ネットポジティブ経営 資源制約時代に企業が成長する方法

Report | 2026-06-26
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現在のマクロ経済環境において、企業は収益を上げながら、高まるESG(環境、社会、ガバナンス)への期待に応えるという二重の課題に直面しています。企業の53%が「サステナビリティへの取り組みが他の事業目標と対立している」と感じている現状(*1)では、単に法令順守のためにテクノロジーを導入するだけでは不十分です。そこで重要になるのが、「ネットポジティブ」という考え方です。テクノロジーをネットポジティブな視点から活用することで、事業活動が社会や環境にもたらす良い影響を最大化し、財務効率の向上や社会・環境への貢献といったポジティブな連鎖を生み出すことができます。
ネットポジティブなビジネスとは、単に「環境負荷を減らす」だけでなく、長期的な持続可能性を高め社会と環境の幸福に積極的に貢献するビジネスのことです。このようなアプローチはコスト構造の変革を促し、事業リスクを軽減し、サプライチェーンを強化し、企業のブランド価値を高めます。つまり、サステナビリティと収益性は相反するものではなく、互いに高め合い、企業が期待を超える成果を上げ業界をリードすることを可能にするのです。
富士通はエコノミスト・インパクト社と共に調査・開発した「ネットポジティブ推進アジェンダ」(*2)を通じて、企業が「サステナビリティか収益性か」という二者択一の考え方から脱却し、資源が限られた世界でも成長を続けられるよう支援しています。このアジェンダには、様々な業界におけるネットポジティブへの取り組み状況を評価・追跡するための実践的なフレームワーク「ネットポジティブインデックス」(*3)が含まれています。これはサプライチェーンの課題、明確な規制ガイダンスの不足、組織内の抵抗勢力など、企業が共通して直面する障壁を特定するのに役立ちます。
構造化されたネットポジティブロードマップを導入することで、企業はこれらの障壁を乗り越え、収益性の向上や投資家の信頼獲得といった目に見える成果を上げることができます。企業がこの変革を効果的に進めるためには何が必要なのか、富士通のサステナビリティコンサルティング責任者であるアナ・ラングレーが紹介します。

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