持続可能な電力安定供給を目指して、AIとデータドリブンで描く未来

2023年12月5日
2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが進む中、世界情勢やパンデミックを契機に、世界はあらためてエネルギーの安定供給について考えることとなりました。
日本でも電力需要ひっ迫やエネルギー価格の高騰が大きな社会課題となっており、政府によるエネルギー政策基本法など、様々な施策が打ち出されています。これからも人口・産業構造の変化や、自然災害の深刻化といった課題が立ちはだかり、さらに厳しい変化への対応が求められるでしょう。
一方で、AIをはじめとしたテクノロジーの進化により、多種多様なデータを蓄積し、その分析や活用が可能となり、これらの課題解決の重要なカギとなる可能性を秘めています。
中部電力パワーグリッドと富士通は、電力の安定供給を持続的なものとするため、データドリブンによる社会インフラの効率的な維持管理に取り組んでいます。その一環として、電力供給に欠かせない配電設備の点検にAIを活用した実証実験を行っています。その取り組みと、目指す未来についてお話を伺いました。
データ活用が進む電力業界。複雑化する電力安定供給の最前線で、テクノロジーに求められる役割
電力事業を取り巻く環境変化に適応するため、中部電力グループは、「中部電力グループ 経営ビジョン2.0」(注1)を策定しました。エネルギーの安定供給という使命は変わらず、お客さまや社会に必要とされる企業グループであり続けるために、お客さまや社会が求める価値を起点に新たなサービスを創出し、エネルギーとともにお届けするビジネスモデルへの変革を宣言しています。
電力会社で作られた電気は、送配電網を通じて各家庭に供給されます。この送配電網の管理を担う企業が一般送配電事業者であり、私たちの生活に深く関わる存在です。日本全国には10社の一般送配電事業者が存在しますが、その中で中部電力パワーグリッドが中部区域の一般送配電事業を担っています。
同社エンジニアリングセンターにて、電力の安定供給の最前線に携わる清水 好一 氏と寺下 亮大 氏にお話を伺いました。
――電力業界は、どのような課題がありますでしょうか。
清水 氏:良質な電気を安全かつ安価に、そして安定的に供給するために、喫緊の課題として浮上しているのが、2023年4月から開始された「レベニューキャップ制度」(注2)への対応です。託送料金の引き上げによる電気料金の上昇を抑制するため、電力会社は業務の効率化や、それによるコスト削減に向けて、一層の努力が求められています。
今後も電力の安定供給、再生可能エネルギーの導入拡大、レジリエンスの強化を続けていくには、必要な投資を計画的かつタイムリーに実施しながら、さらなる効率化を行うため、新たな技術を取り入れていくことが必要不可欠です。

電力の安定供給に欠かせない配電設備。複雑な巡視業務を、AIとデータで叶える
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テクノロジーにより、持続可能な電力の安定供給を支えたい
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- (注)所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。








