プラスチックごみによる汚染が深刻な島、対馬
対馬エコツアーより富士通社員による海岸清掃体験からのメッセージ
去る2019年11月1日から11月3日までの3日間、富士通株式会社主催(一般社団法人JEAN協力)で、富士通グループ社員による対馬エコツアーを実施しました。参加者の多くはプラスチックごみ問題の知識はあるものの、実際の現場を見て大きな衝撃を受けるほどでした。その取り組みを活動レポートとしてご紹介します。
対馬の海洋プラスチックごみ問題
対馬のごみは、東シナ海を北上する黒潮が、九州南部で対馬暖流と交わり、対馬海峡を通って、日本海側に流れ込みます。この海流の影響により、近諸国からのごみが流れてくるなど国内で最もごみが漂着する場所です。また、対馬暖流の入り口に位置しているため、入り組んだリアス式海岸は崖や岩場が多く、崖下の海岸、岩場にも多くのごみが溜まっています。
2019年度は約2,140m3の廃プラスチック、約653m3の漁網類などを回収されています。しかし、予算額にあったごみしか回収することができず、リアス式海岸にもごみは多くみられますが、回収できずにいるごみが非常に多いのです。今回清掃活動を行った海岸は無人島であり、近年海岸清掃が行われた記録はありません。このように離島は、厳しい条件が重なっていると言えます。
海岸清掃の場所
〒817-1101 長崎県対馬市美津島町小船越の海岸
ツアー参加者が見た対馬の海岸
なんてカラフルなのだろうと思うと同時に、それらが大量の漂着物であると知って絶句しました。
事前に写真で見ることが多かったのですが、実際に現地入りすると、あまりにも多すぎるごみの凄惨さに圧倒されました。
想像していたものとはかなり違った。
あれほどまでに深刻な状況とは思いもしなかった。
蓄積されたプラスチックに初めて触れたときは、私は少し怖かった。
こんなにひどいとは思いませんでした。
また床に付いているプラスチックやポリエチレンが砂だと思っていたことにも驚きました。
発泡スチロールごみ
ペットボトルごみ
硬質プラスチックごみ
集めたごみの総量
用意したフレコンパックがすべて一杯になり、海岸のごみのすべてを回収することはできませんでした。
回収できなかったごみも大量にあり、特に小さなごみはほとんど回収できませんでした。
マイクロプラスチックになってしまってからでは遅い。今すぐにどうにかしなければと思いました。
日本はきちんとごみ処理されているので、日本のごみは少ないと思っていたが、日本のごみもかなりの量があった。
近づくほどに細かいごみが目につき、途方にくれた。まったくの無力さを感じた。
対馬エコツアー、その他の体験活動を通して
清掃活動だけでなく、対馬の文化や歴史、美しい自然をカヤックやトレッキングで体験してもらい、対馬に合った解決方法をアイデアソンで検討しました。
守るべき環境を、自分の目でまじかにみることができた。
自分のクラス地域では見ることのできない自然環境を知ることができて海プラの問題についてより、真剣に考えなければならないという思いが強くなった。
アイデアソンでの体験は、職場で活用することができると思います。理由は、現地の方々と密に交流を深化させたことで、地域の抱える課題や葛藤の数々を直視でき、その根本解決への糸口を模索できるからです。
こうした考え方は、いついかなる時も大切なことで、初心に帰って物事を推し進められると思いました。
対馬エコツアー 概略
2019年11月1日(金曜)~2019年11月3日(日曜)
長崎県対馬市
25名(富士通スタッフ含める)
1日目
11月1日(金曜)
- オリエンテーション
- 対馬の自然・文化を知るプログラム(トレッキング)
- 海洋プラスチックごみ問題を学ぶプログラム(講演)
- 懇親会
2日目
11月2日(土曜)
- 海洋プラスチックごみ問題を学ぶプログラム
(黒島でごみ回収作業) - 対馬の美しい自然を体感するプログラム
(シーカヤックエコツアー)
3日目
11月3日(日曜)
- 課題解決に向け、考えを深めるプログラム(アイデアソン)