製品使用時の消費電力によるCO₂排出量の削減

富士通グループのアプローチ

ICTの普及拡大および、ICT製品の高性能化・高集積化に伴いエネルギー需要の増加が見込まれる中、様々な国・地域において、ICT製品のエネルギー規制の拡大が進むとともに、社会的にもエネルギーラベル適合やグリーン調達要件としてエネルギー効率が重要視されるようになっています。
GHG排出量削減に向け、富士通グループの製品においても、製品使用時のエネルギー効率向上を図っていく必要があると考えています。こうした中、省エネ技術を積極的に採用し、さらなるエネルギー効率の向上に継続的に取り組むことで、お客様における製品使用時の消費電力の低減化に貢献できる製品の開発を推進していきます。

2024年度実績

第11期環境行動計画 目標項目 2024年度実績
製品の使用時消費電力によるCO₂排出量を2020年度比10%以上削減する。 削減率42.9%
製品使用時の消費電力によるCO2排出量の削減
製品使用時の消費電力によるCO₂排出量の削減

第11期環境行動計画の取り組み

バリューチェーン全体のGHG排出量ネットゼロ目標に基づき、第11期環境行動計画ではその経過年として2025年度に2020年度比12.5%以上の削減を目標に設定しました。この目標達成に向けて、事業部門ごとに、2023年度~2025年度に開発が見込まれる製品のエネルギー効率改善などに取り組んでいます。具体的には、低消費電力部品の採用や機能集約による端末数の削減、高効率電源の採用、省電力制御の最適化、部品点数の削減、省電力デバイスの採用などを積極的に推進しています。

CO₂排出量 2020年度比42.9%削減を達成

サーバ、ストレージ、パソコン、ネットワーク機器などにおいて省エネ技術を横断的に適用・拡大した結果、2024年度は2020年度に対して42.9%削減を達成することができました。

目標の達成に向けて

バリューチェーン全体のGHG排出量ネットゼロの達成に向けて、各部門において、エネルギー効率を改善した製品の開発を一層進めていきます。また、エネルギー効率の改善施策として、優れた省エネ技術を横断的に展開し、適用製品を拡大していきます。さらに、将来に向けて、エネルギー効率の革新的向上に貢献する省エネデバイスの先端技術開発を進め、早期の製品適用を目指します。

2024年度の取り組み事例

大容量・長距離伝送と省エネルギーを両立した「1FINITY T900」

1FINITY T900は、世界最高クラスとなる「光の1波長あたり1.2Tbps」の大容量長距離伝送が可能な光伝送プラットフォームを実用化した製品です。特長は、最新の高性能デジタルコヒーレント技術による大容量伝送(1波長あたり最大1.2Tbps)、独自のフレーマー技術による伝送距離の長延化(従来技術と比較して4倍以上の到達性能)です。
また、本製品は富士通独自のクローズドループ水冷技術を採用することで従来の空冷システムと比較して2倍の冷却能力を実現しました。冷却能力向上による高発熱源の解消により、局舎全体の省電力化にも貢献します。
さらに環境面では、最新DSPの採用による高ビットレート化で、伝送性能100Gbpsあたりの消費電力を従来比60%削減することができました。
1FINITY T900の利用を通じ、これからも「通信を止めない高信頼なサービスの提供」と「環境負荷低減」の両立によるお客様・社会への貢献を目指します。

1FINITY T900
1FINITY T900