成功の土台は業務プロセスとデータの再設計にあり

“AIで変われない企業”を変える―富士通が挑むAI時代の企業変革

本当に、AIで期待した効果を得られているか?

実際には、期待したほどの効果が得られないケースも少なくない。例えば、MITのNANDAレポートで明らかにされたように、現時点では、生成AIを活用する95%もの組織が未だ利益を生み出せていない。流行りや枝葉の議論が先行してしまうことも多く、AIへの取り組みの全体像を描かぬままでは、部分的な効率化に留まり大きな成果は見込めない。AIの効果を最大化するには、業務プロセスとデータの持ち方を、AI活用に最適な形に根本から変えることが不可欠だ。企業が持つプロセス、データ、ノウハウなどから企業の真の強みを客観的に見極め、それを活かす変革を構想するのが、Uvance Wayfinders(以下、Wayfinders)のコンサルティングだ。さらに、長年培ったデリバリー能力を組み合わせ、構想策定や戦略提言に留まらないAI時代の企業変革の実装を支援する。Wayfindersにとっての大きな武器は、富士通研究所が開発した独自の先端技術を他社に先駆けて活用できることに加え、コンサルタントだけではなく、AIの技術を熟知したエンジニアやアーキテクトをフォワードデプロイ型で配置し、一気通貫に課題を解決することだ。

※所属、役職名は取材当時のものです。
※本記事は、日経BPの許可により「日経ビジネスオンライン」に掲載された広告記事を抜粋したものです。(禁無断転載)

「その業務、要りますか?」 必要なのは業務プロセスの変革

AIは強力なテクノロジーだが、未だ万能ではない。Wayfindersでテクノロジーコンサルティングを統括する三原哲氏は喝破する。「AI導入の領域や方法によって、思ったような効果を出せないケースが多くあります」

よくある原因の1つは、人間を中心に確立されてきた既存の業務やシステムを何も変えず、AIだけを入れようとしていることにある。AI活用により企業変革を成功へ導くための視点とは何か。三原氏は3つの視点を挙げて説明する。

1つ目は、業務プロセスとITを同時に変革する視点だ。現状の業務とシステムを、AIを適用しやすい「AI-ready」な形に変える必要がある。「具体的なポイントとして、まずはAIが対応し易いように1つひとつの業務をシンプルにする。ITの世界では物事をシンプルにする手法は沢山あり、それを業務にも適用すべきです。そして、AIを部分的に導入しても効果は限定的なため、人とAIのそれぞれの特性を活かしつつ、役割分担を明確にしたうえで、エンドツーエンドでAIを適用できる一気通貫型の業務フローに再設計する。さらに、システムは発生した業務イベントをデータ駆動型で処理するという構造へと変えていくことが重要です」(三原氏)

2つ目は、AIだけではなく、データとAIに一体型で取り組むという視点。データがなければ、AIは何もできない。企業のデータ資産を、いかにAIが使いやすい形に整理できるかが大きなポイントになる。これまでのデータ基盤は、1日遅れのデータを蓄積してきた。エージェント型のAIが参照するデータはリアルタイム性が必須になる。また、データの特性を人が理解・操作してきたが、AIもそのデータが何を意味するかを理解する必要がある。

3つ目は、セキュリティーを強化・進化させる視点である。チェックリストに基づく診断を基本とする従来からのアプローチを改め、AIによる攻撃に備え、防御側でもAIを活用するなど、高度なセキュリティーを構築する必要がある。

インタビューの様子を示すシーンで、富士通株式会社 Head of Global Technology Practice, Managing Partner, Uvance Wayfindersの三原 哲が写っている。
三原 哲、Head of Global Technology Practice, Managing Partner, Uvance Wayfinders

「多くの企業がAIを導入しはじめていますが、『革新的な生産性向上』を実現できている企業はまだ多くありません。その理由は明確です。AIは、複雑で分断された業務プロセスをそのまま自動化しても、真の効果を発揮できないのです。本当に生産性を高めるには、AI導入の前に業務そのものを簡素化し、標準化し、再設計することが欠かせません」。AI戦略・ビジネス開発本部長の岡田英人氏もそう指摘する。

企業がAIを導入していく際、まずチャットのような簡易ツールで業務を補助する段階から始まり、既存の業務フローの一部にAIを入れる段階へと進む。例えばプログラムのソースコードを自動生成するなどによって、業務の効率化を図る。このフェーズに入った企業は増えているが、未だ部分的な効率化に留まっており、AIが出力したものをステップ毎に人が確認する必要があれば、効果は伸びにくい。

「現在の業務フローを変えずに一部にAIを入れるだけでは、業務が整理されていないため、効果が限定されます。AIの結果を人間の目で都度チェックするようでは、かえってコストが上がることにもなりかねません」(岡田氏)

肝心なのはその次の段階、すなわち業務フローをAIドリブンに組み立て直すことである。これが先ほど触れた業務フローをAI中心に簡素化し、標準化し、再設計することだ。「よくある例が、報告書の作成です。手書きやExcelでやっている業務をAIで代替しようとする話はよく聞きます。しかし、そもそも報告書の作成自体が要らないのではないか。そのような視点で業務フロー全体を見直し、シンプル化することが重要です」(岡田氏)

こうした検討は、IT部門のメンバーだけではできない。業務部門とIT部門が連携し、AIの活用を前提とする業務プロセスに向け根本的に見直すことが、AIの投資対効果を左右する。

インタビューの様子を示すシーンで、富士通株式会社 SVP AI戦略・ビジネス開発本部長の岡田 英人が写っている。
岡田 英人、SVP AI戦略・ビジネス開発本部長

データの鮮度が落ちていく。「秘伝のたれ」はどこにある?

AIの効果を高めるうえで、データの仕様や形式を揃え、品質を担保することが重要なのは周知のとおりだ。統合されていないデータでは、AIが誤った動作をしてしまう可能性がある。しかし、それだけでは不十分だ。「データの持ち方や処理方法を、鮮度という時間軸で検証してみる必要があります」と三原氏は言う。

多くの企業では、業務システムで生まれたデータを、データウエアハウスやデータレイクに蓄積し、AIはそこを参照して処理を行う。しかしそれがバッチ中心だと、AIが触れるのは数時間~1日遅れのデータになってしまう。AIが古いデータに基づき処理しても、現実にそぐわない結果になりかねない。データの鮮度がAI活用に必要なスピードに追いついていないのだ。人が分析するためのデータを整備するという発想から脱し、AIの動作に必要なデータの取得・更新フローを再設計することが重要となる。

なかでも、企業の強みに繋がるようなデータを資産として活用することは、特に重要となっている。富士通研究所長の岡本青史氏は「AI時代を迎え、企業は自身が持つ膨大なデータの中で、競争優位の源泉になるデータが何かを特定し、活用すべき時期が来ています」と述べる。岡本氏はそうしたデータ群のことを、企業の競争力を生み出す「秘伝のたれ」と表現した。「秘伝のたれ」をAIで活用することができれば、大きな市場競争力につながる。

企業の強みとなる「秘伝のたれ」を、いかにAIに組み込むか。それを実現するのが、富士通研究所の独自技術だ。「そうした『秘伝のたれ』は、例えば設計図面や電子カルテのデータなど、業務に特化した非構造化データである場合が多いです。富士通研究所では、従来コンピューターが扱いにくかった非構造化データを構造化し、AIが理解し活用できるようにする技術を開発しています」(岡本氏)

インタビューの様子を示すシーンで、富士通株式会社 執行役員常務 富士通研究所長 博士の岡本 青史が写っている。
岡本 青史、執行役員常務 富士通研究所長 博士(理学)

このような、企業の持つ独自の業務データをAIが活用しやすい形に整理する技術を、顧客の状況に合わせてWayfindersが適宜導入し、AI活用を支援する。

さらに、「秘伝のたれ」を見つけ出す過程においても、Wayfindersが活きてくる。自社の「強み」は何か――プロセスなのか、データなのか、あるいはAIを含む業務の進め方そのものなのか。企業は把握しているつもりでも、実際には多角的な視点での見立てが要る。三原氏は「自社だけでそれをやり切るのは難しい。私たちは専門家の立場から複数の角度で検証し、どこが強みの源泉かを客観的に見極めます」と話す。Wayfindersは、個社内の最適化にとどまらず、同業他社や周辺業界との比較眼も踏まえて、強みの定義から先端技術の導入まで支援する。

その土台にあるのが富士通のユニークさだ。エージェント型のAIが稼働する業務環境では、AIシステムの停止がそのまま業務の停止につながる。長年社会インフラを支える信頼性の高いシステムを作り続けてきた高いデリバリー能力と、他社が手掛けてこなかった領域まで自社で技術を生み出してきた開発力。この実績と実装力の上にコンサルティング機能を重ねている。三原氏は「私たちは単なるコンサルティングというものだけで勝負していない」と強調する。「一つのプロジェクトの中で戦略立案・技術適用・デリバリーを同時並行で進め、課題を一気に解決できる。それがWayfindersの強みです」(三原氏)

インタビューの様子を示すシーンで、富士通株式会社 Head of Global Technology Practice, Managing Partner, Uvance Wayfindersの三原 哲が写っている。

独自技術を活かす、富士通のコンサルティング

「富士通自身も、AIで自らの業務を変革しようとしています。社会インフラや大企業の業務を支えるシステム開発にも生成AIの波が来ています」(岡田氏)。ソースコードの作成やテストを自動化するAIツールはもちろんだが、富士通はその先へ行こうとしている。

インタビューの様子を示すシーンで、富士通株式会社 SVP AI戦略・ビジネス開発本部長の岡田 英人が写っている。

例えば日本の多くの企業は、長年使われてきた大規模な基幹業務システムを抱えている。その最新化(モダナイズ)にはコストと労力がかかる上、日常業務に支障が出る恐れもある。この喫緊の課題に対して、経営層は、すぐに最新のシステムへ移行するか、現行システムを延命し数年間使い続けるかという、難しい選択を迫られる。

後者を選んだ場合、法律や規定、新製品やサービスの仕様変更など、細かい変更があるたびに古いシステムを手動で修正していく必要があり、それにもコストと労力がかかってくる。

ここに富士通研究所の独自技術を投入し、AIで完全自動化しようとしている。例えば「制度がこう変わる」という内容を生成AIのプロンプトに入れると、新旧制度を比較して、どのシステム資産をどのように修正すべきかAIが判断する。さらに、修正した箇所の実装からテストまでを自動化できる。これまでプロセスの一部やプロトタイプ止まりだった自動化が、「こうしたい」を伝えるだけで、完成品を作り出す全プロセスにまで進歩している。

こうした生成AIの活用が進むことで、電力や水の消費増大といった社会課題も表面化してきている。ここに対しても富士通研究所では、AIの思考を効率化し、消費電力を削減する「1ビット量子化」技術や、専門知識を凝縮しAIモデルの構造を最適化する「特化型AI蒸留」技術の開発を進めている。自社のデータを用いて実施した特化型AI蒸留技術の検証では、必要なGPUメモリと運用コストをそれぞれ70%削減するだけでなく、推論のスピードを11倍にし、精度を43%向上させている。

サステナビリティにつながるこうした新技術は、すでに顧客に提供できる段階に来ている。Wayfindersのコンサルティングは、こうした富士通研究所の独自技術をも駆使し、AI時代の企業変革を実装している。

ビジネスの継続に不可欠なセキュリティーの進化

「AI時代においてセキュリティーの強化と進化は不可欠となっており、ビジネスの継続性を左右する経営課題として本格的に取り組むべき問題です。今日、サイバー攻撃にもAIが使われています。もはや単一の防御では守り切れません」(三原氏)。セキュリティーの分野にも、AIの波が押し寄せている。富士通研究所は防御側にAIを使う研究開発を進めている。Wayfindersのホワイトハッカーが攻撃者の視点から疑似的な攻撃を仕掛け、脆弱性を発見し、その知見やデータを基にAIを使った高度な防御システムを提案する。

「セキュリティーは、マルチAIエージェントの研究の一部でもあります。複数のAIエージェントが攻撃側と防御側に分かれて戦い、お互いの行動を学習して、どんどん賢くなる仕組みが完成しています。戦況を客観的に評価するエージェントもあり、複数のエージェントが協調しながら課題解決を行います。こうした技術を、Wayfindersによるコンサルティングを通じて企業や社会に実装していきます」(岡本氏)

インタビューの様子を示すシーンで、富士通株式会社 執行役員常務 富士通研究所長 博士の岡本 青史が写っている。

岡田氏は「AI自体を安心安全に使うための機能も必要です。複数のエージェントが協働する場合に、定められたルール通りに動いているかを見守る独立したエージェントも必要になります」と語る。ガバナンスを十分に利かせなければ、AIが経営の新たなリスクとなる可能性があるからだ。技術だけでなく、ルールづくりも必要だ。AIの安全性を法律や社会的な面から検討する、内閣府をはじめとする関係省庁の協力のもとで設立された「AIセーフティ・インスティテュート(AISI)」にも参加している。

「AIとデータ活用を同時並行で進め、競争力の源泉としていくには、流行りや枝葉の議論に終始せず、取り組みの全体の骨格を経営陣の強い意思とトップダウンで明確にすることが必要です」(三原氏)。そうした企業の取り組みを、広い視野とノウハウ、富士通の先進技術を束ねて支援する。Wayfindersの使命は続く。

三原 哲
Satoshi Mihara
Head of Global Technology Practice, Managing Partner, Uvance Wayfinders

早稲田大学政治経済学部卒業。国内SIer、海外ITベンダー、流通業界の事業経営などを経て、2007年にアクセンチュアに参画。以降、データ活用に関わる案件をマネージングディレクターとして牽引し、金融業界や流通業界を中心にコンサルティングに従事。2024年6月より富士通に参画。豊富な技術知見と経験を生かし、Uvance Wayfindersにおけるテクノロジーコンサルティング領域のグローバル展開と変革を推進。

三原 哲

岡田 英人
Hideto Okada
SVP AI戦略・ビジネス開発本部長

1991年富士通入社。自治体業務アプリケーションパッケージを担当のち、2016年より第二行政ソリューション事業本部長として「自治体DX」を推進。2020年、富士通研究所に異動。事業部門との連携を強化する役割を主に担い、2021年より技術戦略本部長として全社技術戦略を担当、シリコンバレーへの赴任を経験。2025年4月より現職。

岡田 英人

岡本 青史
Seishi Okamoto
執行役員常務 富士通研究所長 博士(理学)

1991年に富士通研究所へ入社。機械学習、推論、自然言語処理、知識検索などの人工知能の研究開発に従事。2011年より3年間は富士通にて、ビッグデータ新規事業開拓およびデータサイエンティスト育成業務に従事。人工知能研究センター長、人工知能研究所長、富士通研究所フェローを経て、2023年4月より執行役員EVP、富士通研究所所長。2025年4月より現職。東京医科歯科大学客員教授を兼務。

岡本 青史

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