日本航空株式会社 様 客室乗務員の機内業務効率化に特化型生成AIを活用
「明日の空へ、日本の翼」をスローガンに挑戦と成長を続ける日本航空株式会社様(以下、JAL)。近年、DX戦略の一環として積極的にAI活用を推進し、より安全・安心な移動の提供や顧客体験価値の創出に向けた変革に挑戦しています。同社は、富士通と株式会社ヘッドウォータース(以下、ヘッドウォータース社)と共に、AI活用による客室乗務員向けの業務効率化に向けて、オフライン環境での性能に強みを持つ小規模言語モデル(以下、SLM)を採用した「業務特化型オンデバイス生成AI」の開発に着手。実証実験を通じ、客室乗務員の引き継ぎレポート作成時間の短縮を実現しました。さらに汎用性の高いレポート作成への適用と、全客室乗務員への展開を目指しています。
課題
- 不安定な通信環境と業界特有の用語の多さにより、機内でのAI活用が困難
- 引き継ぎレポート作成に集中できる時間の確保が難しく残業が発生
解決
- オフライン環境下で利用可能なSLM採用による機内でのAI活用
- 特有用語にも対応した航空業界特化型モデル開発により、高精度な日英文を自動生成
効果
- 客室乗務員の引き継ぎレポート作成時間を最大1/3に短縮、旅客サービス時間を創出
- JAL仕様のレポート標準化により、修正発生率を削減、管理を含むレポート業務の全体工数を抑制
従業員一人ひとりが生産性高く働ける環境を実現し、エンゲージメント向上の先にある、新たな価値創造を目指す取り組みをAI×データで進めています
日本航空株式会社 デジタルテクノロジー本部 システムマネジメント部 セキュリティ企画グループ マネジャー 山脇 学 氏
日本航空株式会社様について
JALグループは、「安全・安心」と「サステナビリティ」を未来への成長エンジンとして、環境変化に適応し「持続的な成長・発展」を実現します。多くの人々やさまざまな物が自由に行き交う、心はずむ社会・未来において、世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループを目指します。
生成AIはあらゆる業務の変革を促し、今後も経済効果は右肩上がりが予測され、生成AIの活用が競争優位性を左右する転換点ともいわれています。企業の生成AI利用状況について、総務省の2024年調査では、活用する方針を定めている割合について「日本は42.7%であり、8割以上と回答した米国、ドイツ、中国と比較すると約半数」と指摘します。
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スムーズな連携で、最新SLMによる業務特化型生成AIを開発
通信環境が不安定な機内業務に対応するためオフライン環境下での利用が必須であったJALがパートナーに選んだのが、業務特化型生成AIモデルの開発ノウハウを持つ富士通でした。オフライン環境下でも利用できるMicrosoft社の最新SLM(Phi-4)を採用し、JALの過去レポートを元に「航空業務特化型オンデバイス生成AIモデル」を開発する提案が、決め手でした。
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具体的なユースケースの洗い出しからテーマ選定
実証実験のテーマ選定では、デジタルテクノロジー本部が客室本部と共に現場課題を洗い出していきました。数多くのユースケースの中から「フライト中の引き継ぎレポート作成へのAI活用」という現場ニーズに強くマッチするテーマに落とし込みました。
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レポート作成時間を最大1/3に短縮、AI活用による標準化へ
富士通はヘッドウォータース社と共に、2025年1月末~3月初頭にかけて実証に向けた環境を構築し、その後、リーダークラスの客室乗務員4名を対象に丸1日の実証実験を行い、以下成果を確認しています。
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AI活用範囲の拡大、その先のAIエージェントに期待
前述した実証実験の成果を踏まえ、現在、全客室乗務員の方々にご利用いただけるよう、第2フェーズに入っています。一口に引き継ぎレポートといっても、作成者が限定されるレポートなど多くの種類(カテゴリ)に分類されます。
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