富士通グループ環境ビジョン
Fujitsu Climate and Energy Vision
グローバル社会でカーボンニュートラルへの取り組みが加速する中、富士通グループは自らの社会的責任を見つめ直し、2030年度までに自社の温室効果ガス(GHG)排出量(Scope 1・2)を、さらに2040年度までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量をネットゼロ(注1)とする明確な目標を掲げ、持続可能な未来の実現に向けて力強く歩みを進めています。
注1:温室効果ガス排出量ネットゼロ: 温室効果ガス排出量を目標年度に基準年度の90%以上を削減し、10%以下となった残存排出量を大気中のCO₂を直接回収する技術(DAC)の活用や、植林などによる吸収で除去すること。
気候変動対応の重要性
気候変動に関する政府間パネル(IPCC, Intergovernmental Panel on Climate Change)の特別報告書において、産業革命以前からの気温上昇を1.5°C以下に抑制することや、2050年までにカーボンニュートラルを実現することの必要性について⾔及されました。企業における気候変動対策に向けた社会的な要請や役割もより拡大し、2021年10月には、科学的に整合した目標を掲げることを推奨するイニシアチブ(Science Based Target Initiative(SBTi)(注2))より、企業の温室効果ガス排出ネットゼロ目標の策定に向けた、基準が発表されました。
富士通グループとして気候変動に関する諸課題を解決するためには、このような社会動向のさらに先を⾒据え、SXリーディング企業としてあるべき姿を体現してカーボンニュートラルの実現を自らけん引し、「2050年度CO₂ゼロエミッション」としてきた従来のビジョンを、より野心的なものにすることが必要と判断しました。
富士通グループ環境ビジョンは、「バリューチェーンでのネットゼロ」「緩和:カーボンニュートラル社会への貢献」「適応:気候変動に対する社会の適応策への貢献」という3つの柱で構成されています。先進のDX技術を効果的に活用して富士通グループ自らのネットゼロにいち早く取り組むとともに、そこで得られたノウハウを富士通グループのソリューションとしてお客様・社会に提供します。それにより、ビジネスを通して気候変動の緩和と適応に貢献することを目指しています。
注2:SBTi (Science Based Target Initiative): 2015年に国連グローバルコンパクト、世界資源研究所(WRI:World Resources Institute)などの団体が共同で設立したイニシアチブ。SBTiは、パリ協定が求める水準に科学的根拠に整合する温室効果ガス排出削減目標の設定を企業に働きかけており、自社だけでなくサプライチェーンにおける間接排出を含め、基準に準拠した目標を認定する。
Concept : Fujitsu Climate and Energy Visionの3つの柱



バリューチェーンでのネットゼロ
2023年6月、富士通グループは、世界的な気候変動対策の基準である「SBTiネットゼロ認証」を取得しました。これにより、2030年度までに自社の温室効果ガス排出を2040年度までにはバリューチェーン全体での排出もネットゼロにするという、野心的な目標のもとで取り組みを進めています。再生可能エネルギーの導入拡大をはじめ、カーボンニュートラルを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
ネットゼロの実現に向けたロードマップ

2030年度目標
- スコープ1+2排出量をネットゼロ相当(2020年度比)
- スコープ3排出量を25%以上削減(2020年度比)
カーボンニュートラル社会への貢献
様々な業種・業態のお客様とエコシステムを形成し、社会のカーボンニュートラル化に貢献します。その実現に欠かせないのが、デジタル・トランスフォーメーション(DX)です。高度なAIや先進的なデジタルテクノロジーを企業間、業界間、地域間を越える仕組みに組み込むことで、社会システム全体の資源、エネルギーの最適利用など、温室効果ガスの排出量削減を実現します。
気候変動に対する社会の適応策への貢献
センシング技術やHPC(High Performance Computing)によるシミュレーション、AIや先端ICTなどのデジタル技術を活用した⾼度な予測技術で、温室効果ガスの効果的な削減を通じて、レジリエントな社会インフラ基盤や農作物の安定供給、⾷品ロスの最小化に向けたソリューションを創出し、気候変動によるお客様・社会への被害の最小化に貢献します。