AI時代におけるリーダーシップと意思決定
論理か本能か。組織はいかにしてディスラプションに備えるべきか
Article | 2026年2月3日
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ビジネスには、論理だけではどうしても前に進められなくなる瞬間があります。
ダッシュボードや予測は、もっとも妥当な選択肢や起こりうるシナリオを示唆します。しかし、歴史を紐解けば、「自分たちの本能が正しいと感じたこと」に基づいて意思決定をしたリーダーは数多く存在します。
彼らは、まだ数字による裏付けが得られる前から「いける」と確信した未完成なプロトタイプや型破りな人材採用、あるいは常識に反するようなストーリーに賭けてきました。そうした決断は、決してデータを軽視したわけではありません。むしろ判断力、勇気、そして想像力によってデータを補完したものだったのです。AIの時代において、このバランスこそがリーダーシップの中核をなすスキルとなります。
AIは、パターン認識、情報の要約、そして処理速度において卓越した能力を発揮します。人間の集中力を温存し、情報を整理し、ビジネス上の摩擦を取り除きます。その恩恵は今や疑いようがありません。より優れた意思決定、より速いサイクル、より少ないエラー。AIが持つこれらの強みは、一方で組織をある種の「狭い確実性」の中に安住させてしまいかねません。測定可能なものを過大評価し、まだ見ぬ可能性を過小評価する事態を招きかねないのです。
従来の延長線上にはない非線形な機会は、多くの場合、最初は「小さすぎる」「奇妙すぎる」「早すぎる」といった異常値として現れます。過去に類似したデータがないため、AIがこうした値を推奨することはほとんどないでしょう。一方、人間は「おやっ?」という気づきを起点としたわずかな兆候を読み取り、別の未来を想像し、非対称な賭けを打つことができるのです。
AI時代のリーダーシップとは、データか本能かという二者択一の選択ではなく、お互いに協調してそれぞれの力を最大限に発揮できる企業をデザインすることです。データは嘘をつきません。未来のリーダーには「AIを信頼性と有用性を両立するための規律ある基盤とすること」、「客観的な評価指標と矛盾する場合でも人間の判断を正当なものとして扱える文化的規範を確立すること」の両方が求められます。
本稿では、自動化を信頼すべきときと疑うべきときをどう見極めるか、裏付けのない「ギャンブル的な予算」をどのように設計し賢明な失敗を称えるか、いかにして成長途上にある人材を育てるか、そして勇気が無謀へと逸脱しないように倫理をどう組み込むか、について掘り下げていきます。
これらの目的は実践的です。すなわち、論理によって組織という船を安定させながら、本能に基づき大胆な目的地を選ぶリーダーを支援することです。
Section 1: 新しいリーダーシップのパラドックス
AIは意思決定の質そのものを変革します。現代のリーダーは、膨大な情報を瞬時に統合し、数分で戦略をつくり、さらにワークフローを横断して自律的に動くエージェントを活用できるようになりました。こうした進化には逆説的な側面があるのも事実です。つまり、選択肢とデータが増えるほど不確実性も増大するという点です。競合はより高速に反復を繰り返し、市場は細分化し、小さなシグナルは以前にも増して重要になります。こうした状況下では、分析麻痺に陥ったり、整然としすぎたモデルを過信したり、データでは十分に裏付けられないような「大きな賭け」への投資が不足したりするリスクが起きかねません。
このパラドックスには3つの側面があります。
スピード:AIは時間を圧縮します。実行には有益に働くと同時に、性急な判断につながる可能性があります。
範囲:AIはほぼすべての機能に影響を及ぼします。構造的な問題が残っているにも関わらず、局所最適が全体的な進歩であるかのように見せてしまいかねません。
対称性:AIは既存のデータを関連付けて現状を最適化します。しかしブレークスルーはめったに対称的ではありません。既存の枠組みを覆すようなイノベーションの初期段階の試みは、成功するまでは常に非効率的に映ります。
このパラドックスを解消するには、リーダーシップの役割を再定義することが欠かせません。経営層はAIを「規律ある副官」として扱うべきです。AIには情報処理や草案の作成、テストといった得意分野で能力を発揮してもらい、前例のない問題に対しては人間が指揮権を保持し続けることが重要になります。
具体的には、AIが主導する「ルーティン的な意思決定」と、人間の判断がリードする「方向性を決める意思決定」をはっきりと分ける、イレギュラーな事態にきちんと耳を傾ける場を設ける、従来のKPIと並行して学習の速度を追跡する、などが挙げられます。これらの目的は不確実性を抑え込むことではありません。むしろ活用することにあります。AIが役立つ場面では迅速に、人間の判断が重要な場面では熟慮を重ね、そして論理が必要だがそれだけでは不十分な場面では行動を許可することが求められているのです。
Section 2: データを信じるとき、本能を信じるとき
リーダーには、ある判断がデータ主導か人間主導か、あるいは両方のハイブリッドであるべきかを見極めるための再現性のある方法が必要です。実用的なアプローチとして3段階のトリアージを示します。
安定的で十分に理解された領域。結果が予測可能で、エラーのコストが低く、フィードバックが豊富である領域。区分Aでは自動化が推奨される。手順を体系化し、AIに想定外の動作やリスクを防ぐ仕組みを施した上で草案作成や判断を任せ、厳密な測定データを使ってパフォーマンスを測定する。
曖昧もしくは進化している領域。パターンは存在するものの不完全で、利害関係は中程度であり、新たな情報が継続的に現れる領域。ここではハイブリッドを選択する。AIは選択肢を示し、矛盾を浮き彫りにし、シナリオをシミュレーションする。人間は問いを構成し、方向性を選び、制約条件を設定する。
新規かつリスクの高い賭け。微弱なシグナル、限られたデータ、そして大きなリターンまたはリスクが伴う領域。ここでは人間の判断が主導する。意図の明確さ、明示的な前提、小規模なテストによる迅速な学習が求められる。AIは分析や計測ツールなどとして使われるが、最終的な意思決定はAIに委ねない。
事象の相関だけに注目するのは誤解を招きかねません。関連しているように見えるパターンが、実際には偶然にすぎないことも少なくありません。必要な視点は、相関を超えて因果関係がなぜ重要なのか、を理解することです。リーダーに本当に必要なのは、原因と結果についての明確な理解、そして特定の行動がどれほどのインパクトを及ぼすのかを把握することです。その洞察が、状況を進める真の意思決定を可能にします。
富士通の因果AI(Fujitsu Kozuchi(*1)を通じて提供)は、因果関係の構造を明らかにし、人間の介入による期待される効果を推定します。まさに相関の先にある、深化したリーダーの意思決定を支援します。実務において、リーダーは「制約Yの下でXを変更したらどうなるか」と問いかけ、副作用も明示された上で次の行動の候補を受け取ることができます(*2)。エージェント型AIはその後、定型的な分析を実行し、テストをオーケストレーションします。一連の流れによって、人間の判断は問題設定、境界条件の設定、そして「賭けるか否か」の承認という、より本質的な部分に集中できるようになります。
トリアージに当てはめると、区分Aの意思決定は引き続き自動化され、区分Bでは因果AIが仮説検証を繰り返し、トレードオフを明らかにすることでハイブリッドになります。区分CではAIが反事実的分析、レッドチーム分析、小規模テストのための計測を提供する一方、人間が主導権を握り続けます。
因果AIは、高速な因果発見とアクション最適化を組み合わせ、起こり得る副作用を明示しながら成果に焦点を当てた施策を推奨します(*3)。
限られたデータしかない場合でも、手元にある因果知識を活用する知識誘導型の因果発見は信頼性を高めます。ただし、AIの判断を自動的に覆す仕組みを意味するものではありません。組織としてあらかじめ定めたルールと役割のもとで人間が最終的に判断する「上書き」は、個人の独断でAIの判断を感情的に否定することを意味しません。上書きはAI時代の適切なリーダーシップの実践として位置づけられます。
具体例を示してみましょう。AIが推奨を提示した後、リーダーは1ページの理由書を作成します。そこには、判断の仮説、賛否両論の根拠、境界条件、学習計画を明記します。このような上書きは、頻繁にされるべきではありません。むしろまれで、透明性があり、説明可能であり、次への教訓となり、ケーススタディとして蓄積されるものであるべきです。それらが積み重なることで、将来のリーダーが「どのような状況で人間の判断を優先すべきか」「どのように責任をもって行使するのか」を学ぶための集合知となるのです。
その結果として、データは信頼を勝ち取り、本能が正当な尊敬を得る文化を醸成するのです。AIは意思決定を画一化する存在ではありません。人間の判断をより意識的で、より責任あるものにする基盤であり続けなければならないのです。
(出典)富士通作成
Section 3: 本能が息づく組織をつくる
AIが組織により鋭い論理をもたらすのであれば、リーダーには想像力を意識的に促し、評価し、守る役割が求められます。スタートラインは個人の気合や勇気ではありません。組織設計の選択にあります。
第一に、「ギャンブル的な予算」を設定することです。「将来の選択肢」に充てるために全体のリソースの5〜10%をあらかじめ確保しておく仕組みです。無秩序な挑戦では決してありません。重要なのは、最初から実験であると合意された投資枠という点です。1ページの簡素な書類に目的、境界条件、期間、そして中止の判断基準を示します。これにより、「やってみたが止められない」状態を避けることができます。
第二に、賢明な失敗を意図的に称えることです。うまくいかなかった実験について、何を学んだのか、次にどの問いが生まれたのかを簡潔にまとめて共有します。重要なのは失敗を正当化することではありません。失敗を起点に、学習が起きているかどうかの評価を回すことです。こうした記録の積み重ねが、時間とともに「やらない理由」ではなく「判断力を高めるための知識」へと昇華します。
第三に、型破りな取り組みを守ることです。組織の慣習にとらわれず、高リスク・高リターンのプロジェクトを推進する「スカンクワークス」、業務時間の20%を自由な研究にあてる「20%ルール」、小規模な実験ラボといった取り組みを指します。これらは日常業務の論理では評価しきれない、奇抜な発想が生まれる機会です。データやツールへの直接アクセスを与えつつ、プライバシーやコンプライアンス、倫理については必要最低限かつ明確なルールを設けて自由と安全のバランスを最適に保ちます。
第四に、非対称な上振れを前提とした役割を設けることです。たとえば「未開拓の未来を担当する責任者」や「実験担当ディレクター」などです。これらの役割では、一つの成功が複数の失敗を十分に補うことを前提とします。重要なのは、通常のROI基準から一時的に外れることが正式に許可されている点です。同時に、倫理やセキュリティ、ブランドに関するガバナンスは明確に保たれることも条件です。
最後に、会話の規範を設計することです。型破りなアイデアに対して評価や否定から入るのではなく、「これは興味深いですね。どのような条件がそろえば機能するでしょうか」と好奇心を持って問いかけるように訓練します。長い議論よりも、短い検証を優先します。このような仕組みが、本能を個人の暴走ではなく、安全に扱われる仮説にします。AIはルーティン業務をこなし、証拠を記録し、検証を加速させます。一方、リーダーは勢いに流されず、可能性を追求するかどうかを判断するのです。
因果AIは、ギャンブル的な予算を「感覚的な挑戦」から「規律ある実験」へと変えます。仮説は検証可能な人間の介入策の一つとなり、成果の期待値も事前に予測されます。また、意図しない影響も、影響が広がる前に検討できるようになります。エージェント型AIはデータ収集や反復的な分析を自動化します。リーダーは微弱なシグナルを解釈し、次の投資判断を下す時間を確保できるようになります。
組織としては、スカンクワークスや小規模な実験ラボが因果グラフを使って「なぜうまくいったのか」「なぜうまくいかなかったのか」を説明できるようになります。「なぜ」を探り続ける活動は属人的な武勇伝ではなく、再利用可能な「知のアーカイブ」を生み出します。こうした仕組みを通じ、組織として好奇心を保ちながら、説明と監査の可能性を維持することができるのです。
Section 4: AI時代のリーダーをどう育てるか
AIを前提とした環境におけるリーダー育成は、「リテラシー」「人間性」「倫理」という3つの要素から成り立ちます。これはスキル研修の話ではありません。判断の質を支える土台です。
リテラシーとは、ビジネス上でモデルがどのように機能しているかを理解することです。どんなデータを必要としているか。どう変化し、どこで誤った情報を生成しやすいのか。どのようにガバナンスされているのか。リーダーにはプロンプト、ポリシー、パイプラインに関する一定の理解が求められます。自らコードを書くためではありません。技術チームに適切な問いを投げ、判断の前提を理解するために必要な知識を習得することが重要です。
人間性とは、「未完成な人材」であり続ける姿勢です。すなわち矛盾への好奇心を持ち、状況や証拠が変われば判断を修正できる柔軟さを指します。また、忍耐力も意味します。スピードと慎重さ、効率と配慮といった相反する要求の間でバランスを保ち、不確実な状況でもチームが軸をぶらさずにいられる力です。
倫理とは、判断の境界条件を明確にすることです。何が許されないのか、どんな場合に人間の関与が必要なのか、包摂性、帰属、説明責任をどのように扱うのかを定義します。重要なのは、倫理を「止める仕組み」にしないことです。実験と同じスピードで機能する倫理審査プロセスをつくり、原則を公開することで、従業員や顧客は安心してその仕組みを信頼できるようになります。
こうした準備は、単なる年次研修ではありません。リーダーシップのオペレーティングシステムそのものです。職務記述書、評価制度、予算サイクル、取締役会報告など、あらゆる経営プロセスに組み込まれなければなりません。リーダーがリテラシー、人間性、倫理を体現するとき、AIはリーダーの判断を置き換えるのではなく、リーダーの判断を支え、増幅する力となります。
準備段階では、因果モデルがどのように変化するか、「もし条件が異なっていたらどうなったか」という分析が純粋な将来予測とどう異なるか、そしていつ人間の介入が必要になるかといった点も考慮すべきです。因果AIやエージェント機能を含む富士通のツールセットは、説明可能なシミュレーションや制約条件下での推奨行動を通じ、リーダーの判断を支援して安全な実行へとつなげます。
目的は実践的です。AIが「実行と分析の下地」を担い、リーダーが「ひらめき」を提供します。問題をどう定義し、どの意図を選び、どこで勇気が要るのかを決めることがリーダーの役割になるのです。
AIを活用する企業における本能的なリーダーシップ:7つの指針
1. 未完成な人材を採用する
完成された人材ではなく、常に成長し続けている人材を求めましょう。履歴書や実績は過去を示しますが、好奇心、多様な経験、そして失敗から得た教訓こそが未来を示唆します。
成功体験だけでなく、前例を覆す挑戦をした経験、失敗から学んだこと、曖昧な状況への対応などに着目して面接をしてください。これらとリテラシーを組み合わせることで、本能的なリーダーは技術チームと協働し、モデルの限界を理解したうえで判断できるようになります。昇進や登用においては、成果だけでなく「学習速度」を重要な評価基準としましょう。
2. ノイズからシグナルを切り離し、判断を信じる
データの清浄性や正確性、高い品質など、意思決定の前提となるデータ統合・整理にはAIを徹底的に活用しましょう。報告業務の自動化、ダッシュボードの統合、管理上の無駄の排除を進めます。リーダーには純粋なシグナルを提供してください。文脈データや矛盾点、リスクの兆候も含むシグナルとすることで、議論が単なる指標の正しさではなく、その意味に集中できるようになります。
シグナルが明確になったら、決断を先送りしないことが重要です。仮にAIの推奨を上書きする場合になっても、その判断を記録し、共有し、次に活かす前提として行動しましょう。判断自体が「組織として承認された行為」となる環境をつくるのです。
3. 小さく、速いギャンブル的な予算を創設する
将来の選択の余地となる「オプショナリティ」を制度化しましょう。全体のリソースの5〜10%を、数か月ではなく数日で承認できる、リーダー主導の選択肢に割り当てます。仮説、境界条件、期間、裏づけのある次の段階というシンプルなゲートを設定して設計します。個別プロジェクトとしてではなく、ポートフォリオとして管理することが重要です。AIによるシミュレーションや計測を通じて学習のスピードを速め、判断の質を高めていきましょう。
4. 賞賛すべき失敗を評価する
結果としてうまくいかなかったとしても、適切な賭けは評価されるべきです。非難や責任追及ではなく、何を学んだのかに焦点を当てた簡潔な振り返りをつくり、公開します。これらをオンボーディングやリーダーシップ研修で活用し、賢明なリスクを取ることは組織として正当である、というメッセージに反映します。時間が経つにつれて文化的な資産となり、「何が機能しないのか、そしてなぜか」を示す生きたアーカイブへと育ちます。
5. 非対称なアップサイドを前提とした役割を設計する
直感力の高いリーダーを、アップサイド(利益の可能性)が無制限で、ダウンサイド(損失の可能性)が限定されている役割に配置しましょう。ギャンブル的な予算の枠内で、通常のROI基準を一時的に迂回する裁量をはっきりと与えます。同時に倫理、セキュリティ、ブランドに関する明確なガバナンスと組み合わせます。これらの役割を可視化し、組織内で名実ともに認められたものとすることで探索へのコミットメントを示します。
6. 型破りな取り組みを守る
スカンクワークス、20%ルール、小規模な実験ラボといった「本流ではない場所」を意図的に残します。これらにはデータ、ツール、メンタリングへのアクセスを与えつつ、四半期ごとの業績発表や長時間の承認プロセスからは切り離します。プライバシーや安全、コンプライアンスに関する軽量かつ明確なルールを設け、創造性が無謀な行為へと逸脱するのを防ぎます。これらの場所と組織の中核の間で人材を循環させることで、新たな知見が組織全体に還流します。
7. 答えではなく、問いで導く
リーダーはすぐに答えを示す存在である必要はありません。まず好奇心を示し、「これが機能するために何が真実でなければならないのか」「どの条件下で私たちは間違っているのか」と問いかけます。本能的な仮説(アブダクティブ推論)を、AIによる分析やパターン認識と組み合わせ、小さな検証を義務付けます。こうした対話を積み重ねた先に、本能と証拠が協働して進歩を生み出す文化が育まれるのです。
おわりに
AIは企業に前例のないレベルの論理性をもたらします。より明確なシグナル、より速い意思決定サイクル、そして定型ミスの削減です。これらは組織運営において極めて大きな価値を持ちます。
一方、リーダーシップがもたらす価値は異なります。それは、確実でないうちに行動する意志、未完成な人材に賭ける判断、そしてどんなモデルもまだ推奨していない目的地を選ぶ勇気です。AIは過去を起点に最適化の方法を提示しますが、未来をつくることはできません。未来を選び、デザインをし、つくるのは人間にしかできません。
いま求められているのは、AIと人間を調和させることです。AIを信頼できる基盤を築くと同時に、人間の本能と判断を歓迎し、尊重する文化を創造しましょう。自動化に任せるべき判断、人が引き受けるべき判断。これらを意識して分け、その境界を設計することがカギとなります。AIの推奨を上書きする人間の判断が独断や暴走に陥らないよう、倫理と説明責任の仕組みをきちんと整えることも欠かせません。
論理が船の運航を司り、日々の進路を支えるのであれば、本能は進路変更のタイミングと最終的な目的地を決めます。AIが優秀な副官として働くには、船長となるリーダーの役割を明確にするのが不可欠です。見慣れない地平に遭遇したとき、組織に必要なのは「2つの声」―確率と最適解を語る声と、可能性と意味を問い直す声―を聴くことです。AI時代を生き抜く強い組織は2つの声を尊重し、適切な場面で適切な声に従える組織なのです。
論理で船を走らせ、本能で行き先を選ぶ。
その両立こそ、AI時代のリーダーシップに求められる本質と言えるでしょう。
Ashok Govindaraju
VP and Partner, Uvance Wayfinders, Oceania
Uvance Wayfindersにて、メルボルンを拠点に金融、小売、官公庁など多様な業界のクライアントと協働。複雑な変革を推進するスペシャリストとして、イノベーションと業務遂行力を融合させ、持続可能な成果の創出を支援。
20年以上にわたるコンサルティングおよびリーダーシップの経験を通じて、銀行、保険、小売、政府機関に対し、戦略・テクノロジー・業務面での助言を提供してきた。Deloitteのパートナー、ISGのアジア太平洋地域リードを歴任し、数十億ドル規模のアウトソーシングプログラムの統括、グローバル拠点の立ち上げ、アジア太平洋全域での大規模変革を主導。
落ち着きのある協働スタイルに定評があり、AI、自動化、組織戦略の専門知識を活かして、クライアントが現実の課題を乗り越え、急速に変化する経済環境の中で持続的に成長できるよう支援する。
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