AIに信頼を組み込むための新たな視点:Trust in AI 説明可能
AIが下した重要な判断に「なぜその結論に至ったのか」と問うた際、明確な答えが返ってこなければ、企業はその判断を受け入れ、責任を持つことはできません。「説明可能」であることは、AIを単に「信じる」対象から、人間が「納得した上で任せられる」パートナーへと変えるために必要な条件です。
因果関係を解き明かすAI技術「因果AI」
信頼を支える技術
因果AIは、データに基づいて因果関係を分析し、その結果をもとに課題解決につながる具体的なアクションを提示する技術です。単なる分析にとどまらず、複数のデータや既知の因果知識を統合することで、ビジネスの成果に影響を与える要因を明らかにし、グラフや説明可能な根拠として提示できます。
ビジネスにおける価値
この技術が企業にもたらす価値は、 「どの要素が成果に影響しているのか」を把握した上で、「どのアクションを取るべきか」を判断できる点です。さらに、効果だけでなく副作用も考慮したアクションが提示されるため、より現実的で実行可能な意思決定につながります。結果として、分析で終わらず、ビジネス成果につながる具体的な打ち手を迅速に実行しやすくなります。
活用イメージ
【遺伝子と生活習慣の隠れた因果関係を解明】
健康施策が成果につながりにくい背景には、遺伝子やライフスタイルなどの要因が複雑に絡み合い、相関関係だけでは本当の原因が見えにくいという課題があります。これに対して、約4,000名の遺伝子データと生活習慣データを因果AIで分析することで、遺伝的要因、食習慣、健康状態の間に存在する隠れた因果関係を特定します。その結果、飲酒頻度が食習慣に与える影響や、味覚の違いがBMIに及ぼす影響など従来の分析では見えにくかった新たな因果メカニズムを発見し、一人ひとりに適した健康改善施策の提案につなげやすくなります。
膨大な情報を横断的につなぎ、答えを導く技術「ナレッジグラフ拡張RAG」
信頼を支える技術
ナレッジグラフ拡張RAGは、企業内にある膨大な情報を横断的に理解し、AIが正確に活用できるようにする技術です。従来のRAG(Retrieval Augmented Generation。LLMにて学習外の知識を取得して利用する仕組みを指す)には、一部の文書しか参照できず、情報同士のつながりを十分に活かせないという課題がありました。本技術では、企業規則や法令、マニュアル、ログ、ソースコードなどの多様なデータを「ナレッジグラフ」として構造化することで、より多くの情報を関係性まで含めてAIに理解させることができます。これにより、AIは単なる検索ではなく、根拠を伴う回答や論理的な推論が可能になります。
ビジネスにおける価値
この技術が企業にもたらす価値は、「必要な情報を探す」だけでなく、「複数の情報をつなげて判断する」ことができる点です。たとえば、膨大なマニュアルを横断した高度なQ&A、ログや障害事例をもとにした原因特定や対策案の提示、さらにはソースコードの理解や設計書の自動生成など、幅広い業務に活用できます。その結果、属人的になりがちな調査・分析作業を効率化しながら、根拠に基づいた正確な判断を迅速に行いやすくなります。
活用イメージ
【モダナイゼーションの効率化】
古くなったIT資産を最新の製品や設計構造に置き換える「モダナイゼーション」では、設計情報が失われたレガシーシステムほど、仕様の理解に多くの時間がかかるという課題があります。これに対して、ナレッジグラフ拡張RAGを活用することで、ソースコードと残存する設計情報をもとに、コメントが記載されていない場合でも、精度の高い設計書を自動生成することができます。これにより、生産性向上とお客様のDX推進に貢献することができます。