生成AIとは:用語解説
生成AIとは
生成AI(Generative AI)とは、ユーザーからの指示に基づき、文章、画像、音声、プログラムコードといった新しいコンテンツを創り出す(生成する)人工知能(AI)のことです。事前にインターネット上の膨大なデータを学習しており、その知識を応用して、あたかも人間が創造したかのようなアウトプットができる点が大きな特長です。これまでのAIが、データの中から特定のパターンを見つけ出す「分析」や「予測」を得意としていたのに対し、生成AIは学習した内容から利用者がまだ気が付いていない新しさを感じさせるコンテンツを生み出す点で画期的です。
生成AIの一つに、ChatGPTのように自然な文章を生成できるLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)があります。
生成AIの仕組み
生成AIは、機械学習の技術を用いて、膨大なデータから特徴を抽出し学習するものです。学習したデータをLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)と呼びます。このLLMを用いて、例えばテキストの生成では、確率的に次にくる単語を予測し、自然な文章を作ることができます。最近は、このLLMに対して、テキストだけではなく画像などの情報を合わせて学習させ(マルチモーダル※対応)、画像の解釈などを行うこともできるようになってきています。
※マルチモーダル:画像やテキストなど複数 の種類のデータを組み合わせること
生成AIを利用する際に注意すべきこと
より便利で豊かなAI社会への期待が高まる一方、倫理や信頼性、セキュリティなどの観点から、AI活用に対する懸念も広がっています。AIが生み出す情報を鵜呑みにせず、その特性とリスクを理解した上で活用することが重要です。
1. 出力される情報の「偏り」や「誤り」を疑う
生成AIの回答は、必ずしも正確・公正であるとは限りません。膨大なデータから学習するため、データに偏りがあると、出力にも偏見や差別的なバイアスが生じる可能性があります。また、誤った結論を生成すること(ハルシネーション)があります。AIの回答はあくまで「参考情報」と捉え、最終的な判断は人間が行うことが重要です。
2. セキュリティを確保し、情報漏洩を防ぐ
生成AIに入力する指示や質問は「プロンプト」と呼ばれます。セキュリティの観点では、このプロンプトに機密情報や個人情報を含めないことが極めて重要です。なぜなら、入力された情報はAIの学習データに利用されたり、サービス提供者に記録されたりする可能性があり、会社の内部情報や顧客データ、個人のプライバシーが意図せず外部に漏洩する重大なリスクをはらんでいるからです。
万全なセキュリティを確保するためには、サービス利用前に必ず利用規約を確認し、機密性の高い情報は決してプロンプトとして入力しないというルールを徹底することが求められます。
3. AI倫理に基づき、法的・社会的責任を果たす
AI倫理は、生成AIを利用する私たちに、著作権をはじめとする法的・社会的な責任を果たすことを強く求めます。
- 他者の権利への尊重: AI倫理の観点では、他者の知的財産権を尊重することが基本原則となります。AIの生成物が既存の著作物と酷似してしまう可能性は、単なる著作権侵害という法的リスクに留まらず、創作者の権利を軽んじるという倫理的な問題でもあります。特に商用利用する際は、生成物が他者の権利を侵害していないか慎重に検証する、高い倫理観が不可欠です。
- 法と社会規範の遵守: AI倫理はまた、変化し続ける社会のルールに適応することも要求します。AIに関する法規制は世界中で整備が進められている段階にあり、知らないうちに法律に違反するリスクも潜んでいます。社会に対する責任を果たすという倫理的な観点から、常に最新の動向に注意を払い、必要であれば専門家へ相談する姿勢が重要です。
生成AIを企業で活用するメリット
ChatGPTなどの対話型生成AIの登場により、企業の業務効率化における生成AIへの期待が高まっています。これらのAIは、報告書や議事録の作成、資料の要約、プログラミングコードの生成・検証、顧客からの問い合わせ対応といった多岐にわたる定型業務を自動化・効率化し、飛躍的な改革をもたらします。
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業務効率の大幅な向上とコスト削減
AIが定型的な文書作成、データ分析、情報収集などを代替することで、従業員はより戦略的かつ創造的な業務に注力できるようになります。これにより、人件費を含む運用コストの削減に繋がり、生産性全体の向上が見込めます。
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意思決定の迅速化と質の向上
R&Dや分析業務において、膨大なデータから必要な情報を素早く抽出し、多角的な視点から分析結果を提示することで、経営層や担当者の意思決定を加速させ、その精度を高めることができます。
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新たなビジネス価値の創出
生成AIは、これまでにないアイデアやコンテンツを生成する能力を持つため、新サービスの開発、マーケティング戦略の立案、パーソナライズされた顧客体験の提供など、企業の競争力を高める新たなビジネスチャンスを生み出す可能性を秘めています。
しかし、これらのメリットを享受するためには、多くの企業が抱える「具体的な活用方法の不明確さ」「情報漏洩のリスク」「導入・運用コスト」といった課題を克服する必要があります。特に、AI技術に関する専門知識を持つ人材の不足や、生成AIを安全かつ手軽に試せる環境の不足は、導入の障壁となるケースが多いのが現状です。
富士通が取り組む生成AIとは
富士通は、富士通研究所の最先端技術を含むAIプラットフォームである「Fujitsu Kozuchi」を通じて、お客様の生産性と創造性を拡張する、高い信頼性と安全性を兼ね備えたAIおよび生成AIを提供しています。Fujitsu Kozuchiの特徴としては、生成AIの信頼性を高めるエンタープライズ生成AIフレームワークを用いて、生成AI再構成技術により企業ニーズに合わせたベストな専用モデルを提供したり、ナレッジグラフ拡張RAGを用いて企業情報を構造化して取り扱うことで、安心で高精度なアウトプットを提供します。さらに、スーパーコンピュータ「富岳」に代表される最先端の計算技術を融合させた圧倒的な「技術力」で、お客様のAI導入を加速させます。30年以上の導入で培った豊富な「実績」で、お客様の業務を深く理解しているからこそ、本当に価値のあるAI活用を提案し、変革の実現をサポートできます。
なお、富士通の先進技術をいち早くお試しいただく環境として、Fujitsu Research Portalにて、技術コンポーネントのAPIやWebアプリケーションを無償で公開しています。
富士通は、これら独自の技術力、世界レベルの計算力、そして豊富な実績を掛け合わせることで、単なる技術提供に留まらず、お客様のビジネスに寄り添う信頼性の高いパートナーとして生成AIの社会実装を推進しています。
よくある質問
Q.従来のAIと生成AIの違いは何ですか?
A.従来のAIは、データを与えて学習させ、最適な判断・分類・予測を行う技術です。例えば、画像から物体を認識したり、過去のデータから将来の売上を予測したりといった、既知のデータを基にパターンを解析し、決まった答えを導き出すことを得意とします。
一方で、生成AI(Generative AI)は、学習した膨大なデータを基に新しいコンテンツ(文章・画像・音声・動画など)を生み出す技術です。
また、従来のAIは、活用する際にAI技術の分かる専門家が必要でした。一方で生成AIは、AIの専門家ではなくても活用できる点が大きく異なります。
Q.生成AIにはどんな種類がありますか?
A.生成AIにはいくつかの種類が存在します。主なものとしては、テキスト生成、画像生成、音声生成、動画生成、コード生成などが挙げられます。
Q.富士通の生成AIの特徴は何ですか?
A.富士通の生成AIは、企業ニーズに合わせたエンタープライズに特化した最新AI技術を提供している点が特徴となります。
すなわち、生成AIの信頼性を高めるエンタープライズ生成AIフレームワークを用いて、生成AI再構成技術により企業ニーズに合わせたベストな専用モデルを提供したり、ナレッジグラフ拡張RAGを用いて企業情報を構造化して取り扱うことで、安心で高精度なアウトプットを提供する点が特徴となります。