「医師の診断を支援する3次元類似症例画像検索技術の開発と実用化」が「情報処理学会 業績賞」を受賞
2026年6月25日
「医師の診断を支援する3次元類似症例画像検索技術の開発と実用化」が、このたび、一般社団法人情報処理学会の2025年度 業績賞を受賞いたしました。本技術は、患者のCT・MRI等の画像診断において、過去の類似症例を瞬時に検索し、その病名を参考に医師が診断を行えるようにすることで、医師の診断を支援する3次元類似症例画像検索技術です。
なお、表彰式は6月15日(月)に日本出版クラブホール(東京都千代田区)にて行われました。
情報処理学会 業績賞について
情報技術に関する新しい発明、新しい機器や方式の開発・改良、あるいは事業化プロジェクトの推進において、顕著な業績を上げ、産業分野への貢献が明確になったものの中から、その貢献者に贈呈される賞です。
受賞内容
「医師の診断を支援する3次元類似症例画像検索技術の開発と実用化」
受賞者
馬場 孝之(富士通 セキュリティサイエンス研究所 リサーチディレクター)
武部 浩明(富士通 セキュリティサイエンス研究所 プリンシパルリサーチャー)
宮崎 信浩(富士通 セキュリティサイエンス研究所 プリンシパルリサーチャー)
森脇 康貴(富士通 セキュリティサイエンス研究所 シニアリサーチャー)
馬場 幸三(富士通 セキュリティサイエンス研究所 シニアリサーチャー)
技術概要
本研究では、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)検査などで過去に撮影された画像から、異常陰影の立体的な広がりが類似した症例を検索する技術を開発しました。近年、撮影装置の高度化により画像枚数が増加し、医師の業務負荷が増大しています。中でも、異常陰影が肺全体に広がるびまん性肺疾患は、多様な疾患を含むため診断に高度な知識と経験を要し、時間的負荷が大きいことが課題となっていました。そこで、医師が臓器内を末梢・中枢、上下左右といった立体的な領域に分けて、異常陰影の広がり方を脳内でイメージしながら見ている点に着目しました。独自の画像解析で画像中の他臓器の影響が少ない領域を手がかりに、臓器領域を自動分割。さらに、各領域における様々な形状の異常陰影をAIにより認識することで、立体的な広がりが類似したCT画像を検索する独自技術を開発しました。本技術により、医師が診断の参考となる類似症例を検索でき、診断時間の短縮が期待されます。
受賞者コメント
馬場 孝之
武部 浩明
宮崎 信浩
森脇 康貴
馬場 幸三
このたびは、情報処理学会 業績賞という大変名誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。本研究の遂行にあたり多大なご支援とご助言を賜った関係各位に、心より御礼申し上げます。本研究は、広島大学様をはじめとする医療現場の先生方、富士通Japan株式会社など、技術の評価や実用化に携わった多くの方々のご尽力による成果であり、ここに深く感謝申し上げます。本受賞を励みとし、今後も医療や産業領域における社会課題の解決に資する技術開発に取り組んでまいります。