人権

方針

行動規範

富士通グループ共通の価値観であるFujitsu Wayでは、行動規範の1番目に「人権を尊重します」と掲げています。これは、あらゆる企業活動の中で、「人権尊重」の精神を根底に据えるという富士通の明確な姿勢を示すものです。全グループ社員が、この精神を実際の行動で示すことを徹底し、人権を尊重した経営を推進しています。

人権ステートメント

富士通グループは、2014年に「富士通グループ人権に関するステートメント」を初めて制定し、2022年12月に「富士通グループ人権ステートメント」として改定しました。人権に関する国際規範の支持や法令遵守、人権デューデリジェンスの継続的な実施、ステークホルダーとの対話等について経営トップがコミットする形で明文化しています。
人権ステートメントは、グループ各社への浸透を図るとともに、主要なサプライヤーにも本ステートメントに対する理解と遵守をお願いしています。
国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」、「世界人権宣言」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」など、人権や労働に関する普遍的原則に基づく国連グローバル・コンパクトの10原則(注1)への支持を公式に表明し、英国および豪州の現代奴隷法についても声明を開示しています。

  • (注1) 国連グローバル・コンパクトの10原則 : 「人権」「労働基準」「環境」「腐敗防止」の4分野において、企業が遵守すべき10原則を示したもの

推進体制

社長直下であるCEO室に人権の主幹組織を設置し、コーポレート部門、事業部門と連携し、バリューチェーン全体における人権課題の解決に向けた活動を推進するとともに、各リージョンの人権担当者との定期的な会議体制を構築し、グローバルに取り組みを推進しています。
活動内容については、社長を委員長とするサステナビリティ経営委員会へ報告・討議し、その結果を経営会議と取締役会に報告しています。

人権課題解決に向けた活動の推進体制
人権課題解決に向けた活動の推進体制

人権デューデリジェンスの推進

富士通グループでは、「富士通グループ人権ステートメント」に従い、グローバルなバリューチェーン全体を通じて、事業活動の人権への影響を特定し、負の影響を防止・軽減していく「人権デューデリジェンス」を推進しています。
事業活動に関する人権リスクの特定、負の影響を予防・軽減する施策の実行、定期的なモニタリングによる有効性の確認を継続的に行い、一連の活動は統合レポートやサステナビリティデータブックなどで情報開示しています。
また、新規に企業買収を行う際には、人権を含むサステナビリティの観点からもデューデリジェンスを行い、人権侵害リスクを軽減し、人権に関する富士通グループの取り組みが浸透するように取り組んでいます。

人権尊重の推進フレームワーク
人権尊重の推進フレームワーク

人権影響評価の実施

富士通グループでは、人権デューデリジェンスの実効性を高めるため、定期的に人権影響評価を実施しています。
2022年に実施した人権影響評価では、国際NPOであるBusiness for Social Responsibility(BSR)の協力のもと、富士通グループの事業内容の分析に加え、各リージョン、コーポレート部門、事業部門へのインタビューを行い、人権課題をリストアップしました。これらの課題は、重要度、発生可能性、事業への関連性という観点から優先順位付けを行っています。具体的には「社員の労働環境や健康・安全」、「サプライチェーンにおける強制労働や児童労働」、「事業におけるデータプライバシーや情報セキュリティ」などの優先課題として特定しました。

人権影響評価によって特定した人権課題(2022年実施)
人権影響評価によって特定した人権課題(2022年実施)

人権の負の影響を防止・軽減する取り組み

サプライチェーン

富士通グループは、すべてのサプライヤーに対して「富士通グループ人権ステートメント」への支持を求めるとともに、人身売買・強制労働・児童労働・差別の禁止、結社の自由と団体交渉権の支持、賃金平等の促進を求めていきます。

<サプライヤー労働環境>

リスク
  • ITサービスの役務調達に関連するリスク:ITの業務委託を行う請負業者の長時間労働や結社の自由の欠如による労働条件の改善が困難であるリスク
  • ハードウェア調達に関するリスク:グローバルなサプライチェーンにおける移民労働者への長時間労働、不十分な賃金や労働安全衛生、結社の自由の制限、雇用保障が制限されるなどのリスク
取り組み
  • 「富士通グループサステナブル調達指針」の策定・公表、お取引先への内容理解と遵守を要請
  • 取り組み状況の確認のため、国内外主要取引先へ毎年定期的な「サステナブル調査」を実施
2025年度実績
  • 「サステナブル調査」を実施し、1240社の回答を入手

<強制労働、児童労働>

リスク
  • 外国人技能実習生に関する強制労働のリスク:移動の自由や外部とのコミュニケーションが制限され、賃金の不払いや長時間労働、高額の借金により強制労働を強いられるリスク
  • 児童労働のリスク:見習い制度やインターンシップ制度を通じて雇用された若年労働者が長時間労働、低賃金、健康と安全の不十分な慣行などの虐待的な労働慣行の下で労働しているリスク
取り組み
  • 富士通グループでは、強制労働、児童労働の禁止を定め、お取引先に対しては、「富士通グループサステナブル調達指針」の中で強制労働、児童労働の排除を要請
  • 取り組み状況について書面調査で確認
2025年度実績
  • 「サステナブル調査」を実施し、1240社の回答を入手。強制労働、児童労働がないことを確認

<高リスク鉱物への対応>

リスク
  • 紛争の影響を受ける地域またはリスクの高い地域から原材料(銅、コバルト、スズ、タングステン、タンタル、および金を含む)を調達するリスク
  • これらの調達の結果として、富士通が紛争や非国家武装集団および民間、公安部隊による虐待を直接的または間接的に支援するリスク
  • 強制労働、児童労働を含む人権侵害に関わるリスク
取り組み
  • 富士通グループは、紛争を助長している、あるいは強制労働や人権侵害と関連しているリスクの高い鉱物を、富士通グループの製品や部品、およびサプライチェーンから排除していくことを方針とし、高リスク鉱物の調査を定期的に実施
2025年度実績
  • 調査対象の61.1%のお取引先より回答を受領
  • 804社の製錬業者を確認し、そのうち338社がRMI認定の「責任ある鉱物保証プロセス(評価プロトコル)Responsible Minerals Assurance Process(RMAP)」に準拠していることを確認

社員

富士通グループは、国際労働機関(ILO)が定める中核的労働基準に則り、すべての社員の権利を尊重します。また、人種、皮膚の色、宗教、信条、性別、社会的身分、門地、障がい、性的指向・性自認、出身地、年齢およびその他のビジネス上の正当な利益と関係しない要素に基づく差別をしません。

<労働環境>

リスク
  • 長時間労働のリスク:社員一人ひとりが自律的に成長し、強みを発揮しながら働く状態が損なわれ、業務負荷の偏りや慢性的な長時間労働につながるリスク
  • ハラスメントに関するリスク:他者理解や相互尊重、協働の土台が弱まり、心理的安全性の低下やコミュニケーション不全を通じて、ハラスメントが生じやすくなるリスク
取り組み
  • 時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を推進。またテレワーク制度や長時間労働削減に向けた取り組みを通じて、社員のウェルビーイング向上と高い生産性の両立を図っています
  • 社員が相互に信頼し挑戦できる組織を目指し、心理的安全性をデザインするプロジェクトに取り組んでいます
  • 多様な社員が活躍できるよう、労使対話や社内SNSでコミュニケーションを活性化。また、ライフイベントに合わせた支援を充実させ、WorkとLifeの両立支援に向けた取り組みを実施
  • Social Well-being

<非差別と機会均等>

リスク
  • 性別、年齢、国籍、文化や民族的背景、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、障がいの有無等を理由として、採用、育成、評価、昇進、報酬、福利厚生その他の雇用慣行において不当な差別や機会不均等が生じ、一人ひとりの尊厳や公平な就業機会が損なわれるリスク

人権教育・啓発

教育

富士通は全社員を対象とした包括的な人権教育を継続的に実施するとともに、それぞれの地域の具体的課題を加味した人権に関する研修を行います。

<「ビジネスと人権」に関するeラーニング>

  • 目的:⼈権を尊重したビジネスの⾏い⽅についての理解と⼈権侵害のリスクに気づき⾏動するための基礎知識を学ぶ
  • 対象:グローバルグループ全社員
  • 受講率:96%(2025年度)

<「AI倫理」に関するeラーニング>

  • 目的:AI倫理の基本的な考え方および富士通における取り組み・社内ルールを理解し、AIビジネスに潜むリスクとその対策を把握する
  • 対象:国内グループ全社員
  • 受講率:94%(2025年度)

<「職場マネジメント」に関するeラーニング>

  • 目的:職場マネジメントに必須の知識と考え方を学び、働きやすい環境づくりにつなげる(情報セキュリティ、ハラスメント、メンタルヘルス、労働時間管理、他)
  • 対象:富士通および国内グループ会社の幹部社員
  • 受講率:98%(2024年度)2025年度は、内容の再検討を行ったうえで構成を二分割し、2025年度に前半のみを実施。後半は2026年度に実施予定

啓発

富士通および国内グループ会社では、人権研修・啓発活動を様々な機会を通じて展開しています。具体的には、入社時や昇格時研修(新入社員・キャリア入社者、新任幹部社員、新任役員)、幹部社員向けにマネジメント研修のほか、世界人権デーや人権週間における人権啓発標語の募集・表彰などを実施しています。また、任意団体「東京人権啓発企業連絡会」に参加し、人権尊重が企業文化として定着するよう、多くの参加企業と相互研鑽に努めるとともに、企業の立場から社会啓発につながる活動に取り組んでいます。

世界人権デー2025

世界人権デーを記念し、CSSOメッセージの発信や特設ページの公開など、グローバルで社内施策を実施しました。これらの取り組みを通じて、気候変動、テクノロジーの進展、グローバルバリューチェーンに伴う人権課題への理解を深め、人権が尊重される社会の実現に向けた社員一人ひとりの責任ある事業活動の重要性を再認識しました。

お客様・エンドユーザー

富士通グループは、AIをはじめとするデジタルテクノロジーの開発者・提供者としての責任を果たすため、プライバシーやデータセキュリティなどを含む人権に関わる潜在的なリスクを適切に管理・低減するとともに、倫理面に十分配慮したうえで事業を推進し、バリューチェーン全体にわたって人権を尊重する責任ある企業活動を目指しています。

プライバシー・データセキュリティ

課題
  • 適切な同意取得が行われず、プライバシーおよびデータ保護の権利に影響を及ぼすリスク
  • 各国・地域の個人情報保護法令への対応およびサプライチェーン全体での情報保護強化が求められること
  • お客様やエンドユーザーに関するデータ・情報が、サイバー攻撃や不正アクセス、情報漏えいの事態に陥るリスク
  • 製品・サービスの脆弱性に起因する情報セキュリティリスク
取り組み
  • グローバルでの個人情報保護体制を構築し、GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)を含む各国法令に準拠した対応を推進
  • 情報保護マネジメントシステムに基づくPDCA運用、監査、点検、教育を継続実施
  • 情報管理ダッシュボード等による脆弱性や情報管理リスクを可視化し、重要度に応じた是正と早期改善を実施
  • 製品やサービスをご利用いただくお客様を守るため、脆弱性情報などの一元管理に加え、インシデント対応体制の強化を推進
  • 情報セキュリティ

AI倫理に関する取り組み

生成AIやAIエージェント、Physical AIなどAIは近年急速な発展を遂げています。この発展は、人々の生活や社会に大きな変化をもたらし、社会課題や環境課題に対して新たな解決方法を提示する可能性を有しています。一方で、活用を進めるにあたっては、負の側面を低減するために十分に配慮するよう求められることが想定されています。
富士通グループは、かねてより「ヒューマンセントリック」、すなわちICTは人間中心に利用されるべきであるとの考えを掲げてきました。AIについても同様に、研究・開発・提供・運用に携わる企業の責務として、利便性の追求にとどまらず、安心・安全な利用の実現を目指しています。
その取り組みの一環として、「富士通グループAIコミットメント」を策定、公表しています。本コミットメントは、AIの研究・開発・提供・運用といった事業活動を展開する企業として、ユーザーや消費者を含む多様なステークホルダーとの対話を重視しながら、AIがもたらす豊かな価値を社会に広く浸透させていくことを目指して、お客様や社会に対して富士通グループが守るべき項目をまとめたものです。富士通グループは、本コミットメントに基づき、AI倫理の取り組みを継続的に推進しています。

富士通グループは、将来の事業に大きな影響を与えうるエマージングリスクへの対応として、AI活用における倫理面のリスクについては以下のように内容を特定し、軽減策を講じています。

エマージングリスク
AIを活用することによる倫理面のリスク

リスクの内容

富士通グループは、1980年代以前からAIの研究・開発・提供・運用に取り組む中でICTは人間中心に活用されるべきであるとの考え方を掲げてきました。
一方で、AIの発展に伴い、予測困難な挙動や、導入後の再学習等による性能変化など、技術的な複雑性が高まっていると認識しています。
また、AIの企画・開発から利用に至るまで、多様なステークホルダーが関与するケースが増加しており、問題発生時における責任の所在がより複雑になる可能性があります。
さらに、技術の進展が急速であることから、倫理的課題や法規制についても、社会的な要請や環境変化を踏まえた継続的な検討・見直しが求められています。

事業への影響

生成AIの普及やAIエージェントの登場などにより、予期せぬAIの動作や不適切なアウトプット等によってユーザーや消費者の人権を侵害するなどの可能性も高まっており、法的責任に加え富士通グループのレピュテーションが損なわれる影響が想定されます。
また、責任分界点が不明確な状態で不具合や人権侵害等が発生した場合、関係者とのトラブルや紛争に発展するリスクが高まります。これにより、事業活動の停滞に加え、顧客や社会からの信頼低下といった中長期的な事業影響が生じる可能性があります。
また、2024年度に施行されたEU AI法は、開発者や利用者などの関係者に対し、人権に与えるリスクの大きさに基づいて厳格に対応することを求めています。違反すれば全世界の売上総額の最大7%の制裁金を含む罰則が課せられる可能性があり、AIの研究・開発・提供・運用において適切なリスク管理を実施することが不可欠となります。(2026年6月現在)

軽減策

富士通グループでは、全社のAI倫理リスクに対する適切な対応を目的として、すべてのAIビジネスに対してAI倫理チェックを行っています。AI倫理チェックでは、リスク判定レベルを定め、一定のレベル以上に該当する製品、商談について、第三者視点で二次的に審査を行う仕組みを導入しています。本審査は、AI倫理を専門とする組織に加え、人権、法務などの専門部署も参画し、多様な観点からAIが社会に与える影響を評価しています。
さらに、2025年度からは「AI倫理チェック」、「AI規制法順守点検(EU AI法等を含む)」、「AIセーフティ評価」の3つの観点によるリスク対策をシステム上で統合的に一元管理する仕組みを整備し、強化を図っています。
また、従業員一人ひとりが早期にAI倫理リスクを発見できるよう、グループ全体に教育、テーマ別の啓発資料の提供を行うなどAI倫理の重要性、留意点などの理解を深める取り組みを実施しています。
加えて、安心・安全なAIの社会実装に向け、外部の有識者を含めた社会のステークホルダーと対話を重ねていくことを目指して「富士通グループAI倫理外部委員会」を設置、会合を定期的に開催しています。
このほか、社会全体のAI倫理リスク低減の取り組みとしては、AI4People加盟や政府の有識者会議等への参加を通して、日本をはじめ各国政府が提唱するAIの開発・利用等に関する指針を調査、検討してきました。
これらのリスク軽減策により、富士通グループの経営陣と従業員がAI倫理のリスクを認識し、ユーザーや消費者を含む幅広いステークホルダーに配慮することで、AIに対する信頼の確保と持続的な事業活動を推進できると考えています。
今後も、AIの研究・開発・提供・運用に携わる企業として、社会との対話を重視しながら、AIがもたらす豊かな価値を広く社会に普及させていくことを目指していきます。

AI倫理の浸透・実践

富士通グループでは、「富士通グループAIコミットメント」に基づき、AI倫理を事業活動の中で実践、定着させるため、全社研修および啓発活動を継続的に実施しています。富士通グループでは、グループ内におけるAI倫理の実践について客観的な評価を受けるために、社外専門委員からなる「富士通グループAI倫理外部委員会」を設置しています。また、人権尊重を基盤としたAI倫理を企業文化として浸透させるためには、経営層の主導が求められるとの認識から、同委員会での議論を取締役会へ共有する仕組みを整備し、AI倫理に関する取り組みをコーポレートガバナンスの一環として位置づけ、継続的に見直し・改善を図っています。さらに、AI倫理をマテリアリティの経営基盤(の項目の1つ)に位置づけ、AI倫理を経営課題として取り組んでいます。

2025年度の実績

経営者も参加するAI倫理の組織的な取り組み
  • 外部有識者から人権を含むAI倫理の富士通の取り組みについて客観的な評価をいただく、「富士通グループAI倫理外部委員会」を2回実施
  • 取締役会に2025年度の活動内容と上記外部委員会の議事内容、提言内容を共有
AI倫理教育・実践を通じたAI倫理のグループ内浸透
  • 国内グループ全社員を対象とした「AI倫理」に関するeラーニングを実施し、国内全社員の94%が受講
  • AIによって引き起こされうる差別や不公平などを抑止するために、お客様へ提供する全AI商談において倫理面でのチェックを実施し、AIの種類や用途に応じたリスク低減策を実践
富士通の先進的なAI倫理の取り組みを社会に共有することによる社会へのAI倫理の浸透
  • G7広島AIプロセスの成果物である国際行動規範の遵守状況の報告枠組みへグローバルにビジネスを行う企業として参画
  • AIをめぐる様々な論点について議論する内閣府の「AI制度研究会」、総務省の「AIネットワーク社会推進会議」を通して、AIの活用に向けた日本のAI規制の在り方の検討に参画
  • 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン」を基にAI倫理を気軽に学べるツール「Fujitsu AI倫理かるた」(注2)を作成し、社外へ無償公開。また、お客様や学校向けにワークショップを複数回開催

実効性のモニタリング

グループ会社人権調査

富士通グループでは、国内外の全てのグループ会社を対象にして人権尊重への取り組み状況を継続的に確認しています。2025年度は、全グループ会社を対象とした取り組みとして、グループ会社57社を調査し、従業員およびバリューチェーンに関わる人権課題への各社の対応状況、ならびに苦情処理メカニズムの運用実態を把握しました。本調査を通じて把握した人権リスクへの対応を推進するとともに、リスクの予防に向けた取り組みの一環として、人権教育をグループ全社員に対して実施しています。
引き続き、人権リスクに対する防止・軽減策の策定および是正活動への支援を行うとともに、グループ全体の人権リスクガバナンスの強化を推進していきます。

2025年度グループ会社人権調査結果
2025年度グループ会社人権調査結果

RBA監査

RBA(Responsible Business Alliance)は、グローバルサプライチェーンにおける責任ある企業行動(労働、安全衛生、環境、倫理)を推進するための国際的な業界団体です。人権尊重をはじめとする企業が遵守すべき行動基準を「RBA行動規範」として定めています。
富士通グループは2017年にRBAに加入し、以来RBA行動規範を「富士通グループサステナブル調達指針」へ取り入れる等、自社およびお取引先における責任あるビジネスの推進とサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
RBA監査(VAP監査)は事業所がRBA行動規範に沿って適切に運営されているか第三者監査機関が評価するものです。富士通グループは、2025年度に「笠島工場(注3)」と「伊達工場(注4)」の2つのサーバ・ストレージ工場がVAP監査を受け、それぞれ「ゴールド・ステータス」を取得、高いレベルで労働者の人権が尊重され、安全安心な労働環境であることが確認されています。監査では「労働条件通知書における給与控除項目(税金・社会保険料他)の金額算出方法の記載不十分」(笠島工場)「コンプライアンスおよびデューデリジェンスプロセスの軽微な不適合」(伊達工場)など一部に指摘事項がありましたが、その後すべて是正措置を講じ、現在はRBA行動規範に漏れなく適合するよう改善を図りました。

  • (注3) 笠島工場:石川県かほく市に所在
  • (注4) 伊達工場:福島県伊達市に所在
笠島工場
笠島工場
伊達工場
伊達工場

ステークホルダーとの対話

富士通グループでは、人権デューデリジェンスの一環として、外部有識者を含め社内外ステークホルダーと対話を実施しています。

人権に関する相談・通報の窓口

富士通グループは、世界中の様々な国や地域において社会と密接に関わりながら事業活動を行っています。それらの社会と関わっていくなかで、様々な立場からの意見に耳を傾け、理解し、自らの活動による人権への悪影響を低減・防止し、人権尊重への取り組みを強化するために、社内外から人権に関わる相談や意見を収集するための仕組みを用意しています。

国内富士通グループ社員向け相談窓口「人権に関する相談窓口」

富士通グループ全社員からハラスメントなど人権侵害行為に関する相談や意見を受け付ける仕組みとして「人権に関する相談窓口」をイントラネット内に設けており、1つひとつの相談に対応しています。相談内容は、個人情報やプライバシーに十分に配慮したうえで、人権啓発推進委員会に報告しているほか、監査役に対して定期的に報告するなどして、窓口の活用状況の確認、再発防止の取り組みに活かしています。
2025年度、発生したハラスメントに関して、以下の救済・是正措置を行いました。

  • 被害者のプライバシーに配慮したうえで、事実関係の調査を実施し、行動規範やGlobal Business Standards(GBS)、その他社内規程に照らして人権侵害行為が確認された場合には、被害者への救済措置を講じるとともに、懲戒処分を含む適切な人事上の措置を実施しました。
  • ハラスメント防止を含む人権教育を富士通グループ全社員に展開しました。

幅広いステークホルダー向け通報窓口「JaCER対話救済プラットフォーム」

富士通グループは2023年11月より、一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)が運営・提供する「対話救済プラットフォーム」に参加し、幅広いステークホルダー(注5)からの人権に関わる苦情・通報を受け付けています。JaCERは、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して非司法的な苦情処理プラットフォームを提供し、専門的な立場から会員企業の苦情処理の支援・推進を目指す組織です。第三者窓口を介して苦情を受け付けることで、苦情処理の公平性・透明性を図り、対話・救済のさらなる促進を目指します。

  • (注5) 幅広いステークホルダー:富士通グループ社員による違法行為、不正取引などのコンプライアンス違反行為を対象とする通報や、富士通グループ従業員からの通報・相談は、本プラットフォームではなく、「FUJITSU Alert」で受け付ける運用としています。また、人権に関する相談については、「人権に関する相談窓口」にて受け付けています。

社会の人権課題に対する活動

富士通グループは、地域社会を重要なステークホルダーと位置づけ、グローバルでコミュニティ活動を展開しています。多様な人々との交流や協働を通じて、互いの人権と尊厳を尊重し、様々な価値観への理解を深めながら、社会課題解決と持続可能な社会づくりへ貢献します。