トップメッセージ

私たちを取り巻く環境は、非常に複雑で不確実な状況が続いています。地政学的な分断や深刻な気候変動、甚大化する自然災害といった地球規模の課題が、安定した社会・経済活動の確立を阻む脅威となっています。また、AIなどのテクノロジーが急速な進化が企業や個人に新たな利便性をもたらす一方で、人権侵害リスクやデジタルデバイドといった社会的リスクも顕在化しています。このような中、企業には、社会課題解決への取り組みを加速させるとともに、新たな脅威に挑むイノベーションの創出が求められています。

こうした中、富士通は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にする」というパーパスのもと、2030年に「デジタルサービスによってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニーになる」というビジョンを掲げています。当社が目指すのは、企業活動を通じて社会・環境・経済に対するポジティブなインパクトを最大化し、ネガティブなインパクトを最小化する「ネットポジティブ」の実現です。そのため、「地球環境の解決」「デジタル社会の発展」「人々のWell-beingの向上」という必要不可欠な貢献分野と、「テクノロジー」「経営基盤」「人材」という持続的な発展を可能にする土台からなるマテリアリティを定め、持続可能な社会の実現への貢献に努めています。

代表取締役社長 CEO 時田 隆仁 顔写真
代表取締役社長 CEO
時田 隆仁

この取り組みの中核となるのが、お客様やパートナーと共にクロスインダストリーで社会課題の解決に挑むUvanceです。当社は、温室効果ガスの排出量の可視化・削減を支援するソリューションや、外部環境の変化がサプライチェーンに及ぼす影響を算出し対応策を迅速に導き出すAIサービス、業種を超えてデータを共有し最適な物流を実現するプラットフォームといったUvanceの多様なサービス・ソリューションを通じて、社会課題解決への取り組みを加速させています。また当社は、AIの倫理的利用の普及や、コンピューティング、サイバーセキュリティといった技術を活用した信頼性の高いデジタルインフラの構築にも注力しています。
これらの取り組みと並行して、私たち富士通グループ自身もサステナブルに成長する企業となるために、事業活動における環境負荷低減や社員のウェルビーイングの向上などに努めています。具体的には、2030年度までに富士通グループの温室効果ガス排出量をゼロに、2040年度までに当社を取り巻くバリューチェーン全体でのネットゼロを目指すとともに、再生可能エネルギーの導入を推進しています。また、社員のウェルビーイング向上においては、社員一人ひとりが自律的にキャリアを築ける環境整備や、多様な働き方を支える制度の充実、健康経営の推進といった取り組みを進め、社員が自分らしく活き活きと活躍できるよう職場づくりに努めています。
私たち富士通グループは、テクノロジーを開発し提供する企業として、これからも社会課題を起点に新たなテクノロジーを追求し、お客様やパートナーと共に、より安心安全で豊かな社会の実現に取り組んでいきます。

最後に、富士通グループは、国連グローバル・コンパクトの10原則に賛同し、その実現に向けてたゆまぬ努力を続けていきます。世界中のステークホルダーと手を携え、テクノロジーの力で持続可能な未来を創造していくことを約束します。