環境マネジメントシステム(EMS)
ISO14001(注1)に基づく環境マネジメントシステム(Environmental Management Systems:EMS)の継続的改善に努め、グループ一体となった環境マネジメントを推進しています
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注1:ISO14001:
ISO(International Organization for Standardization、国際標準化機構)が定めたEMSに関する規格。環境に配慮し、環境負荷を継続的に減らすシステムを構築した組織に認証を与えるというもの。
富士通グループのEMS
富士通グループでは、国際規格ISO14001に基づくEMSを構築し、グループ一体となった環境改善活動を推進しています。2004年度末に国内の連結子会社を対象にISO14001を取得、対象を海外の連結子会社に拡大し2005年度末にグローバル統合認証を取得しました。その後に海外グループ会社は個別認証に切替えています。
環境経営推進体制
富士通グループは、2020年4月にサステナビリティに配慮した経営を主導する「サステナビリティ経営委員会」を設置しました。サステナビリティ経営委員会では、グローバル共通のサステナビリティ重要課題(Global Responsible Business : GRB)」を設定し取り組んでいますが、その中の1つに「環境」があります。
環境活動を推進する各組織は、EMSの高度化やガバナンス強化に向けて、中長期的な課題の検討や方針の策定、気候変動による事業リスク・機会の共有や対応方法の検討などを実施し、「サステナビリティ経営委員会」に定期的に報告します。それを受けて、富士通グループにおける環境経営の最終的な意思決定を「経営会議」で行っています。課題別に、ビジネスグループや本部の枠を越えた関係者で構成される目標主幹組織があり、下の図のような推進体制によって環境課題への取り組みをグループ内に素早く浸透させています。

行動実施フロー
「サステナビリティ経営委員会」は、環境活動の推進組織から定期的に報告されるグループ全社に関わる環境関連事項の活動状況や目標達成状況、新規活動について審議などを行います。例えば、エネルギー使用量やCO₂排出量の削減、環境リスクへの対応など、環境経営全般における中長期的な課題の方向性を決定し、環境マネジメントレビューの実施や富士通グループ環境行動計画の承認を行っています。
「目標主幹組織」は、行動実施フローに従い特定の課題(エネルギー、GHG、廃棄物、水など)ごとに専門的に対応し、各種パフォーマンスデータから改善ポイントを特定、環境行動計画の目標を検討し推進、目標の進捗状況を確認します。目標主幹組織からの進捗状況報告を受けた「環境経営責任者」は、活動状況および今後の方向性等の示唆を含め承認し、環境管理責任者にて必要な取り組みを実施することをすべての組織へ指示します。これらの活動をより浸透させスキル向上を図るために、気候変動(エネルギー消費量の削減を含む)、資源(水を含む)、廃棄物関連などをテーマとする環境教育や説明会を継続的に実施しています。

ライン(事業)+サイト(事業所)のマトリクス構造によるマネジメント
富士通グループでは、(1)各ビジネスグループ、各社のビジネスに直結した「ライン活動(環境配慮製品の開発、環境貢献ソリューションの拡大など)」と、(2)工場や事業所などの拠点ごとに共通のテーマに取り組む「サイト活動(省エネ・廃棄物削減など)」を組み合わせたマトリクス構造による環境マネジメントを実施しています。これにより、経営と同じ枠組みでの環境マネジメントを実践し、事業活動に伴う環境負荷および製品・サービスの販売を通じた環境負荷の低減を推進しています。
EMSの構築・運用
富士通グループでは、国際規格ISO14001に基づくEMSを構築し、グループ一体となった環境経営を推進しています。グローバルでのEMS構築により、グループガバナンスの一層の強化を実現し、活動状況の把握をはじめ、順法や緊急事態への対応など、より効率的で実効性の高い環境経営を可能にしています。富士通グループは、2025年3月現在、富士通および国内グループ会社22社が、ISO14001グループ統合認証を取得しています。
内部監査の実施と結果
富士通グループでは、ISO14001の要求事項に則り、内部監査を実施しています。2024年度は、国内94組織の富士通およびグループ会社の工場、オフィスなどを対象に実施しました。監査にあたっては、前年度の内部監査と外部審査の結果を精査した監査方針をもとに、内部監査を実施しました。結果は、軽欠点(不適合)1件、観察(適合)6件となりました。環境法令について、一部の対応不足がありましたが、全体を通して大きなリスクは見られませんでした。
外部審査の実施と結果
富士通グループでは、ISO14001認証維持のため、認証機関による外部審査を実施しています。2024年度は株式会社日本環境認証機構(JACO)の審査を受けました。結果は、改善が推奨される事項39件、指摘件数0件となりました。改善が推奨される事項はグループ内で共有し、対応と改善に努めています。
環境に関する順法状況
2024年度、富士通グループでは重大な法規制違反や環境に重大な影響を与える事故の発生はありませんでした。
ICTを活用した運用
富士通グループでは、環境経営の効率化と可視化を目指して、ICTを駆使した独自の環境マネジメントツールを積極的に活用しています。
ISO14001認証取得
- 登録活動範囲:通信システム、情報処理システム及び電子デバイスの設計・開発、製造、販売並びにICTサービスの提供
- 登録事業者:富士通株式会社
- 認証更新日:2024年3月23日
- 認証有効期限:2027年3月22日
- 審査登録機関:株式会社日本環境認証機構(JACO)
- 登録番号:EC98J2005
- [PDF] 富士通グループISO登録会社詳細