「変わり切れない」富士通を動かした「人起点」の全社変革とは -後編-

2023年8月8日
富士通が2020年に全社変革の取り組みをスタートさせてから約3年が経過しました。その間、富士通はどう変わってきたのでしょうか。フジトラの実践的なアプローチを解説した書籍「HUMAN∞TRANSFORMATION」を上梓したRidgelinez(リッジラインズ) 代表取締役CEOの今井 俊哉と、フジトラの陣頭指揮を執ってきた富士通 執行役員 EVP CDXO(兼)CIOの福田 譲に、これまでの変革の道のり、現在、そして、今後の取り組みを聞きました。前編・後編の2回に分けてお届けする後編をご覧ください。
4XのいずれのXにおいても変革を体現するのは「人」
――前編では、全社変革を進める為の有効な手段として、4X思考のフレームワークについて伺いました。この4つのXを実際に推進するにあたって心がけるべきこと、重視すべきことはどのようなことだと思われますか。
今井:いずれのXにおいても、その変革を体現するのは「人」であること、そして、テクノロジーを活用しながら、それぞれの「人」の行動変容につなげていくことが、Xを推進するポイントになります。4X思考を推進するドライバーは社員の行動変容であり、これはつまり「人起点」ということです。
Ridgelinezでは、変革に挑むのも「人」ならば、変革の先の未来を生きるのも「人」であるという考えから、「人」を起点にすべての変革を発想することをパーパスとして掲げています。人起点の変革です。

――富士通のような大企業で人起点の変革を進めるにあたっては、さまざまな課題・困難に直面したと思います。それをどう克服されていったのか、お聞かせください。
福田:まずは、パーパスカービング(注1)です。4X思考で重要なのは真ん中に来るパーパスです。それは富士通のパーパスですが、それだけではなく社員一人ひとりのパーパスも大切です。パーパスを感じながら仕事をすることで「これは自分がやるべき仕事」と自分事で考えられるようになりますし、社員一人ひとりの行動変容がないと、組織の変革にはつながりませんから、個人のパーパスカービングは人起点の変革の第一歩ともいえます。
- (注1)パーパスカービング:社員一人ひとりが歩んできた道のりや大切にしている価値観を振り返り、未来に向けて想いを馳せながら、個人のパーパスを彫り出していく富士通独自のプログラム。
冒頭にも話した通り、日本では働き甲斐を持って仕事をしている社員がわずか5%程度しかいないとされていますが、富士通では一人ひとりが個人のパーパスを持つことで、そういった意識が変わりつつあると感じています。個々人が自身のパーパスを言語化して自分自身を再確認し、自分のパーパスと富士通のパーパスとの関連性を感じてもらうこと、つまり人起点で進めることを心がけました。
その他にも社内SNSやバーチャルイベント、デジタルツールを活用したチャットでの対話など、コミュニケーションの進化を心がけています。一般的に変革が起きるときのキャズム理論においては16%がひとつの壁と言われています。富士通の場合、社員数が12万4000人なので、そのうちの16%にあたる2万人に「新しい富士通、いいね」、「どんどん変えていこう」という意識が芽生え、行動が変われば、組織全体で大きな化学反応を起こせると考えています。
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お客様とFujitsu Uvanceに取り組むことで三方良しのエコシステムを実現
――全社変革はまだ進行中です。その中でこれまでの取り組みを振り返り、得たものはどのようなことだとお感じですか。そして、得られた実践知を、これからどのように展開していきますか。













