ミリ波センサーで、プライバシーに配慮した見守りを実現。入院中や退院後の患者を転倒から守る

和歌山県立医科大学 西川 彰則 准教授、富士通 紺野 剛史、白石 壮大

2023年11月21日

入院患者の転倒・転落は、病院内で頻繁に報告される医療事故ですが、命にかかわる重大な事故につながる危険をはらんでいます。
超高齢化社会により医療や介護の需要が増える一方で、労働力不足が懸念される「2025年問題」を目前に控え、見守り技術の発展が急務です。しかし、病室や在宅医療を利用する患者の自宅など、プライバシーを尊重する必要がある場所での見守りは、医療従事者を悩ませる大きな課題となっています。

和歌山県立医科大学と富士通は、ミリ波センサーを活用し、プライバシーを守りながら安全に見守りができる技術の社会実装を目指し、実証実験を開始しました。この取り組みと、目指す未来について、和歌山県立医科大学 西川 彰則 准教授、富士通 紺野 剛史、白石 壮大に聞きました。

プライバシーと見守りの両立。医療現場における、転倒・転落防止の難しさ

入院患者の転倒・転落は、病院内で起こる医療事故の中でも高頻度で報告される項目です。公益社団法人全日本病院協会によると、国内14病院において、2022年度は1か月あたり231件もの転倒・転落が発生しています。(注1)

転倒・転落は、手術を必要とする深刻な事故につながることがあり、最悪の場合命を脅かす危険性もあるため、既に多くの医療施設で転倒・転落を防止し、事故が起きた場合でも迅速に対応するための取り組みが進められています。
例えば和歌山県立医科大学の場合、転倒・転落リスクの高い患者をスタッフステーション(ナースステーション)に近い病室に配置する、ベッドの下に敷いたマットや患者の靴にセンサーを取り付けて転倒・転落を感知するなどの工夫をおこなっています。
しかし、前者の対策は、医師や看護師が少ない時間帯の見守りに課題があり、後者の対策は、患者は必ずしもセンサーのある場所に転倒・転落するわけではないため、万全な対策とは言えません。

加えて、病室では、プライバシーへの配慮必要不可欠です。カメラを使った見守り技術は、患者のプライバシーや心理的な抵抗感から導入が難しいという課題があります。

病室

AI×ミリ波センサーで実現する、プライバシーに配慮した見守りの仕組み

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和歌山県立医科大学附属病院 医療情報部 准教授 西川 彰則 氏
和歌山県立医科大学附属病院 医療情報部 准教授 西川 彰則 氏

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思いもよらなかった、8つの転倒・転落の過程。現場の知見を取り入れる「コンバージングテクノロジー」の重要性

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両者の役割

  • 富士通:見守り技術の提供、データ収集および分析、技術評価に基づく技術向上
  • 和歌山県立医科大学:医療現場観点からの技術評価および技術向上の方向性提案

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病室内で生じた転倒を検知。大きな手応えと、見えてきた課題

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生活にとけこむ、安心安全な見守りを当たり前に。「世界の見守り機器」を目指して

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プロフィール

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(注)所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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