データは「ネットポジティブ」推進に欠かせないピースだ

Report | 2025年4月21日
「データがないうちに理論を立てるのは大間違いだ。知らず知らずのうちに、人は事実に合うように理論ではなく、理論に合うように事実を捻じ曲げ始める」
英国の作家アーサー・コナン・ドイルは1891年の短編小説「ボヘミアの醜聞」で、主人公の探偵シャーロック・ホームズに、謎を解くために頼りになる最も重要なパズルのピース=データの重要性を語らせました。130年以上前のホームズの言葉は今、私たちに大きな示唆を与えてくれています。
私たちが今、解くべき最大の謎は「持続可能な未来を実現する現実解」です。不確実性が増し、課題が複雑に絡む現代において、データは私たちのビジネスと社会の未来を形成する上でとても大きな役割を果たします。データをフルに生かせなければ、持続可能な未来の実現に欠かせない「ネットポジティブ(ビジネスが環境や社会に与えるプラスの影響がマイナスを上回ること)」もままなりません。
富士通とEconomist Impactは2025年2月、企業がネットポジティブの実現レベルを可視化する指標「ネットポジティブインデックス」(*1)を共同開発しました。インデックス開発に伴う調査では、データ収集がネットポジティブ推進に「大いに役立った」「ある程度役立った」との回答は全業種で計75%を上回りました。データこそが、マイナス影響の排除とプラス影響の評価をより精緻に、より客観的に、より素早く把握して分析するための重要なカギなのです。
秩序や常識のボラティリティ(変動制)が高まる中、変化へのレジリエンスを備え、持続可能な成長の基盤となるのがネットポジティブの推進です。短期の収益を追うだけでなく、長期の視点でネットポジティブを戦略に組み込む。自社の優先課題に応じて、データをもとに適切に戦略を実行する。これらの変革の先に、ビジネスの成長と社会・環境課題の解決の両立、すなわち持続可能な未来を実現する道が拓くのです。
富士通は2030年までのビジョンとして「デジタルサービスによってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニーになる」ことを掲げています。本レポートでは、データを活用した富士通の実践知を通じ、私たちのビジネスと社会の未来をどのように拓くべきかを考察します。
130年以上前にデータの重要性を指摘したホームズも、富士通がデータによって様々な分野や業界にまたがる課題(謎)を解き明かそうとしていることに驚くでしょう。

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