やはり内製こそがベストな選択肢であるという結論に至ったのです。

銀行実務における業務文書の管理に対するジレンマ。厳格なガバナンスと現場主導でのタイムリーな更新をどう両立するか

――「No.1テクノロジーバンク」を目指す上で、業務文書の電子化・管理において課題があったと伺っています。具体的にはどのような課題がありましたか?

金子様:当社では、企業としてのポリシーやスタンダードを定めた「社内規定」の他に、現場がオペレーション操作等を伝えるために作成した「手順書」があります。銀行をはじめとする金融機関にとって、社内規定は「柱」とも言える存在で、その業務は社内規定に従って厳格に行われています。したがって、その改訂にはリーガルチェックを含む承認プロセスが不可欠です。

 一方で、時代や環境の変化、そしてシステム改修等に伴い、私たちの業務内容も刻々と変わっていきます。それに合わせて随時、現場が作った手順書も内容の更新やバージョン管理等が必要となりますが、これらが一元化されておらず、運用・管理の最適化が課題となっていました。

金子 邦彦 様

――そのような中で、どのようなマニュアル作成・共有プラットフォームを求めていらっしゃったのでしょうか?

金子様:銀行業は当然ながら、厳密に定められた規定にのっとって業務を行わなければなりません。また承認や決裁なども、定められたフローに従う必要があります。そして、そういった銀行業の基本に加えて、当社特有の規定やフローもあります。

 そのため、厳正な決裁フローを維持しつつ、現場主導で柔軟に更新もできる、当社の業務に即したマニュアル作成・共有プラットフォームが必要でした。

平岡様:これまで手順書は現場が独自に作成し管理していましたが、誰もが最新の手順書を検索・確認でき、データを一元管理できる環境を作ることができれば、ミスの発生を可能な限り排除できるのでは、と考えていました。

(平岡 慧子 様:2020年入社。コンプライアンスAMLグループ 事務管理チームにて、法務コンプライアンスチームから引き継いだ社内規定管理業務を担当している。)

――様々なツールを比較検討される中で、KnowledgeSh@reやFLMのどのような点をご評価いただいたのでしょうか?

金子様:まず、KnowledgeSh@reは基本的な機能が優れていると感じました。さらに、やりとりを進めていくなかで、FLMさんは極めて柔軟な対応をしてくださる会社であるということがわかりました。私たちも多くの要望を挙げさせていただき、100点満点のツールは世の中に存在しませんが、「FLMさんと一緒に取り組んでいけば、KnowledgeSh@reというツールを100点満点に近づけることができる」と確信できたことが、採用の決め手となりました。

KnowledgeSh@reを銀行業の厳格な決裁フローに対応できる製品へアップデート

――100点満点ではなかったというのは、足りない機能もあったということでしょうか?

平岡様:最も重視していたのが、承認フローの機能でした。社内規定の制定・改正・廃止の決裁フローは、当社所定の決裁権限および内部統制の考え方に基づき運用されています。当該フローを過度に効率化・簡略化した場合、決裁プロセスの妥当性や牽制機能が弱まり、結果として、業務運営の品質低下を招くような内部統制上のリスクが高まる懸念があります。

 そのため、当社の決裁フローをKnowledgeSh@reにどう適合させていくかということが最重要課題であり、運用フローの構築は複雑かつ緻密な検討が必要となりました。この点は非常に苦心した部分で、課題を洗い出し、FLMさんと何度も認識合わせの機会を重ねました。

侯様:FLMさんには、「銀行の決裁フローにも柔軟に対応できるツールを求めている」という、当社の要望をお伝えしたところ、「それならば、機能提供の可能性をすぐに検討します!」とのご回答をいただけました。

侯 雅琦 様
侯 雅琦 様:2021年に入社し、現在はテクノロジー・エンジニアリンググループ プロダクトエンジニアリングチームに所属。これまで様々な社内業務の改善活動に取り組んできた。

――KnowledgeSh@reの機能を、GMOあおぞらネット銀行様向けにカスタマイズしたということでしょうか?

侯様:当社で導入を検討する上で重要だった承認フローの機能をFLMさんから「GMOあおぞらネット銀行様がその点でお悩みであるのなら、きっと他の銀行様でも同様のお悩みがあるはず。ならば、ぜひその機能をKnowledgeSh@reに取り込みたい」とおっしゃっていただき、標準装備していただきました。

2年間の検討により誕生した、銀行業務の現場で活きるツール

――最初にFLMにお問い合わせをいただいてから、2026年1月の全社展開に至るまで、約2年を要したと伺っています。その間、FLMとはどんなやり取りをされていたのでしょうか? 

侯 雅琦 様

侯様:承認フロー以外にも、銀行業において重要なセキュリティ面など、当社側の様々なニーズについてFLMさんにご相談し、議論を重ね、導入に向けて模索を続けてきました。我々がやりたいこととKnowledgeSh@reでできること、KnowledgeSh@reの機能で補えない部分は運用でどうカバーするかなどを、一つずつ丁寧にすり合わせていきました。両者の間にあった課題を、2年ほどかけて少しずつ埋めていったイメージです。

 もちろんKnowledgeSh@reは銀行業に特化したツールではないのですが、当社からの要望と、それに対するFLMさんの柔軟な対応により、銀行業の現場で十分に使えるマニュアル作成・共有プラットフォームになったと考えています。

定着こそ次の課題。進化し続けるドキュメント管理

――全社展開にあたっては、多くの準備やご苦労があったかと思います。全社展開までのプロセスや、従業員の皆様からの反響について教えてください。

平岡様:説明会を3回実施したほか、すべての操作に関する画面キャプチャ付きの操作マニュアルを制作し、配布しました。操作マニュアルをしっかり読んで、問題なくKnowledgeSh@reを活用しているメンバーがいる一方で、使い慣れていないツールに苦労するメンバーからの声も挙がってきています。

 これまではWord形式で管理していたので、網羅的に検索できなかったことが課題の一つでした。しかしKnowledgeSh@reの導入により、登録されたすべての社内規定や手順書からも検索が可能となり、内容を比較的確認しやすくなったことで、業務品質の向上やミスの削減も期待しています。

――最後に、今後御社が目指すドキュメント管理のあり方について、そしてKnowledgeSh@reおよびFLMへのご期待やご要望があれば、ぜひお聞かせください。 

金子様:金融機関にとって、ドキュメント管理は非常に大切です。そして、それを常に最新の状態に保ち、誰もが必要な時に検索・確認ができる状況を作ることで「ミスを減らす」というのが、我々が目指していることです。KnowledgeSh@reは、それを実現させるための強力なツールとして活躍してくれると考えています。

 今後も金融業界特有のニーズや、当社ならではの要望が生じてくると思いますが、その都度、FLMさんに相談させていただきたいと思っています。時には難しいご相談をすることもあるかもしれませんが、こちらの要望を決して門前払いにはせず、なんとしてでも応えようとしてくださるFLMさんの真摯な姿勢に、これからも大いに期待しています。

関連情報

富士通ラーニングメディア担当者からのメッセージ

カスタマーサクセス本部 西端 裕一

カスタマーサクセス本部
西端 裕一

 金子様から最初に「FLMさんにお任せしたい、一緒にやっていきましょう!」とのお言葉をいただけたこと、そして何よりも厚い信頼を寄せていただけたこと、営業としてこれほど嬉しいことはございません。金融機関様ならではの貴重なご要望を直接お伺いし、既存プロダクトの改善に繋げられた経験は、私たちにとってもかけがえのない財産です。
 このご縁に心より感謝申し上げます。

AI Enablement 事業部 豊島 崇泰

AI Enablement 事業部
豊島 崇泰

 ドキュメント管理に関する金子様の熱い思いをお聞かせいただいたのが本件のスタート地点であり、続いて侯様と平岡様からも同様の熱量を頂戴したことで、私自身も全力で取り組むことができました。
 ここまで長期間にわたって伴走させていただき、立ちはだかる大量の課題を一つひとつ、ご一緒にクリアすることで一定の完成形にたどり着けたことは、私自身にとっても貴重な業務経験となりました。

※ 本記事の登場人物の所属、役職は記事公開時のものです。

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