Social Well-being
職場環境整備
ニューノーマルにおける新たな働き方「Work Life Shift」の推進
ニューノーマルにおいて、社員がこれまで以上に高い生産性を発揮し、イノベーションを創出し続けられる新しい働き方として「Work Life Shift」を推進しています。
「Work Life Shift」は、「働く」ということだけでなく、「仕事」と「生活」をトータルにシフトし、Well-beingを実現するコンセプトです。
場所や時間にとらわれることなくお客様への提供価値の創造と自らの変革に継続的に取り組むことができる働き方を実現するため、人事制度とオフィス環境整備の両面から様々な施策を実施しています。
「Work Life Shift」は、「Smart Working」、「Borderless Office」、「Culture Change」の3つの要素から構成されています。
「Smart Working(最適な働き方の実現)」
国内グループ社員(製造拠点やお客様先常駐者などは除く)の勤務形態はテレワーク勤務を基本とし、業務の内容や目的、ライフスタイルに応じて時間や場所をフレキシブルに活用できる最適な働き方を実現。
「Borderless Office(オフィスのあり方の見直し)」
固定的なオフィスに縛られる従来の働き方の概念を変え、各々の業務内容に合わせて自宅やハブオフィス、サテライトオフィスなどから自由に働く場所を選択できる勤務形態に。
「Culture Change(社内カルチャーの変革)」
社員の高い自律性と信頼に基づいたピープルマネジメントにより、チームとしての成果の最大化や生産性向上を実現。
Work Life Shift2.0の発表 ~一人ひとりのWell-beingに向き合うDX企業としての働き方へ~
2021年10月、オフィスでのリアルなコミュニケーションの効果的な活用を組み合わせた真のHybrid Workの実現や、Lifeのさらなる充実などを目指し、「Work Life Shift 2.0」を発表しました。「Work Life Shift」を実施する中で見えてきた課題や社員の声を反映したもので、より進化した施策を展開しています。
-
Hybrid Workの実践とエクスペリエンス・プレイスへの進化
オフィスをこれまでのワークプレイスから、そこでしかできない体験を提供するエクスペリエンス・プレイスへ進化させ、リアルでのコミュニケーションを通じたコラボレーションをより多く生み出すような新たなオフィスの活用を実践し、リアルとバーチャルを組み合わせた真のHybrid Workへ推進。 -
DX企業としての働き方の進化
Hybrid Workを実践して得た様々な経験値をデータとして見える化し、プロダクティビティの向上に加えてクリエイティビティを高める働き方を追求。また、「Work Life Shift」のコンセプトに共感いただける企業や地方自治体とのコラボレーションをより一層加速させ、お客様や社会課題解決に貢献。 -
WorkとLifeのシナジー追求
柔軟な働き方になったことを活かしてLifeの側面もより充実させることで、相乗効果を生み出し、新たな価値創造につなげるとともに、従業員一人ひとりのウェルビーイングに向き合い、エンゲージメント向上の実現へ。
テレワーク勤務制度
富士通全社員を対象に、自宅やサテライトオフィス、出張先など、場所にとらわれないフレキシブルな働き方を可能とするテレワーク勤務制度を2017年4月より正式導入しました。
テレワーク勤務制度は、感染症の流行や自然災害などのような非常事態においても事業継続が可能となり、オンライン会議の定着や紙資料のデジタル化などの業務改善が進んでいます。また、子育てや介護などの多様な事情を抱える社員も活躍し続けやすい環境が提供可能となり、優秀な人材の維持・獲得にもつながっています。
-
制度のねらい
- 一人ひとりの生産性向上とチームとしての成果の最大化
- 多様な人材が活躍し続けられる環境の構築
- 事業継続性の確保・災害時の迅速な対応
長時間労働削減に向けた取り組み
富士通グループでは、長時間労働削減に向けた様々な取り組みを行うことで、社員一人ひとりのウェルビーイングと生産性の向上を目指しています。さらに、Work Life Shiftの推進により、業務の目的に応じてリアルとバーチャルを組み合わせるHybrid Workを実践することで、プロダクティビティ・クリエイティビティを向上させ、新しい価値を創出する働き方を目指しています。
-
長時間労働の改善に向けた具体的な取り組み例
- 1日の業務にメリハリつける仕組みづくり(フレックスタイム制についてコアタイムの撤廃および中断・再開の活用)
- リフレッシュの推進(夏季休暇や年末年始などに合わせた年次休暇の取得推奨日の設定)
- 労働時間に関するプッシュ通知(時間外労働のアラームメール送信、打刻システム上で長時間労働者に対して健康やコミュニケーションに関するポップアップメッセージ表示)
- マネジメントの向上(労働時間管理に関するマネジメント研修)
WorkとLifeの両立支援に向けた取り組み
富士通および国内グループ会社では、WorkとLifeのシナジーによる新たな価値の創出をめざし、社員一人ひとりの育児や介護などLifeも含めて考えることで、キャリアを充実させるための支援を進めています。
1. 育児
- 育児休職制度(最長で子の満1歳の誕生日前日まで、ただし、保育所の事情等により最大で子の2歳の誕生日以降最初の4月20日まで延長可)
- 出産育児サポートのための有給休暇(配偶者・パートナーの産前産後8週間以内に20日間(4週間)取得可)
- 育児休職期間中の有給休暇(最大20日間(4週間)取得可)
- 子の看護等のための有給休暇(子の看護、予防接種・健康診断への付き添い、学校行事等への参加)
- 育児短時間勤務制度(小学校6年生の3月31日まで、1日最大2時間短縮可)
- 事業所内保育施設の設置
- 遠隔勤務(子の療育、シングルマザー・シングルファーザー・配偶者の海外赴任による家族支援)
-
カフェテリアプラン(出産準備やおむつ・搾乳機等の乳幼児用品・子供用品の購入に利用可)
- 育児関連のメニュー(ベビーシッター・保育園・家事代行等)はカフェテリアプラン2倍ポイントとして利用可
- 出産育児ガイドラインや育児と仕事の両立ハンドブックの公開
2. 介護
- 介護・介護準備休職制度(同一対象家族につき通算して最長1年)
- 家族の介護休暇(最大20日間(4週間)取得可)
- 介護短時間勤務制度(介護の事象が消滅するまで)
- 遠隔勤務(家族の介護・看護)
- 介護と仕事の両立を学ぶ基礎知識の研修および介護と仕事の両立を支援するためのツール展開
- 介護ハンドブックの公開
- 相談窓口の設置
VOICEプログラム
富士通グループでは、“間接的にお客様の「声」を聴くだけでなく、ダイレクトにより多く、聴く必要があるのではないか”“富士通グループすべての従業員の「声」を拾い上げて経営に生かすことができないか”、こうした課題認識から生まれた活動として、2020年10月より「VOICEプログラム」を実施しています。VOICEプログラムのコンセプトは「声を力に変えて、変革の風を起こす」。お客様や従業員の「声」をリアルタイムで聴き、事業活動における判断の迅速化、行動の変革、新たな気づき・出会いの発掘に生かすことで企業競争力を高めることを目指す活動です。職場環境改善の一環として、Work Life Shiftに関するサーベイを定期的に実施し、「VOICE」プログラムを活用したビジネスプロセス改革や制度・運用見直しなどの諸施策に反映していくことで、EX(Employee Experience)、および社員エンゲージメントの向上につなげています。
コミュニケーション活性化の取り組み
労使関係
富士通は、富士通労働組合とユニオンショップ協定を締結しており、締結している労働協約に基づいて、労働協議会、生産協議会などを定期的に(必要に応じて随時)開催し、経営方針や事業状況、事業の再編などに関する社員への説明や各種労働条件に関する協議を実施しています。また、組合の団体交渉権も定めています。
欧州では、2000年から年1回、欧州労使協議会全体総会を開催し、富士通グループ全体の経営状況などについて従業員代表と共有しています。
社内の受付窓口として「人事・総務へのお問い合わせ」を設置し、社員が人事制度・運用に関して相談しやすい体制づくりに努めています。
社内SNSの活用
富士通グループでは、グローバルでの人と人のつながりを強化するために社内SNSを活用し、多様・多才な社員が組織を超えたコミュニケーションを取ることを可能としています。コミュニティは多岐にわたっており、組織内コミュニケーション、新規ビジネスの企画、副業やワーケーションの促進、育児や介護などのLifeを含めたキャリアに関する情報交換等、社員が自発的に参加して、組織を超えてコミュニケーションをとっています。
また、コミュニティで寄せられた意見・要望については、社員の声として人事施策や環境整備等の検討に活かしています。
心理的安全性向上の取り組み
Fujitsu Design Initiative for Psychological Safety - 心理的安全性をデザインするプロジェクト
富士通グループでは、社員が相互の信頼によってつながり、挑戦や失敗、活躍ができる組織環境をつくるため、2021年6月より心理的安全性をデザインするプロジェクトに取り組んでいます。

1.デザイン思考でプロジェクトを推進
本プロジェクトでは「どうすれば個人・チームの心理的安全性を高め、その状態を持続させ、イノベーションを起こすことができるのか?」を問いとして掲げ、プロジェクトの全体設計やコミュニケーションのあり方をデザイン思考で推進しています。デザイン思考でプロジェクトを推進することで、メンバーの多様性を生かし、社員視点で創造的な問題解決を図ることができます。
2.「Fujitsu心理的安全性Playbook」を無償公開
心理的安全性に関して社員の理解形成や行動変容を促すため、基礎知識や向上モデルをPlaybookとしてまとめて社内にて公開し、総閲覧数は14,500回を超えています。2024年5月、人的資本経営やカルチャー変革に取り組む企業団体のみなさまに実践のヒントを提供することを目的に、社内公開していたPlaybookの内容をアップデートし、「Fujitsu心理的安全性Playbook」として無償公開を行いました。

3.心理的安全性向上プログラムの開発と提供
組織単位で心理的安全性向上プログラムを開発し、これまでに4,500名に提供しています。提供組織では、エンゲージメントサーベイの心理的安全性スコアが向上し、行動の質的な変化がみられています。
4.「心理的安全性AWARD 2024」 GOLD RING受賞
株式会社ZENTechが主催する心理的安全性AWARD2024(注1)にて、GOLD RINGを受賞しました。

リージョンの主な取り組み
CSRイベントin Philippines, Thailand, Vietnam

東南アジア諸国のグループ会社では、企業の社会的責任(CSR)の取り組みの一環として、運動を促進する様々なイベントを開催しました。具体的には、特別な支援を必要とするアスリートを応援するスペシャルオリンピックスNGOとの合同イベント(フィリピン)、RMHC Mini Marathon Run For Kids(タイ)、遠隔地の山岳地域に住む恵まれない子供たちへの支援(ベトナム)などを行いました。その他にも、サッカー、バスケットボール、トレッキング、バドミントンといった運動を促すイベントを実施しました。
Fujitsu Hong Kongオフィスへの学生訪問 in Hong Kong

Fujitsu Hong Kong Ltdでは、2025年4月11日にGeneration Hong Kongと共同で、TWGHs Wong Fut Nam Collegeの学生を対象とした訪問イベントを開催しました。社員がテクノロジー業界でのキャリアパスや個々の経験について語り、テクノロジーの多様な可能性を紹介しました。社員と学生との交流を通じて、参加者全員にとって有意義な機会となりました。
2024年度実績
長時間労働削減に向けた取り組み
裁量労働勤務適用者19%、フレックスタイム勤務適用者77%(富士通)
テレワーク実施率
テレワーク実施率は約70%
労働組合員比率
労働組合員比率76.5%(富士通:組合員である管理職、非正規従業員を含めた比率)
離職率
