AI×データスペースが拓く、共創的企業価値のフロンティア
Insight | 2026年1月20日(2026年2月27日更新)
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シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロ、エラリー・クイーン。名だたる名探偵たちは、事件を解決するためにやみくもに論理を使っていたわけではありません。不確実な状況でいかに信頼できるデータを掴み、判断を下すか。それが名探偵たちの本質でした。
彼らは単一の事実だけでなく、現象の因果、人間の動機、そして厳密な論理に基づく分析といった多様な視点、すなわち異なる性質の情報源から得られるデータを統合し、複雑な謎を解決してきました。名探偵たちが紡いできた「データに基づき、客観的な整合性をもとに判断せよ」というメッセージは、現代社会に深い示唆を与えてくれます。
複合危機(polycrisis)が同時多発的に押し寄せる今、不確実な未来を読み解くカギは「より多くのデータの源泉を統合した全体像を把握する」こと。そして「AIを活用して素早く、正確に客観的な判断をする」こと。この2つを高いレベルで両立することです。これこそが、持続的な企業価値向上を実現する柱になると考えています。
参加者がデータ主権を堅持し、信頼性を担保しながら相手とデータを安全に連携・共有することによって、新たな価値を創出する仕組みとして近年、「データスペース」が注目されています。さらに、ビジネス環境が加速度的に変わる今、持続的な企業価値向上を実現するにはデータから得る「価値の質」と、意思決定や判断の「スピード感」をより高めることが求められています。それらのカギを握るのがAIです。Uvanceはデータ連携とAIの高度化を組み合わせ、知見の連携による価値を創出する基盤を「AIスペース」と定義し、企業や社会への実装を目指しています。
企業や団体がお互いにデータ主権を尊重しつつデータを統合したとき、共感に基づいた知識創造のプロセスがイノベーションのエンジンとして動き出すでしょう。そしてAIの解析を通じて新たな洞察が生まれるとき、これまでにない市場の潜在ニーズや競合優位性につながる「データ資産」と「ビジネスの見識」が手に入ります。AIスペースがもたらす変革は既存のビジネスモデルを再構築し、産業全体に新たな価値創造と競争優位をもたらす潜在力を秘めています。
Uvanceは様々なパートナーとAIスペースの社会活用を見据え、次世代の仕組みづくりや技術開発を進めています。
AIスペースは複雑な謎(=ビジネス課題)を解く名探偵のひらめきと推理を企業に与える、無限のフィールドです。不確実性に満ちたビジネス課題の本質に迫り、解決策へと導くAIスペースを戦略的に活用する、経営変革の第一歩を踏み出しましょう。名探偵が生み出す新たな価値は、企業活動の新たなフロンティアを切り拓いてくれるはずです。
藤井 剛
Takeshi Fujii
富士通株式会社
Strategy & Transformation 本部長
20年以上にわたる戦略コンサルタントのキャリアを経て2024年富士通入社。事業ポートフォリオ変革の中核であるUvanceの事業戦略責任者として戦略策定と実行をリード。前職のデロイトトーマツコンサルティングでは戦略コンサルティング部門Monitor DeloitteのジャパンリーダーおよびChief Value Officerを歴任。大学院大学 至善館 特任准教授。
鈴木 大祐
Daisuke Suzuki
富士通株式会社 グローバルマーケティング本部
マーケティング戦略統括部 コーポーレートインサイト部
部長
日本経済新聞社、PwC Japanを経て2024年3月に富士通入社。日本経済新聞では記者、デスクとして約18年間、財務省、金融庁、経済産業省など中央省庁の政策取材のほか、エネルギーやスタートアップなどの業界を担当。PwC JapanではThought Leadershipの企画立案、編集、執筆をリード。
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