SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは?

SXとは

SXとは、Sustainability Transformation(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の略です。長期的な視点で社会と企業のサステナビリティ(持続可能性)を捉え、企業価値を高め続けることを目的に日本の経済産業省が提唱する、経営変革のことです。
持続可能でよりよい世界を目指す国際目標にSDGsがあります。この大きな指針に対しさらに具体的な目標として、企業活動が環境や社会に与えるポジティブな影響がネガティブな影響を上回る状態を目指す「ネットポジティブ」があります。SXは、これらを実現するための戦略・実行手段といえます。企業にとってDX、ESG、SDGs、GXと併せて取り組むべき重要事項です。

SXが注目される背景

SXの概念が広く知られるきっかけは、日本の経済界や企業の経営方針に大きな影響を与えてきた経済産業省の研究会成果である通称「伊藤レポート」です。伊藤レポートは、企業と投資家との対話の重要性を説き、短期的な利益に捉われず長期的な視点で企業価値を高め続ける経営について、分析・提言するものです。

  • 2014年版 長引くデフレ経済下での日本企業の低収益性に警鐘を鳴らし、初めて公表される
  • 2020年版 通称「人材版伊藤レポート2.0」。人的資本経営の取り組みに大きな影響を与える
  • 2022年版 通称「SX版伊藤レポート3.0」。気候変動や人権問題、地政学リスクなど、社会の不確実性が増す中で、企業が社会の持続可能性(サステナビリティ)に貢献する重要性を説いている

企業がSXに取り組む必要性

伊藤レポートでは、「SXとは、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを『同期化』させていくこと、及びそのために必要な経営・事業変革を指す」と述べられています。続けて、「社会のサステナビリティと企業のサステナビリティの同期化とは、企業が社会の持続可能性に資する長期的な価値提供を行うことを通じて、社会の持続可能性の向上を図るとともに、自社の長期的かつ持続的に成長原資を生み出す力(稼ぐ力)の向上とさらなる価値創出へとつなげていくことを意味する」といいます。

企業がSXに取り組む必要性は、国際目標達成という社会のためであることはもちろん、自社の経営・事業戦略と結びつけながら推進すべき、企業成長に不可欠なものです。

[主な影響]

  • 非財務情報を重視するESG投資を踏まえた「資金調達」
  • 未曾有の災害やサプライチェーンなどに対する「リスク管理」
  • 社会や環境課題に応える「新規ビジネスの創出」
  • 社会に対する価値提供・パーパスの共鳴からの「優秀な人材の獲得と定着化」
  • サステナビリティに対する企業姿勢への「ステークホルダーからの支持獲得」

SXとSDGs/ESG/GX/DXの違い

この概念の実現に関連する用語をいくつか紹介します。

●SDGsとは

2015年国連が採択した「持続可能な開発⽬標(Sustainable Development Goals)」のことです。先進国・途上国すべての国を対象に、環境・経済・社会が抱える問題を解決し、バランスが取れた社会を⽬指す世界共通の⽬標です。SDGsでは「誰一人取り残さない」という原則が重要視され、2030年を⽬指して明るい未来を作るための17のゴールと169のターゲットで構成されています。

●ESGとは

環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとった用語で、企業や投資家が長期的な成長に向けて考慮すべき3要素です。投資評価はこれまで、企業の業績や経営状況などの財務情報が使われていたのに対し、ESG投資においては、環境配慮の取り組みや社員のワークライフ・バランスなどの⾮財務情報を加えた、企業の社会課題への対応と企業価値のバランスが評価の基準となります。2010年代、各企業はステークホルダーに対し、ESG要素を含むサステナビリティレポート(報告書)を開示し、その後SDGsの活発化を後押しすることになりました。

●GXとは

Green Transformation(グリーン・トランスフォーメーション)の略です。経済産業省が中心となって推進している環境に特化した取り組みです。産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体を変革すべく、エネルギーの安定供給・経済成長・排出削減の同時実現を目指しています。なお、国連にて「2050年のカーボンニュートラル実現」が表明されて以来、海外でも同様の概念で取り組みが推進されています。

●DXとは

Digital Transformation(デジタル・トランスフォーメーション)の略です。企業がデータやデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデル、既存業務のプロセスを大胆に変革し、企業の競争力を高めることです。SXとDXの違いは、DXがSXを実現するための手段・基盤である点です。

富士通が取り組むSXとは

●ネットポジティブの実現に向けた経営変革

サステナビリティへの取り組みが推進される一方で、企業の収益向上との両立に、多くの企業が二者択一を迫られていると感じているのも事実です(注1)。そこで重要になるのが、前述した「ネットポジティブ」です。ネットポジティブとは、企業活動による「マイナスな影響」を最小限に抑えるだけでなく、社会や環境に対して積極的に「プラスの影響」を与えることを目指した考え方です。
複雑な課題が山積する時代において企業は、より革新的なアプローチで価値を創造し、持続可能な未来の実現に貢献していく責任があります。富士通は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にする」というパーパスのもと、企業活動を通じて環境・社会・経済に対するポジティブなインパクトの最大化に取り組んでいます。富士通にとってのネットポジティブとは「社会に存在する富士通が、財務的なリターンの最大化に加え、地球環境問題の解決、デジタル社会の発展、そして人々のウェルビーイングの向上というマテリアリティに取り組み、テクノロジーとイノベーションによって、社会全体へのインパクトをプラスにする」と定義しています。特に、気候変動対策では、2030年に向けて「ネットポジティブ」の実現、2040年度に向けて企業活動に伴う温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「バリューチェーン全体でのネットゼロ」を目指しています。

注1:ネットポジティブインデックス調査レポート

●SXを実現するキーテクノロジーとコンサルティング

SXの成功はテクノロジーへの大規模な投資なしには実現しないといわれています。お客様のビジネス成長と社会課題の解決を両立させるUvanceにおけるSXは、富士通が開発を進める5つの先進テクノロジー(注2)に焦点を当て、サステナビリティ・ソリューション・ポートフォリオ全体の一貫性を確保し、業界を超えた多様なビジネス課題を成功に導くことを可能にします。
また富士通は、UvanceのデータとAIによる高度な意思決定で変革を共に実現します。ビジネスとテクノロジー変革を支援するコンサルティング「Uvance Wayfinders」を通して、サステナブルな世界の実現に向け、多様な社会・ビジネス課題を解決していきます。

注2:「Computing(コンピューティング)」「Network(ネットワーク)」「AI(人工知能)」「Data & Security(データ&セキュリティ)」「Converging Technology(コンバージング・テクノロジー)」

よくある質問

Q.SXの具体的な企業の取り組み事例はありますか?

A. 富士通は、自社のパーパス「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」に基づき、SXを推進しています。
また、経済産業省と東京証券取引所は、社会のサステナビリティ課題やニーズを自社の成長に取り込み、 長期的かつ持続的な企業価値創造を進めている先進的企業を「サステナビリティ・トランスフォーメーション銘柄(SX銘柄)」として、選定・表彰しています。

Q.SXにおいて、AIはどのように活用されていますか?

A. 富士通は、SXにおけるAI活用とAIがビジネスや社会に与えるインパクトの実態把握を目的に、世界15か国の経営者層800人を対象に調査を実施し、分析結果を「富士通SX調査レポート2024」として公開しています。

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