【必読】富士通統合レポート2025:2030年に向けた持続的成長を5分で紐解く
Insight | 2025年11月13日
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富士通統合レポート制作事務局です。2025年10月に富士通グループは「富士通統合レポート2025」を発行しました。本レポートは財務情報と環境・社会・ガバナンス(ESG)などの非財務情報を併せて、富士通の現在地と将来ビジョンをすべてのステークホルダーの皆様と共有するために制作されています。
今年度は、2030年のビジョンである「デジタルサービスによってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニーになる」を実現する道筋を、俯瞰的な戦略から具体的な事例まで徐々にかみ砕く構成で制作されました。本記事では3つの視点からそのポイントをお伝えします。
1:経営トップが語る、時代の変化を捉えて未来を創造する戦略
まずは今年度統合レポートのテーマや、本レポートを通じてステークホルダーの皆様に一番お伝えしたいことを代表 時田よりお話しするメッセージ動画をご覧ください。(視聴時間:2分50秒)
統合レポート本文、冒頭では代表 時田より、AI進化を含む時代の潮流を捉え、「当社の競争優位性の源泉である業種ナレッジの強化を通じて、サービスの付加価値を高め、2030年以降の社会で存在感を発揮するテクノロジーカンパニーを目指す」という力強いメッセージを発信しています。
ポイントは2026年度以降のサービスソリューション事業の重要性と、変革期において「挑戦」意識が不可欠であるという点。旧来の成功体験にとらわれず、テクノロジーの価値をお客様に届けるサービス開発に「果敢に挑戦していく」姿勢こそが、富士通の未来を創造する原動力と明言しています。
CFO磯部からも中期経営計画の進捗の中でUvanceおよびモダナイゼーションの高い成長率が報告されており、これらが富士通の持続的な成長を牽引していることをお伝えしています。
「価値創造の道筋」パートでは、2030年ビジョンの実現に向けた進捗と、戦略的なアクションプランである中計、マテリアリティの関係性を図解するとともに、CSSO山西からはサステナビリティ経営の進化について報告しています。
2:富士通独自の価値創造を支える3つの柱
P33以降の「注力分野の進捗と今後」パートでは2030年ビジョン実現のための価値創造を以下の3つの主要な取り組みに集約し解説しています。
• 事業モデルと事業ポートフォリオの変革:成長領域であるUvanceを、Data&AIを中核とする「Uvance 2.0」へと進化させ、ITサービスのデリバリー変革による収益性向上を図っています。2024年度のUvance売上収益が前年度比31%増の4,828億円に達し、2025年度には7,000億円を目指すという高い目標を掲げています。
• コンサルティング力の強化:コンサルティングブランド「Uvance Wayfinders」を中核に、社員のコンサルティング能力強化とグローバル展開を推進しています。「業種別コンサルティング」「オペレーション変革」「テクノロジーによる変革」「エクスペリエンスコンサルティング」の4つの領域で、顧客の経営課題や社会課題の解決を支援します。
• お客様のモダナイゼーションの確実なサポート:お客様のIT資産の最適化とビジネス変革を支援するモダナイゼーションにおいては、メインフレームから大規模システムの構築に至るまで、国内トップクラスのエンジニアが培ってきた知見が当社の強みです。さらには今後のモダナイゼーションの先にある DXを見据えた戦略を策定しています。
3:持続的な成長を確実にするための土台
P44以降の本セクションでは、2030年ビジョンの実現、そしてその先の持続的な成長に向け、盤石な経営基盤の構築について実例を用いてご紹介しています。
• 競争優位性であるテクノロジー基盤:当社が最先端技術に積極的に投資し、単なる研究開発ではなく実ビジネスにどう応用しているのか、AI分野、量子コンピュータ分野を含むこれまでの実績と展望をお伝えします。
• 未来への投資としての人材マネジメント:、事業戦略に連動した人材ポートフォリオの実現、一人ひとりがウェルビーイングを実感できる組織作りの2つの軸を中心に推進する、人的資本価値の最大化施策をご紹介します。
• DX・データドリブン経営:OneFujitsuプログラムを通じて業務プロセスのグローバル標準化とデータドリブン経営を推進するなど、全員参加型のDX施策と、データドリブン経営の現在地がリアルに伝わるDXプロジェクト関係社員へのインタビューを掲載しました。
• サステナビリティ経営:気候変動、資源循環、自然共生、人権、サプライチェーンといったESG課題を経営の重要課題と位置付け、事業活動を通じて社会課題解決に貢献しています。特にGHG排出量削減では、基準年2020年に対し、2024年度にScope 1,2で45.8%、Scope 3で42.9%削減を達成するなど、高い目標達成度を誇っています。
• コーポレートガバナンスの強化:取締役会の過半数を独立社外取締役が占める体制を構築し、透明性の高い経営を確保しています。役員報酬制度にTSR(株主総利回り)を導入するなど、株主の皆さまとの価値共有を重視したガバナンス強化にも取り組んでいます。
また、古城取締役、ギル取締役、平野取締役へのインタビューを通じて、2030年に向けた価値創造と成長戦略のポイントをお伝えします。
まとめ:未来を拓くテクノロジーカンパニーとしての富士通
統合レポート2025は、2030年ビジョンに向けた富士通の戦略と具体的な取り組みを余すところなくお伝えすることを目的として制作されました。当社経営層の強いリーダーシップ、最先端テクノロジーの探求、そしてそれを実ビジネスと社会課題解決に結びつける独自の価値創造についてご理解いただけましたら幸いです。今後も富士通の進化にご期待ください。