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リアルワールドデータ(RWD)(注1)活用が、創薬の高度化や医療の効率化に期待が高まる一方、データ標準化やプライバシー保護が課題となっています。そこで、電子カルテデータの標準化と安全な分析環境の構築を目指し、富士通の技術を活用したデータプラットフォーム構築に係る共同研究を実施。国内事例の少ないプライバシー保護のあり方を探り、対策を検討しました。
注1 電⼦カルテデータなど、臨床現場で得られる診療⾏為に基づく情報を集めた診療データ、調剤レセプトなどの会計事務の情報を集めた医事会計データ等の医療データ
課題
解決
効果
注2 FHIR:Fast Healthcare Interoperability Resources。一般的なWeb技術を用いて、複数のシステム間で医療情報のやり取りに必要な相互運用性を実現できる次世代フレームワーク
"富士通のデータ標準化技術やセキュリティ技術は、安心・安全なRWD利活用の可能性を秘めていると再認識できました"
国立研究開発法人国立がん研究センター東病院
土井俊彦病院長
開院以来、国のがん医療および研究の基幹病院として、「世界レベルのがん医療の提供と新しいがん医療の創出」を病院のミッションとして掲げ、新しいがん医療を可能な限り速やかに患者へ提供できるよう取り組む一方、研究面では、「臨床研究中核病院」、「ゲノム医療中核拠点」、「次世代医療機器連携拠点」、「橋渡し研究支援機関」など国のほぼすべての開発拠点整備事業を併設する先端医療開発センターと連携。がん医薬品医療機器開発の国内拠点としての地位を確立し、新しいがん医療を創出する世界的な研究を多数産み出しています。
現在、医療・ヘルスケア分野において、創薬の高度化やコスト削減、医療の効率と質の向上を通じた持続可能な医療の実現のため、RWD利活用の重要性や期待が高まっています。しかしながら、安心・安全にデータを分析・可視化するための仕組みが確立されていないのが現状です。
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グローバルなFHIR標準化規格に準拠の1つである米国の標準化規格も扱えるように対応しました。標準化されたデータの構造やそのユースケースを検証する国際的な協業プロジェクトであるVulcan FHIR ACCELERATOR Programへ富士通も参加しました。
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医療データの適正利用が、社会的にも増々重要となっている昨今、医療データは極めて重要な個人データであり、患者の個人情報の保護とプライバシー保護に対し慎重な取り扱いが求められています。一方で、あまりに厳格過ぎるデータ管理では、日本におけるRWDの利活用の推進を妨げることになるといいます。
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国立がん研究センター柏キャンパスでは、共同研究で技術評価し構築された製品版のHealthy Living Platformを導入し、研究活用されています。複数の民間企業から研究利用の問い合わせも増えるなど、実際にRWDの共同研究も始まり、研究活用ニーズが高まっていることを実感されています。
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