「AI倫理の産学連携」でジェンダーギャップや文理の違いを超える~お茶の水女子大学との実践~

2023年11月30日
富士通グループ(以下、富士通)では、AIの持つ倫理的リスクを低減し、安心安全な信頼できるサービスを社会に提供するために、AI倫理の取り組みを推進しています。本稿では、この取り組みの一つとして、国立大学法人お茶の水女子大学(以下、お茶の水女子大学)との「AI倫理の産学連携」事例を取り上げ、学問領域などの属性の違いを超えた、研究深化・社会啓発に取り組むことで生まれるシナジーについてご紹介します。
富士通が推進するAI倫理の産学連携とは?
富士通では、国内企業の中でも早い段階から「AI倫理」の研究やガバナンスに取り組み、社内外にてさまざまな活動を推進しています。AIは大変便利なツールですが、プライバシー侵害、世論操作などをはじめとする重大なリスクも懸念されており、社会にAIを提供するためには倫理的・法的側面から慎重な検討を行う必要があります。
富士通のAI倫理に対するアプローチ(注1)には、一つ大きな特徴があります。それは、いわゆる文系・理系といった学問領域を超えた多様な観点から、AIに関する倫理を検討しているという点です。たとえば富士通研究所では、情報工学などの観点からAI倫理技術の研究・開発(注2)を主導しており、2022年に新設されたAI倫理ガバナンス室では、国際的な法動向などの社会科学的観点、人文科学的観点も踏まえながら、ガバナンス整備や教育推進を主導しています。それぞれの部門が得意分野を活かしながら、「研究・開発」と「ガバナンス」の両輪を回して、AIの持つリスクに立ち向かい、安心安全なAIサービスを社会にお届けすることを重視しているのです。
富士通が推進するAI倫理の重要な活動の一つとして、大学をはじめとする教育・研究機関とともにAI倫理の研究開発・人材育成などを行う「産学連携」の取り組みがあります。「産学連携」には、富士通の技術をさらに発展させて社会の諸問題の解決に応用したり、保有する知見を学生などの若い世代に還元したりするなど、大きな社会的意義が見込まれます。
こういったAI倫理の「産学連携」においても、富士通では、文理の学問領域やジェンダー・年齢・国境などの垣根を超えた、さまざまなステークホルダーとの連携を推進しています。AI倫理は新しい研究分野のため、AIが提供される文化圏や人々の価値観によって、AIをどういう用途で利用すべきかといった考え方は異なります。多様なバックグラウンドを持つ人々と、多角的な観点から議論を成熟させていくことが必要不可欠となるのです。
お茶の水女子大学 × 富士通 「AI倫理社会連携講座」
2023年春、富士通はお茶の水女子大学とともに、ジェンダー課題に対してAIを活用した解決策の立案を目指す連携拠点として、「富士通・お茶の水女子大学 AI倫理社会連携講座」(注3)を設置しました。
この連携講座では、富士通の研究所によるAI倫理技術の研究開発(技術的アプローチ)と、お茶の水女子大学のジェンダード・イノベーション研究(社会科学的アプローチ)を組み合わせて、誰にとっても不公平感のない形でジェンダー課題を解決すること、またAI倫理の人材育成に取り組んでいます。
そんな「AI倫理社会連携講座」の概要・意義について、ジェンダーや社会福祉分野を長くご専門とされている、お茶の水女子大学の柏木 志保 准教授に特別インタビューを実施し、富士通とのAI倫理の研究活動にかける熱い想いを語っていただきました。
柏木 志保 准教授 特別インタビュー
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同じく「AI倫理社会連携講座」メンバーである、富士通研究所 新田 泉 シニアリサーチM(写真左)のコメント
AIの提供にあたっては、技術的な性能の凄さだけではなく、社会に受け入れてもらえるシステムなのか、社会が変化しても使い続けることができるのかといった多角的な視点からの検証がとても大切になります。ジェンダーや専門領域といった立場にとらわれない「多様性」を意識しながら、今後もお茶の水女子大学様との連携を深めていきたいです。








