エラー訂正に基づく独自のアーキテクチャで、量子計算の早期実用化を可能にする

STARアーキテクチャ

Early-FTQC時代の量子コンピュータで、化学材料のエネルギー計算を可能にする新技術

複雑な分子構造の3Dモデルのイメージ。

独自の量子計算アーキテクチャ「STARアーキテクチャ*」の位相回転ゲートを進化させ、これまでの10倍以上の精度向上を可能とする新たな「STARアーキテクチャ ver. 3」と、計算対象の分子モデルを最適化する新技術を組み合わせることで、これまでおよそ100万量子ビットが必要であった 計算リソースを大幅に削減 しました。これにより、従来コンピュータでは計算できない触媒分子といった化学材料のエネルギーを数万量子ビットの量子コンピュータを用いて現実的な時間で計算できる見込みが得られました。
*:Space-Time efficient Analog Rotation quantum computing architecture

Early-FTQC時代に、実用的な量子計算を成立させるために

1.量子コンピュータの現状とEarly-FTQC

創薬や金融分野で期待される量子コンピュータは、ノイズによる計算エラーが実用化への課題です。この問題を解決する誤り耐性量子コンピュータ(Fault-Tolerant Quantum Computers, FTQC)の実現は10~20年後と見込まれています。私たちは、FTQCに至る前段階の「Early-FTQC」時代に独自の量子計算アーキテクチャを開発し、世界に先駆けて実用的な計算を実現することを目指します。

2.STARアーキテクチャとは

STARアーキテクチャは、Early-‑FTQC時代の量子コンピュータでも実用的な計算を実現することを目的とした、独自の量子計算アーキテクチャです。 量子計算の計算効率に着目し、従来よりも少ない量子ビット数で、現実的な規模の計算を可能にします。

3.STARアーキテクチャver. 3の成果

STARアーキテクチャ ver. 3と分子モデル最適化技術という2つの新技術を組み合わせることで、2024年に発表したSTARアーキテクチャ ver. 2では困難だった複雑な分子計算を、実用的な時間で計算できる見込みを示しました。
例えば、CO₂削減にも応用が期待されるルテニウム触媒の計算では、従来のFTQCで約200万量子ビットが必要とされていた計算を、STARアーキテクチャ ver. 3の効果により約5万量子ビットまで削減できる見込みを示しました。さらに分子モデル最適化技術を適用することで、5千日規模と見積もられていた計算時間を、約4.6日まで大幅に短縮できることが確認できました。

参考:分子構造の出典

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