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中華料理レストランチェーン「餃子の王将」を日本全国と海外で734店舗を展開する株式会社王将フードサービス様は、大規模セントラル工場の久御山工場(京都府久御山町)に『手のひら静脈認証入退室装置』を導入。工場全体の徹底したセキュリティ管理により、お客様への安全・安心な食の提供を実現している。
課題
解決
効果
生体情報がコピーできず認証精度が高いこと。非接触であることも含めて衛生的で安定稼働が期待できることが採用の決め手でした。
株式会社王将フードサービス
製造部 統括工場長 兼 久御山工場長 兼 工務課長
多田 幸弘 氏
1日200万個の餃子を販売する王将フードサービス様。その中でも久御山工場は、全店舗の3分の2に当たる約500店舗に餃子をはじめとする半調理製品を出荷する同社最大の工場です。
久御山工場の設備全般を担当する奥戸氏は検討当初を次のように振り返ります。「まず、食品を製造する現場にIDカードやタグを持ち込むことは、異物混入のリスクに繋がるため除外。生体認証の中で何が最も適切かを検証しました」
その中で顔認証は、マスクが必須な食品製造の現場では精度が期待できず、虹彩は設置予定の各場所で光量が異なり虹彩の大きさにバラつきがあることから精度を不安視された。また、指紋や手の甲による認証は、接触面があることから耐久性、安定性に難があると判断された。
こうして選ばれたのが、従来の装置を全面的に刷新した新機種、手のひら静脈認証入退室装置「PalmSecure AuthGate(パームセキュア・オースゲート)」と入退室管理システム「Stronguard(ストロンガード)」だった。「生体情報がコピーできず認証精度が高いこと。非接触であることも含めて衛生的で安定稼働が期待できることが採用の決め手でした」(多田氏)
更新工事は2021年夏に実施された。手のひら静脈認証入退室装置は、従業員通用門や各棟の出入口、倉庫の搬入搬出口、荷物用エレベータの1階、事務室や品質保証部門の執務エリアなど14箇所に設置されている。
入室するには、認証装置に一人一人に付与されたID番号を入力した後、認証装置に手のひらをかざす。かざすこと約1秒、事前に登録した手のひら静脈と合致していれば扉が解錠され、入室の履歴が管理サーバに記録される。ID番号入力と手のひら静脈認証の二要素認証にすることでセキュリティ確保を図っている。
PalmSecure AuthGateは、生体認証の中でも99.99999%(他人受入率0.00001%以下)という世界最高レベルの認証精度を誇り、旧機種と比べて認証精度や認証スピードが格段に向上。「更新前は、気温の低い冬期は読み取りでエラーが出ることもあり、地下にある従業員入口が出勤時に渋滞することもありましたが、読み取り精度が飛躍的に改善され、認証時間も体感で従来の半分以下になっています」(奥戸氏)。さらに費用面でも、既存配線等の設備を活用した更新によりイニシャルコストが節約できたことに加え、手のひら静脈の登録や運用管理をお客様自身で実施できることで、ランニングコストを抑えた運用が可能となっている。「必要とするセキュリティの確保と、従業員や協力会社の方々がストレスなく利用できる使い勝手の良さの両立が実現できました。食品工場のニーズにマッチした親和性の高いシステムだと思います」と多田氏にご評価いただいている。
最後に常務取締役 執行役員の戸田氏からは次のようなコメントをいただいた。
「当社では、FSSC22000や日本版HACCPと言われるJFS-Bといった規格ができる前から、食品安全マネジメントシステムの必要性を認識し、フードセキュリティの確立を徹底して追求してきました。24時間稼働する久御山工場で、どうすれば外部からの侵入を防ぎ、食の安全・安心を担保できるか。性悪説でも性善説でもない、「性弱説」(人は非常に脆く弱い存在であり、状況や環境によっては悪いことをしてしまう)の発想のもとで導入したのが、この手のひら静脈認証システムです。優れた機器とFNETSのサポートと提案力、そして当社の運用管理体制。その三者があってこそ久御山工場のフードディフェンスは維持できると考えています」
「PalmSecure AuthGate」は、今後も王将フードサービス様が目指す食の安全・安心の実現に貢献していく。
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は2021年10月1日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
[2022年4月14日掲載]