マテリアリティ
富士通グループのマテリアリティ
富士通グループは、マテリアリティの改定を行いました。2018年に「CSR基本方針」の下で、マテリアリティを特定して以来、事業環境の変化やステークホルダーの期待を踏まえて定期的に見直しを行っています。2023年には、ビジネスを通じたお客様・社会への価値提供という観点をより重視するため、「経営におけるマテリアリティ」として見直しを行いました。その後、年1回の定期レビューを実施し、2024年には一部項目の更新を行っています。
2025年にはSSBJ(注1)・CSRD(注2)といったサステナビリティ開示基準を踏まえた対応、2026年度からの新中期経営ビジョンとの整合、および外部環境の変化への適合を目的として、再度マテリアリティの見直しを実施しました。
具体的には中長期的な視点で2035年を見据え、「サステナビリティトピックが企業の財務状況、業績、キャッシュフローなどに与える財務的影響」と「企業活動が環境や社会に及ぼすインパクト」の観点から評価を行いました。その結果、2023年に特定した2カテゴリー6テーマの構成は変わらず、項目名のみ「地球環境問題の解決」を「地球環境の保全」に修正しました。
当グループでは、持続的な成長に向けて解決すべきマテリアリティとして、「必要不可欠な貢献分野」、「持続的な発展を可能にする土台」の2つのカテゴリーを特定しています。必要不可欠な貢献分野について、Uvanceを中心とした事業展開により、「地球環境の保全 Planet」、「デジタル社会の発展 Prosperity」、「人々のウェルビーイングの向上 People」に貢献する価値をお客様・社会に提供します。また、持続的な発展を可能にする土台について、富士通グループの価値創造の源泉として、「テクノロジー」、「経営基盤」、「人材」を強化し、新たなビジネスモデルやイノベーションの創出を支えます。
2025年の見直しにおいては、これらのカテゴリーのもと、必要不可欠な貢献分野として3テーマ、持続的な発展を可能にする土台として3テーマと特定しています。
マテリアリティの評価プロセスでは、富士通グループ全社で行われる潜在リスクアセスメントの結果を活用し、全社リスクマネジメントとの整合性を確保しながら評価を実施しています。また、マテリアリティ分析から抽出された気候変動や人権、セキュリティなどの課題を、富士通グループ全社で行われる潜在リスクアセスメントにおいて重要リスク項目として連動させ、その一部は「事業等のリスク」として公表しています。
加えて、FUJITSU Level VP以上のエグゼクティブを対象にした評価制度「Executive Performance Management」において、マテリアリティ関連の取り組みを目標設定の推奨項目としています。マテリアリティを軸とした非財務指標については、役員報酬の評価指標(業務執行取締役の賞与)との連動も推進しています。
今後も引き続き、グループレベルでマテリアリティへの取り組みを推進し、経営における重要なリスクの低減・回避と事業機会の拡大を図り、富士通グループの企業価値向上と、地球環境の保全、デジタル社会、人々のウェルビーイングへ貢献していきます。
- (注1) : Sustainability Standards Board of Japan(サステナビリティ開示基準)の略
- (注2) : Corporate Sustainability Reporting Directive(企業サステナビリティ報告指令)の略
マテリアリティ
マテリアリティの特定プロセス
富士通グループでは、CSRD(ESRS(注3))のダブル・マテリアリティに基づき、企業と環境・社会の相互影響を考慮しマテリアリティを評価しました。また、年1回の定期レビューを行い、必要に応じた見直しを実施しています。
- (注3) : European Sustainability Reporting Standards(欧州サステナビリティ報告基準)の略
Step1 自社を取り巻く背景状況の検討
- 社内外の情報を踏まえ、主要なステークホルダーの特定、バリューチェーンの範囲および粒度の整理、ならびにビジネスモデルの整理を通じた事業の現状・将来像の把握を実施
Step2 サステナビリティトピックリストの作成
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下記を参考に、2035年の未来を見据えたメガトレンド情報やESG情報開示のグロースタンダード等を基に、幅広く様々な社会課題を網羅的に整理したロングリストを作成(約280課題)
・SDGs
・ESG報告に関する国際的なガイドライン(ESRS、GRIスタンダード、SASBスタンダードなど)
・国際ESG格付け機関によるESG株価指数評価項目(FTSE、MSCI、ダウ・ジョーンズ・ベスト・イン・クラス・インデックス)
・ESG外部評価・行動規範(CDP、Eco Vadis、レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)行動規範など)
・世界経済フォーラム(WEF)「グローバルリスク報告書」、Frontiers 「Beyond 2030」
・持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)、Global Enabling Sustainability Initiative (GeSI)等の文献 - ロングリストから、類似項目の統合や、事業と関連性の少ない項目を削除し、最終的に38個の社会課題を抽出
Step3 インパクト・リスク・機会(IRO)の分析・評価
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抽出された社会課題をもとに、社内外の情報を踏まえてデスクトップ調査を実施し、IRO評価の初期案を作成。
・2035年の未来を見据え、各課題についてIRO分析としてインパクトの特定を起点に、当該インパクトに起因するリスク・機会を整理するとともに、インパクトに起因しないリスク・機会についても分析・特定
・その上で、各リスク・機会の両面から、「財務マテリアリティ(サステナビリティトピックが短期、中期、長期にわたって企業の財務状況、業績、キャッシュフローなどに与える財務的影響)(注4)」の観点、およびポジティブ・ネガティブ両面から「インパクトマテリアリティ(企業活動が短期、中期、長期にわたって環境や社会に及ぼすインパクト)(注5)」の観点で包括的に評価・採点を行い、社会課題の優先順位を示すマテリアリティ・マトリックス案を作成 - 各トピックに関する社内専門家を含む主要な社内外のステークホルダーへの個別インタビューを実施し、ビジネスの方向性や組織ケイパビリティの強化、社会の潮流や社会・環境への影響の観点から評価の初期案に対する意見を収集。その結果を踏まえ、評価値の調整および重要度の閾値の討議を実施した。閾値については財務マテリアリティとインパクトマテリアリティの両方とも重要と定義し、マテリアリティを特定。
- 最終的には、コンセプトとして2つのカテゴリー、6つのテーマに分類・構造化
-
(注4) : 財務マテリアリティ
・リスク/機会:財務影響額(リスクはレピュテーションリスクも加味)に基づく影響度に、発生可能性および発生時期(短・中・長期)を掛け合わせて評価値を算出
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(注5) : インパクトマテリアリティ
・ポジティブ/ネガティブインパクト:規模・範囲(ネガティブインパクトは回復可能性も加味)に基づく深刻度に、発生可能性および発生時期(短・中・長期)を掛け合わせて評価値を算出。なお、人権に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、ネガティブインパクトに限り、発生可能性よりも深刻度を優先して評価
富士通グループ・ステークホルダー評価
| 対象 | 詳細 |
|---|---|
| 会長、社長 | マテリアリティ・マトリックス案、コンセプト案に対する意見を収集するためにインタビューを実施 |
| 執行役員 | 各役員の担当領域に関するトピックの分析・評価、マテリアリティ・マトリックス案に対する意見を収集するために、執行役員計24名にインタビューを実施 |
| 社外取締役、監査役 | トピックの分析・評価、マテリアリティ・マトリックス案、コンセプト案について、経営視点およびガバナンス・リスクの観点から意見を収集するために、社外取締役5名、監査役5名の計10名にインタビューを実施 |
| 労働組合 | 従業員の代表として、ネガティブインパクトとリスクを中心にトピックの分析・評価に対する意見を収集するためにインタビューを実施 |
| 投資家 | 当社に対する期待や外部環境の潮流を踏まえてインパクト・財務の両側面から意見を収集するために、大株主を中心とする国内外の投資家計5社にインタビューを実施 |
| 評価方法 | 詳細 |
|---|---|
| インパクト | 事業活動に関する社内情報やTCFD、CDP等の結果、代表的なESG評価機関の調査票や各種外部文献・レポートなどの社外情報を活用し、当社の企業活動が環境・社会に与えるインパクトを定性・定量的に評価 |
| リスク・機会 | Uvanceを中心としたビジネスの市場規模・売上に関する社内討議情報や潜在リスクアセスメントの結果、代表的なESG評価機関の調査票や各種外部文献・レポートなどの社外情報を活用し、社会課題が当社に与える財務的影響を定性・定量的に評価 |
マテリアリティ・マトリックス
Step4 マテリアリティの決定
- サステナビリティ経営委員会を通じて、マテリアリティ・マトリックス、コンセプトを最終化
- マテリアリティを含む中期経営計画を取締役会にて審議、承認
Step5 レビュー、見直し
- 年1回の定期レビューを実施
- 中期経営計画検討のタイミングで討議を実施予定