富士通Japanは、社員一人ひとりが誇りをもち、心身ともに健康でいきいきと働くことのできる持続的企業を目指します。 健康経営
富士通Japanは、富士通グループのパーパス「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を国内市場において具現化する中核会社であり、日本が抱える多様な社会課題解決や、イノベーションによる地域活性化、Society 5.0が目指す超スマートな社会の実現を牽引し、持続可能な社会づくりに貢献する会社を目指します。その実現に向けて、『富士通グループ健康宣言』のもと「健康経営」に取り組み、社員一人ひとりが誇りをもって、心身ともに健康でいきいきと働くことのできる持続的企業を目指します。
方針・推進体制
方針
富士通グループのパーパスの実現に向けたGRB(グローバルレスポンシブルビジネス)において、健康経営は「ウェルビーイング(従業員の成長の実現とその力を最大限に発揮できる機会の提供)」と「安全衛生(安全で健康的な職場環境の提供)」の取り組みとして全社で推進していくものと位置付けています。
富士通グループ健康宣言
富士通グループは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくために、社員一人ひとりが心身ともに健康でいきいきと働くことができる環境づくりを目指します。
取り組み方針
- これまで取り組んできた健康の保持・増進活動をさらに強化するとともに社員一人ひとりの自律した健康管理を積極的に支援します。
- 「働き方改革」「ダイバーシティ推進」の取り組みと連携させて、社員と家族の健康の保持・増進、ワーク・ライフ・バランスの実現、生産性の向上、多様な社員が活躍できる職場づくりなどを総合的に推進します。
- 健康経営に資するICTの提供を通じて、社員、お客様、および社会全体の健康づくりや生産性の向上に貢献します。
重点施策
富士通および国内グループ会社に健康管理スタッフを配置し、健康保険組合が連携して、以下の5項目を重点施策と定め、社員(退職者含む)とその家族の健康保持増進およびヘルスリテラシー(健康に関わる素養)を高める健康支援活動に取り組んでいます。
- 生活習慣病・がん対策
- メンタルヘルス対策
- 口腔・歯の健康対策
- ヘルスリテラシー・健康意識向上、生活習慣改善
- 職場環境整備
推進体制
健康経営を推進するにあたり、経営トップが健康経営推進最高責任者(CHO)となり、人事部門を中心に、健康推進部門等とも連携しながら活動内容を検討し、本部長以下、職制を通じ、データに基づいたPDCAサイクルを回す取り組みを実施しています。
(注)安全衛生委員会:人事・総務部門、労働組合代表、各事業所代表者により構成される各事業所の安全衛生組織
目標と実績
ありたい姿
社員一人ひとりが誇りをもって、いきいきと働くことのできる環境をつくりだす。安全で健康的な職場環境を提供する。
「社員一人ひとりが誇りをもって、いきいきと働くことのできる環境をつくりだす。」を目指し、健康関連の最終的な評価指標として、「生産性向上」、「個人・組織活性化」、「人材リテンション強化」に関わる5つ指標を設定し、それぞれの指標を改善・向上させるため健康経営戦略マップを作成し、1.生活習慣病・がん対策、2.メンタルヘルス対策、3.口腔・歯の健康施策、4.ヘルスリテラシー・健康意識向上、生活習慣の改善、5.労働環境整備の5つの重点施策領域において、各施策に取り組んでいます。
(注1)アブセンティーズム:(傷病および外傷休業延日数÷在籍労働者の延所定労働日数)×100 で算出[測定人数:8,328名(年度末在籍者数)の就業データより算出]
(注2) プレゼンティーズム:ストレスチェックに追加した質問票による過去3か月間に何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、通常のパフォーマンスを発揮できなかった日数とその損失割合の調査から、1年間の損失割合を算出[測定人数: 9,746名、回答率: 97.3% ]
(注3)ワーク・エンゲージメント:ストレスチェックに追加した新職業性ストレス簡易調査票の「仕事をしていると活力がみなぎるように感じる」「自分の仕事に誇りを感じる」2問の平均点[測定人数: 9,746名、回答率: 97.3%]
健康経営の効果 ―プロセス指標―
健康経営の効果 ―アウトカム指標―
(注4)前年度健康診断結果に基づく特定保健指導対象者に対して、当年10月までに特定保健指導を実施した率
(注5)年度内のメンタルヘルス不調による1か月以上欠勤または休職者数を年度末在籍者で除した割合
(注6)年度内のメンタルヘルス不調以外による1か月以上欠勤または休職者数を年度末在籍者で除した割合
(注7)健康診断データで、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)の高リスク者と判定された者の割合
健康経営投資
健康経営戦略に基づき、従業員の健康の保持・増進を目的として投下された、主な施策別の費用です。
| 主な施策 | 金額(千円) |
|---|---|
| 健康管理業務費用 | 266,280 |
| ストレスチェック実施費用 | 5,326 |
| eラーニング実施費用 | 4,438 |
| 全社セミナー/イベント実施費用 | 3,766 |
主な取り組み
1.職場環境整備
仕事と治療の両立支援
-
安心して治療に専念できるよう各種休暇制度、収入補償の仕組みを整えています。
- 休業からスムーズに復帰ができるように、休業中から医療職による支援を行い、復帰に際しては、産業医(産業保健スタッフ)、人事、所属長、本人が合同面談を行い、復帰後の業務や就業上の配慮を検討しています。
- Work Life Shift(ニューノーマルの働き方)の推進
- https://www.fujitsu.com/jp/innovation/worklifeshift/
ニューノーマルな世界において、「働く」ということだけでなく、「仕事」と「生活」をトータルにシフトし、Well-beingを実現する
Smart Working(最適な働き方の実現)
Borderless Office(オフィスのあり方の見直し)
Culture Change(社内カルチャーの変革)
また働き方については、自宅やサテライトオフィス、出張先など、場所にとらわれないフレキシブルな働き方を可能とするテレワーク勤務を徹底し、新型コロナウイルスの感染防止に努めています。
2.生活習慣病対策
定期健康診断
- 定期健康診断は、生活習慣病と関連する法定外項目を追加し、受診率100%を目指して受診の呼びかけを行っております。
- 健診結果から有所見者に対して産業医・産業保健スタッフが健康指導や受診勧奨を行っています。また、自身の健診結果は経年変化をWebシステムで見ることが可能で、未来の健康リスクが表示されたりと自身の健康管理に活用いただいております。
全社ウォーキングイベント
運動習慣づくりと職場のコミュニケーション向上による組織活性化につなげられるよう、年に2回全社ウォーキングイベントを実施しています。
3.メンタルヘルス対策
ストレスチェック
- 社員の心の健康状態を把握するため、 50人未満の事業所も対象に年に1回ストレスチェックを実施しています。
-
高ストレス者へは医師面談の受診を勧奨したり、産業保健スタッフにより健康相談を行っております。
ストレスチェックの集団分析を行い、職場環境の改善へつなげています。
社員のメンタルヘルスを支援
産業医・産業保健スタッフが健康相談を行ったり、社内でカウンセリングが受けられるよう、専門のスタッフが支援しております。
また、健康でいきいきと働ける職場づくりを推進するため、職場ごとに「職場づくり支援スタッフ」を任命・配置し、幹部社員と一体となって、職場マネジメント課題の解決、社員の勤務状況や日常のコミュニケーションからの不調者の早期発見、健康管理・人事部門との連携による早期対応を行っています。
4.口腔・歯の健康施策
口腔・歯の健康サポート
口腔・歯の健康は、全身の健康の保持増進に重要な役割を果たすとともに、生涯を通じたQOL(Quality of life)に大きく影響することから、重要な健康課題の一つと設定し、口腔および歯の健康づくりについて、歯科検診、予防歯科セミナー等の施策を行っています。
歯科検診
25、30、35、40歳の社員を対象に、歯牙(う蝕・破折)のチェック、歯周ポケット測定、ブラッシング指導等を行い、若年層のうちから口腔・歯の健康に関心を持ってもらうとともに、早期治療、予防を推進しています。
5.社員および家族のヘルスリテラシーの向上
家族の健康
配偶者、家族の健康保持・増進のため、健康診断の実施を推進しています。
感染予防対策
インフルエンザ予防接種や新型コロナワクチン接種の事業所での実施や、費用を補助しています。
新型コロナウイルス感染防止に関しての取り組みとして、就業日に職場や自治体でワクチン接種を行う場合、ワクチン休暇として積立休暇の取得を認める就業の特別措置を行っているほか、ワクチンの副反応により就業が困難な場合や、家族のワクチン接種の付き添いおよび副反応による看護が必要な場合も、積立休暇の取得を認めています。
その他、オンライン相談・メール相談の専用窓口を設置し、社員自身やその家族が健康に不安を感じている場合の不安解消、適切な対処・医療について指示を行っています。
各種健康教育・セミナー・体力づくりの実施
- 全社e-learning:年1回、富士通および国内グループ全社員に対して、重要な健康テーマをとりあげてe-learningにより知識の習得と健康意識の向上を図っています。2024年度は「睡眠からはじまる健康づくり」というテーマを実施しました。96.1%の社員が受講し、90.3%が有益であると回答しました。
- 事業所セミナー:事業所ごとの課題に則して、メンタルヘルス、健康づくりなどのテーマでセミナーを実施しています。
- 体力づくり:各事業所では、ボウリング大会やソフトボール大会などを実施しています。
6.がん対策
がん対策としては、生活習慣の改善による予防と健診による早期発見・早期治療を基本施策とし、法定の健康診断実施時に年齢別に胃がん、大腸がん、前立腺がん検診を追加して、定期的な受診を推進しています。婦人科検診(子宮頸がん、乳がん検診)については富士通健康保険組合と連携し、女性全員を対象として、実施・費用補助をしています。また、胃がん検診としては、35歳時にピロリ菌抗体検査を実施、陽性者には精密検査を行い、胃がんの発症リスク低減に取り組んでいます。
また、全社員にeラーニング「がん予防と両立支援」を実施し、がんの正しい知識を身に付け、生活習慣の改善による予防と健診受診による早期発見・早期治療につなげています。なお、富士通健康保険組合と連携し、社員の家族にもeラーニング教材を提供しています。
安全衛生
富士通グループでは、あらゆる事業活動を進めていくにあたり、「労働安全衛生基本方針」を定め、安全・快適に働く環境の整備と職場風土づくりをグループ一体となって推進し、社員の健康・安全の確保を図っています。この基本方針については経営会議にて承認のうえ、各リージョンに展開しています。
これまでの活動
全社eラーニング
テーマ「頭痛の正しい知識と対処法」
-
頭痛に関する正しい知識を習得する
受講率 90%
テーマ「腰痛から学ぶ、身体活動と足腰の健康」
-
腰痛と身体活動に関する知識を習得する
受講率 95.2%
テーマ「歯と口腔の健康づくり」
-
歯と口腔に関する知識を習得する
受講率 96.8%
全社ウォーキングイベント「みんなで歩活」
日常生活の中に運動習慣を定着させ、健康意識の向上を図るため、春と秋の年2回、スマートフォンアプリなどを活用して1か月間の平均歩数をチーム・個人で競う全社ウォーキングイベントです。平均歩数上位者、1日平均 6,000歩達成のチーム、毎日8,000歩達成などのチーム・個人にインセンティブが進呈されます。
2021年春 参加数738チーム 参加率30.1%
2021年秋 参加数992チーム 参加率40.3%
2022年春 参加数980チーム 参加率45.2%
2022年秋 参加数1,004チーム 参加率47.0%
2023年春 参加数1,013チーム 参加率52.8%
2023年秋 参加数1,119チーム 参加率57.1%
2024年春 参加数1,180チーム 参加率60.5%
2024年秋 参加数1,246チーム 参加率68.7%
禁煙チャレンジ
喫煙者と非喫煙者がチームになって、禁煙にチャレンジする取り組み
申し込み 23名(うち禁煙成功者 17名:73.9%)
女性の健康に関するセミナー
テーマ「教えて高尾美穂先生! 女性納得・男性知っトク!人生100年時代のWell-being」
-
産婦人科専門医の高尾美穂先生をお招きし女性特有の健康に関する理解を深める
受講者数 103名
各事業所のセミナー
コロナ感染防止のためオンラインで実施しました。
-
カゴメ食改善セミナー
「塩との上手な付き合い方と野菜から始める食生活改善」
参加者75名 -
オンラインヨガでリラックス
睡眠の大切さや、睡眠の質を高めるための生活習慣を整える方法について講義のあと、簡単なヨガのポーズや呼吸で心と体をリラックスさせる方法を学ぶ
参加者 26名
参加者アンケート「とても満足」「満足」の回答100% -
アーユルヴェーダで心身ともに健康に
第1回 自分の体質を知ってパフォーマンスをあげる
第2回 コロナ禍におけるアーユルヴェーダ・心と体の健康法
体質診断で自身の体質を知り、体質に合った食事法やパフォーマンス向上、免疫アップで風邪を寄せ付けない体づくりを学びました。
参加者 60名
大変有意義と大変好評でした。
各事業所の健康増進イベント
-
ソフトボール大会
コミュニケーション不足を解消として若手社員が自ら企画し、コロナ禍での感染予防対策を徹底して開催しました。コミュニケーション不足も解消され、チーム力が一層強化されました。
参加者 27名
労働環境整備の取り組みによる認定、認証
経済産業省と日本健康会議が共同で推進する「健康経営優良法人」に2017年から8年連続で認定を受けました。2023年からは、3年連続で、「ホワイト500(上位500法人)」の認定を得ています。
従業員の健康増進のため、スポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている企業として2021年から5年連続で「スポーツエールカンパニー」に認定されました。
通算認定回数が5回となったため、2025年より「Bronze(ブロンズ)」の認定を得ています。
次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の要件を満たした子育てサポート企業として2015年から認定されました。
くるみん認定企業のうち、より高い水準の要件を満たしており「プラチナくるみん」の認定を得ています。
女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)に基づき、女性の活躍に関する状況などが優良であると認められ、厚生労働大臣に認定されました。