PRESS RELEASE

富士通と第一ライフグループ、量子技術による資産運用業務高度化を目指し共同研究を開始

約30兆円を運用する第一生命保険の実務を起点とし、資産配分の最適化に向けた量子技術活用を検証

2026年6月4日
富士通株式会社
株式会社第一ライフグループ

富士通株式会社(注1)(以下、「富士通」)と株式会社第一ライフグループ(注2)(以下、「第一ライフグループ」)は、量子技術の保険分野への適用を見据え、資産運用業務の高度化に向けて2026年4月から2027年3月まで共同研究を実施します。
本共同研究では、第一ライフグループ傘下の第一生命保険株式会社(以下、「第一生命」)における資産運用業務の実務課題を起点に、両社が共同で、リスクとリターンのバランスや負債特性を踏まえた複数の資産クラス(株式・債券・オルタナティブ資産など)への投資比率を最適化する量子アルゴリズムの設計・開発、および量子コンピュータシミュレータ(注3)(以下、量子シミュレータ)や量子コンピュータを利用した性能検証などを行う予定です。
資産配分の意思決定では、リスク・リターンのバランスに加え、負債特性、規制要件、資産ごとの投資制約など、複雑な条件を同時に考慮する必要があります。両社は、膨大な経済変動シナリオのもとで、これらの条件を踏まえた評価をより多面的かつ効率的に行い、最適な資産配分戦略の調査・分析を目指します。

背景

AIや量子技術といった先端テクノロジーは、社会の様々な分野で変革をもたらす可能性を秘めています。特に金融業界においては、これらの技術を活用することで、従来のコンピュータでは実現できなかった、より高度なリスク分析や顧客体験の向上、業務効率化などが期待されています。
富士通は、量子コンピュータが、社会やビジネスに革新的な変化をもたらす重要な技術であるという確信のもと、量子技術の研究開発に積極的に取り組んでおり、その社会実装を推進するため、様々な業種の事業会社との共同実証を通じて具体的な活用を見据えた取組みを進めています。
第一ライフグループは、「グローバルトップティアに伍する保険グループ」そして「日本の保険業界の未来を先導する存在」になることを目指すうえで、急速に進展する先端テクノロジーを事業成長の原動力とすべく、グループ横断のIT・デジタル能力高度化に取り組んでいます。また、第一生命は、約30兆円規模の資産を運用しており、仮に、最適化により+1bp(一万分の一)でもポートフォリオのリターンが改善する場合、+30億円(=30兆円×1bp)のリターン向上効果となります。
こうした背景から、両社は保険分野における量子技術の社会実装を加速させるため、共同研究に至りました。

共同研究の概要

  • 実施期間

    2026年4月から2027年3月末まで(予定)

  • 検証内容

    両社は、量子アルゴリズムによる資産配分の最適パターン探索技術を開発するとともに、量子シミュレータや量子コンピュータを用いて制約条件やシミュレーションシナリオを変化させながら性能を評価することで、将来的な大規模で高性能な量子コンピュータ活用時の資産運用業務における資産配分の効果について、先駆的な検証を行います。

  • 両社の役割

    富士通:
    量子アルゴリズムに関する知見・技術の提供および、1,024ノードからなる大規模量子シミュレータや量子コンピュータ等の量子計算環境の提供
    第一ライフグループ:
    研究テーマの設計および評価指標の定義、資産運用データや業務フロー、現場課題の提供(第一生命の実務を通じて実施)

今後について

両社は、将来的には資産運用業務にとどまらず、保険分野へも幅広く適用可能な量子技術の実現を検討していきます。量子コンピュータ実用化の進展を見据え、早期から実務視点での検証を積み重ねることで、大規模量子コンピュータ実現時における技術の迅速なビジネス適用を目指します。また、本共同研究を通じて得られた知見については、論文などを通じて広く発信することで、学術の発展ならびにグローバルな技術進展に貢献していきます。

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1 富士通株式会社

    本店 神奈川県川崎市、代表取締役社長 時田 隆仁

  • 注2 株式会社第一ライフグループ

    本社 東京都千代田区、代表取締役社長グループ CEO 菊田 徹也

  • 注3 量子コンピュータシミュレータ

    「A64FX」プロセッサーを搭載したスーパーコンピュータ「FX700」1,024機で構成される40量子ビットの状態ベクトル型量子コンピュータシミュレータ

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