鍵を握るはマインドセットシリコンバレーで日本企業が勝つためのサービス志向とその秘策

「多くのイノベーションは失敗する。しかし、イノベーションしない企業には死あるのみである」。15年前、初めて世に出した自著の冒頭にそのような衝撃的な言葉を記したヘンリー・チェスブロウ教授。現在、カリフォルニア大学バークレー校のハース・スクール・オブ・ビジネスにおいてコーポレート・イノベーションのファカルティ・ディレクターを務めるチェスブロウ教授は、”オープン・イノベーション”という考え方を最初に提唱した経営学者です。この”オープン・イノベーションの父”が今回来日し、富士通フォーラムでの特別講演を行いました。このセッションには富士通の未来ビジョン発信を担当しているマーケティング戦略本部 VPの高重吉邦も登壇し、オープン・イノベーションに対するアプローチを紹介。さらに教授との対談を通じてテーマを掘り下げました。
共創のプラットフォームとしてのオープン・イノベーション

「チェスブロウ教授が『オープン・イノベーション』という本を著してから15年、ビシネスの世界は一変しました。ナレッジを共有しながら異業種のパートナーと連携して、いかに新しい価値やサービスを共創していくのか。それがいま、ビジネスにとっての大きなアジェンダとなっています」。
チェスブロウ教授の講演に先駆けて登壇した高重は、会場を埋め尽くした聴衆に向かい、こう語りはじめました。
「しかし、そうはいってもこれはなかなか一筋縄ではいきません。オープン・イノベーションのプロジェクト・マネジメントは複雑で、情報をどこまでオープンにし、どの部分を隠すのかという線引きも難しい。なによりもオープンなマインドセットをどのように社内に育てていけるのでしょうか?今日はそうしたことを考えながら、チェスブロウ教授とともにオープン・イノベーションを活用したビジネス変革について議論していきたいと思います」。
そう語ったあと高重は、いま産業界で進行しているデジタル革新に会場の注意を集めます。
「いま世の中はデジタル時代と言われていますが、このデジタル技術がビジネスのあり方を非常に大きく変えようとしています。デジタル化とは、突き詰めれば、データから価値を生み出し、それを収益につなげるということではないかと思います。このデジタル化の波に乗り、企業や業界の垣根を超えた連携が進み、ビジネスモデルも従来の垂直統合型のバリューチェーンから、分散型のエコシステムで共創するモデルに変わってきています。
たとえば、わたしたちが普段使っている銀行サービス。これまでは垂直統合された銀行によって提供されてきましたが、近年では数えきれないほどのフィンテック企業が、テクノロジーをベースに個人間の送金や、決済、AIを使った信用評価などの新たなサービスを提供し始めています。さらに、ドイツのFidor銀行のように基本的な銀行サービスをクラウド・サービスとして提供する事業者も出てきています。
また、カスタマー・インターフェースも、従来の銀行だけではなく、アマゾンとか中国のアリババのようなデジタル・プラットフォーマーがその選択肢の一つとなってきています。これらすべてが、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)でつながった分散化されたエコシステムになってきています。これが今日のビジネスのあり方なのであり、このような変化は銀行サービスに限らずさまざまな分野ですでに始まっています。」。

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クローズド・イノベーションからオープン・イノベーションへ
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顧客を中心に据えたイノベーション・ネットワーク
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シリコンバレーにおける日本企業のオープン・イノベーション
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オープン・イノベーションで寒村をスマートビレッジに
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優秀な人材がいつも社内に揃っているとは限らない
セッションの最後、高重が再び登壇し、チェスブロウ教授との対談が行われました。高重はまず地域性についての質問を投げかけました。











